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全く、俺たちが頑張って試合(主にミイ)してるのに何て奴らだ!
「そろそろ決勝戦だなぁー」
「そうね」
次は準決勝なのだが、おそらく今まで同じく魔法は大して使えない生徒だろう。
それか喧嘩が強い奴とか。
「あ、レン君ミイ!」
珍しく二人きりで暇つぶしにしりとり(デスパイアで大人気の言葉遊び)をしていると、準決勝を終えたエレナとそのペアが俺たちの元にやってきた。
エレナのペアは派手な金髪を肩まで伸ばしたロン毛野郎だ。
しかもちょっとイケメンでムカつく。
「君がレン=アクセル君かい?」
金髪野郎が俺に話しかけてきた。
俺より背が高いからって見下ろすなよクソ野郎。
「はいこんにちは」
俺は立ち上がるとその場を離れた。
金髪は俺だけでキャラは揃ってるんだよ!
「ちょ、ちょっと待ってくれ」
「はいこんにちは」
俺を追ってきた金髪が肩を掴んできた。
痛い!死ぬ!とか言って倒れてもがいたらどうなるかなぁ……
「君……レストルトさんの幼馴染なんだって?」
「はいこんにちは」
俺は適当に頷くと金髪の手を肩から除ける。
もう!うざいんだから!
「僕が君達に勝ったら、金輪際レストルトさん…エレナに話しかけないでくれるかな?」
「了解しましたけど死なないで下さいね」
「へ?」
早口で返事をすると俺はその場を立ち去った。
「いやぁぁ!イライラするぅっ!ムキィーッ!」
金髪ナルシストクソ男から離れると俺は本部の元へと歩いていた。
あんな奴の名前は金○で十分だ!
本部に着くと担任の先生を見つけて話しかける。
「決勝戦ってどのフィールドでやるんですか?」
「えっとね、たしか1番フィールドでやる予定なんだけど……」
「分かりました!」
俺は即座に返事をすると1番フィールへ走っていった。
「……本当に困った子だわ……」
女教師はマーキングされた胸を服の上から抑えるのだった。