事の始まり①
以前投稿した物作品の新改版です。
続編を考える中でこの話はもう少し説明があったほうがよかったなとか、このエピソードも入れた方がよかったなと思う事もあり。
だったら書き直してそのまま続編とつなげてしまえとこうなりました(;´Д`)
相変わらず誤字誤変換はあると思いますが、1日1話で進めて聞こうと思います。
宜しくお願いします。
【 俺が定年退職したら田舎でのんびり暮らそう 】
そう言っていた夫はあっけなく事故で他界してしまった。
相手側の飲酒運転による事故だった。
慰謝料だの保険金だのと不本意ながら纏まった金が手に入った。
だから夫と話していた老後の夢を叶えようと僻地と呼ばれる山間の古民家を購入した。
小さな畑もついているのでのんびりと過ごせばいいだろう。
子供達の家からも車で3~4時間程度だから会おうと思えば会える距離だ。
今住んでいるマンションは長女に譲ることにした。
そうして始めた僻地暮らしは楽しかった。
もともと家庭菜園程度の小さな畑はやっていたし、生まれ育った場所も田舎だった。
季節の野菜を新鮮な内に食べれる。
なによりも手間暇かければそのぶん野菜は美味くなってくれる。
それに野生動物との奇妙な隣人関係も楽しかった。
間引いた野菜を畑の片隅に積んでおけばシカやイノシシが食べにやってくる。
畑を踏み荒らされることもあったが、その時は鍬を手に追い払うし対策として唐辛子を植えたりもした。
シカやイノシシもバカではない。
しばらくすれば間引いた野菜だけ食べてよいのだと理解し畑には入らなくなった。
そんなある日、いつものように畑仕事を終えて家に帰る途中だった。
グラッと地面が揺れて地震かと思った次の瞬間には腹部に激痛が走っていた。
条件反射的に腹部を押さえれば ぬるっとした生暖かい物が手に付いた。
血だと認識した瞬間ドサリとその場に倒れ込んでしまった。
(何? 地震の揺れで何かが落ちて来て刺さった? それとも通り魔?)
違うな、こんな僻地に通り魔なんてまず居ないだろう。
もしかして倒れこんだ時に草刈り鎌が刺さったのだろうか。
状況を把握しようにも体に力も入らない。
(119に電話を・・・)
そう思いポケットに手を伸ばそうとした時、周囲の声に気が付く。
(騒がしい、野次馬でも集まったんじゃろか)
ん?待てよ、野次馬なんているはずもない。
一番近い隣家でも4㎞は離れているのだ。
じゃあ誰だろうと目を開けようにも瞼が重い。
声をかけようにも声がでない、ヒューと息が漏れるだけだった。
(こりゃ困ったぞ。子供達にも連絡したいけど)
などと考えた時全身がカタカタと震えだした。
(寒い・・・)
季節は晩夏、まだ暑い時期だ。
(そういえば失血死って寒さを感じるってなんかで見た気が・・・)
何で見たんだっけ、ドラマだっけ、映画だっけ。
そんな事を考えながら意識は沈んでいった。
目を通してくださりありがとうございました。




