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戦姫アデリーヌの物語  作者: 矢野葉


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モーヴァン王国では3年間の期限が定められた王位継承争いに決着がつき、王都騎士団長の任についていた第一王子フィリップが王太子の座を得ることとなった。


帝国との関税問題を解決するために王子がとったのは伝統的な婚姻施策である。

その一助となったのはペイシェル家の令息に迎え入れられたベルガルドの存在であった。春の園遊会を持って、北壁騎士団の騎士団長の任についたベルガルドは、その身柄を第一王子の率いる王都騎士団に預けられていた。それをもって、帝国が武勇を讃えた戦姫アデリーヌの功績は第一王子に属すると認められ、戦姫アデリーヌに強く憧れを抱いた帝国皇女の輿入れが決まった。


そして、第二王子アンディは北部辺境伯と東部辺境伯の連名で無謀な戦争責任を問われることとなる。戦をはじめるにあたり、東部国境騎士団を選ばなかったのは私情に左右されたのか、北部国境騎士団を全滅させた責任を第二王子アンディは負うこととなった。


第二王子アンディに娶られた聖女は、最後まで聖王国第三王女を名乗り続けた。

しかし、聖王国側は、聖騎士の派遣要請はあくまで第二王子の母を通じたものであり、第三王女の存在は最後まで認知されることはなかった。

第二王子アンディが裁判後、毒杯を賜ると、聖女は出身地でもある東部の小教会に居を移し、終生、祈りの日々を過ごしたと言う。


王国貴族の最大派閥である中立派として台頭したペイシェル伯爵家は、戦姫アデリーヌの功績を持って侯爵家へ格上げとなり、両辺境伯を後支えしたのではないかとまことしやかに囁かれた。

しかし、今日まで両辺境伯と侯爵家の繋がりを示す証拠は見つかっていない。


またノルン侯爵家から分家した、レティシア・ノーシィ女伯爵はペイシェル家の末息子であるベルガルドを婿にとり、戦姫アデリーヌが切り取った北部地帯をよく治めた。

戦姫アデリーヌを姉にもつベルガルドが夫であることもあり、レティシアは女性当主の先駆けとして、また社交界の名花としても名高い。

帝国皇女と共に戦姫アデリーヌの功績を広め、絵画や詩を数多く残した。


読んでくださってありがとうございます。感想、評価などいただければ大変有り難いです

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― 新着の感想 ―
この作品だけは読み切ってもお気に入りに入れたままです。 とてもよく出来ている作品だと思いました。 アデリーヌがとにかく人間らしく、カッコいい。
なろうでこういう作品を見つけられると久しぶりの良作発見と嬉しくなる。とてもいい作品でした。
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