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第三章:夢で逢えたら 1話

そして、次に目を開けた時は布団の中だった。

カーテンの隙間から朝日が差し込んでいる。



自分らしく、か。


今俺が思う「自分」は、本当に「自分」なんだろうか。


子供の頃から自分を偽って、良い子を演じて、そしたらいつの間にか「自分」を見失った。

自分でも良くわからない「自分」しか残っていなかった。


本当の俺はどこにいるんだろうか?



いつもふと考えてしまう、結局答えが出ることはないのに。

そんなこと、考えたって無駄なのに。


体を起こし、部屋を見渡す。


サイが机の下でぐっすりと眠っている。


猫は良いな。こんな人間みたいにあれこれ考なくていいんだから。まったく、羨ましい限りだ。


ベッドから降り、洗面所へ向かい顔を洗う。



結局、彼女は話してくれなかった。


彼女と交わしたのは挨拶だけ。


あんなに長い時間そばにいたのに。

横にいて、何もしてあげられなかった。


聞いてほしいなら、彼女は話すだろう。

でも彼女は話さなかった。


何もしてほしくないのなら、放っておいてほしいのなら、そうしてあげるべきだ。



だから、良いんだ。

気にするな。



そう自分に言い聞かせながら、朝食を作る。


作るといっても、ただ食パンにバターとジャムを塗るだけだ。


それをブラックのインスタントコーヒーで胃袋へ流し込む。


朝食を済ませ、寝ているサイの横に餌を置いてから、事務所へ向かう準備を始める。


朝食を済ませ、寝ているサイの横に餌を置いてから、事務所へ向かう準備を始める。


スーツに着替え、歯を磨き、身だしなみを整える。

それから、机の上に無造作に置いてある書類をバッグに入れて部屋を出る。


外に出ると、空には澄みきった青空が広がっていた。

雲もあまりない。晴天だ。

だけど風が冷たくて寒い。


きっと夜は、今以上に寒くなるだろう。

今日もまた早めに帰ってくるか。


なるべく暖かい日向の所を歩きながら事務所へ向かった。

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