2.0-05 いじょうきしょう?5
……また、ユキちゃんの一人称を間違えちゃっていたので、修正しました……。
「まずは〜♪圧力鍋を用意して〜♪スープを作る準備〜♪なのじゃ〜♪」
脅威になるかもしれない、とアメちゃんに聞いていた小さな雪女ちゃんが実際にやってきたことで、錯乱した(?)様子のテレサちゃんが、この家にある一番大きな鍋……つまり、圧力鍋を用意しながら、謎の曲を歌い始めました。
「……テレサちゃん?」
「……む?」
ブゥン……
とりあえず、混乱しているテレサちゃんを、強制的にお風呂に送ります。
雪女ちゃんを食べようとしている彼女は……お風呂の中で、少し頭をリセットすべきです。
『?!』
テレサちゃんが突然姿を消した……その様子を見て、何故か驚愕した表情を見せるユキちゃんとユリアお姉ちゃん。
……2人共、もしかして、テレサちゃんと一緒にお風呂に入りたいのかなぁ?
その一方で。
ユキちゃんから預かった小さな雪女ちゃんのことを、緑色の弱粘テープでぐるぐる巻きにしていたアメちゃんが、雪女ちゃんに気が抜けない様子で、口を開きます。
「お主ら、こやつを侮ってはならぬ……。こやつは250年前に生まれた際、この国を滅ぼしかけた大罪人なのじゃぞ?」
「えっ……じゃぁ、ボクと同い年ですか?!こんなに小さいのに……」
「いや…………え?」
ユキちゃんに対して、そこは驚く場所ではない……と言いたげなアメちゃんでしたが、ユキちゃんのその言葉の意味を理解して、固まっちゃったようです。
そう言えば、アメちゃんに、ユキちゃんの実年齢を説明するのを忘れてましたが……まぁ、別にいいですよね。
「って、そんな危険な人なら、もっとどうにかした方がいいんじゃないの?」
そんな弱粘テープで縛ってないでさ?と、私が言葉を続けようとしていると……
「そうじゃのう……。なれば、捕り方に突き出すかのう」
精神世界から戻ってきたアメちゃんが、随分と古風な言い方で提案してきました。
その言い方だと……多分、ユキちゃんやユリアお姉ちゃんには理解できないんじゃないかなぁ……。
いつも夕方になったら、TVの再放送で流れてる時代劇を見てるなら、その限りじゃないと思うけど……。
「捕り方って……。……でも、ごめんね?アメちゃん。ちょっと、それは出来ないんだよね……」
異世界からやってきた私たちの存在自体、この国の警察組織に知られるわけにはいかないんです。
もしも雪女ちゃんを警察に付き出そうとすると、必然的に私たちの姿も警察に見られちゃいますよね……。
人目を忍びながら生活している私たちにとって、それは難しい話です……。
というかそれ以前に……
「って、警察に連れてったところで、この子が悪い子だって……信じてもらえるの?見た目は普通の女の子だよね?」
「んぐっ……!」
……アメちゃん、そこまで考えてなかったみたいですね。
どうして彼女が危険な人物なのか……。
その説明を始めた途端、間違いなく、私たちは警察……あるいは国の特殊な機関に眼を付けられてしまうことでしょう。
……ううん、そもそも、テープでぐるぐる巻きにされた少女なんて警察に連れて行ったら……間違いなく、逆に捕まっちゃうよ……きっと。
「むむむ……では、どうすればよいじゃろうか……。まさか、この場で首を刎ねるわけにもいかぬしのう……」
「んー、流石にそれは主さんに怒られるだろうし、この世界ではどんなことがあっても、人を殺めるのは絶対にダメなことだ、ってお姉ちゃん言ってたから……ここで殺っちゃうのは拙いと思う。この際だしひと思いに、私の転移魔法で、地中奥深くか太陽に送っちゃう?そうすれば、証拠は残らないと思うけど……」
『…………』
あれ……?
冗談のつもりだったのに、何でみんな、そんな悲しそうな顔を見せてるんだろ……。
と、そんなことを考えている時のことでした。
「……うーん……」
緑色のテープでぐるぐる巻きにされていた雪女ちゃんが眼を覚ましたみたいです。
その様子を見て……
「だ、ダメじゃぞ?ルシア嬢。人をそう簡単に殺めるなどと言ったら……」
アメちゃんが、急いで釘を刺してきます。
さっきアメちゃんも、首を刎ねる、とか言ってたけど……それとこれとは違う、ということなのでしょう。
「うーん……そうだよね。もう数えきれないくらい殺っちゃったような気がしなくもないけど、無闇に手を汚すのは私も嫌だから、それはないよ?」
「…………そ、そうか。ならよいが……」
と、私の言葉に対して、無理矢理に納得しようとしているアメちゃん。
私が向こうの世界でお姉ちゃんのために勇者をしてた頃の話をアメちゃんは知らないから、人を殺めたことがある、と聞いても、彼女には私の言葉が素直に信じられなかったようです。
決して、自慢すべき話ではないので、わざわざ教えるようなことではないのですが……機会があれば、掻い摘んで、昔の話をしてもいいかもしれません……。
……え?テレサちゃんの書いてる話を見せればいい?
あれ、半分以上、テレサちゃんが脚色して、よく分かんない文になってるから、見ても仕方ないと思います。
まぁ、その話は、燃えないごみ袋の中にでも詰め込んでおいて……。
「えっと……眼を覚ました?」
眼をぼんやりと開けて、今、自分が置かれている状況を確認しようとしているだろう雪女ちゃんに対して、私はそう問いかけました。
すると……
ぐぅぅぅぅ……
っと部屋中に鳴り響く、低い音。
その音源はどうやら……
「あ、申し訳ございません。戸棚の中のスパイスを見たら、急にお腹がなってしm……」
……などと言っているユキちゃんもそうかもしれませんが、そうではなく……
「……お、お腹が減ったです……」
小さい方の雪女ちゃんのお腹から聞こえてきたようです。
恐らく、彼女は、お腹が減りすぎて、家の前で倒れていたんでしょうね……。
……うち、白いご飯しか無いけど……ユキちゃんみたいに、激辛スパイスをかければ、喜んでくれるかなぁ?
前の話の更新から随分と時間が経過してしまいました。
テレサちゃんも私も、最近、すごく忙しいです。
それでもどうにか時間を見つけて書いていきたいのですが……なかなかその時間が見つけられない今日このごろです……。
さて。
それでは、補足に入りたいと思います。
……無いです。
テレサちゃんほどではないですが、私の文も駄文が多いので、特に話が進んでいないこともあって、補足することはありません。
……多分だけど……。
というわけで、今日ももう遅いので、次回予告だけして、眠ろうと思います。
次回、『雪女ちゃんを加熱したら跡形もなく溶けた件について……』乞うご期待?、です。
流石にうちにある圧力鍋では、雪女ちゃんをそのまま入れて加熱するというのは難しいですが、コルちゃんに教えてもらった電子レンジ魔法や、火魔法、それに……まぁ、加熱する方法は、いくらでもありますからね…………温めても、飢えたテレサちゃんみたいに食べようとは流石に思いませんけど。
……まさかとは思いますが、小さい雪女ちゃんも……ユキちゃんみたいに、加熱すると喜ぶ趣味(?)とかあったりするんでしょうか……?




