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「父ちゃん…母ちゃん…どこ…?」


両親とはぐれてしまった少年。

彼がいる場所。それは、



化け物が闊歩する街だった。


その化け物は人型もあれば、獣のようなものおり、彼らは周りにあるものを手当たり次第壊している。

建物、街を守るロボット、そして、逃げ惑う人を。


手で叩く。足で蹴る。噛みつく。

原始的な攻撃方法。だからこそそれは、人々に恐怖を与える。少年もまた、例外ではなかった。


「父ちゃん!母ちゃん!ともちゃん!ゆうくん!皆!僕を置いていかないで!何処なの!!」


半ば狂乱しながら街だった所を走る。

所々火の手が上がり、建物が倒壊していく中、必死に走る。いたるところから悲鳴や助けを求める声が聞こえるなか、見てみぬ振りをしてただただ走る。そして、


父親を見つけることができた。


「父ちゃん!」


父親は焦っているのか、逃げ出したくても逃げれない様子で、息子の声を聞き、振り返ったら、


「ダメだ!こっちに来るなっ!」


そこには、人を食らっている獣がいた。近くを見ると、母にあげたキーホルダーが付いているバッグがあった。


「う…うそ…でしょ…?」


現実を認めたくないがために、少年はそのまま近づこうとする。


「グルルゥ…」


化け物の1体が、こちらを見た。


「ひぃ!?」


恐らく物足りなかったのだろう。こちらにゆっくり足を動かし、赤が混じった涎を垂らしながら近づいてくる。


「くそっ!逃げるぞ!」


息子を抱え、逃げる父親。

それを見た化け物は、嬉しそうに口角をあげ、走る速度より少し速い速度で追いかける。


「父ちゃんっ!あいつが追い付きそうだよっ!」


後ろを振り向いた息子は迫る化け物のことを伝えると、


「仕方ない…か…。


良いか、よく聞け。お前はこのまま走っていけ。

父ちゃんはここであいつの気を引く。

大丈夫だ、父ちゃん走るの速いだろ?追い付かれるわけない。

後、これは父ちゃんと母ちゃんの指輪な。無くすなよ?

心配すんな。後で帰ってくるから。


無事で居ろよ」


泣きそうになった息子を撫で、二つの指輪を託し、近くの工事現場だったところから鉄パイプを手にしながら息子をおろし、


「こっちだ化け物っ!お前の相手は俺だ!」


父は化け物を引き付けるように走り、化け物は少し悩むような仕草をしたが、父の方へと向かっていった。

そして息子も、別の道を走り始めた。涙を流しながら。



〇〇


街の外に向かうように走っていくと、聞こえていた声が聞こえなくなってきた。どこを見回しても残骸ばかりで地面も、ところどころ歪んだり、抉れている。

周りに何も居ないのを確認すると、今まで我慢していた感情が、津波のようにやって来た。


「何で…っ!遊びに行こうって言ったから…!?何もしてない!楽しく過ごしていただけなのに…!」


一度溢れたら、もう止まらなかった。怒り。悲しみ。憎しみといった負の感情を吐き出していく。


ある程度時間がたった。少し冷静になって、まだ安全な状態ではない事を思い出す。


「早く逃げないと…!」


その時、あることに気付いた。

さっきまではそれなりに周りの音が聞こえていたが今は聞こえなくなっていた。聞こえるのは自分の鼓動と、息づかいと、獣のような息づかい。


「あっ…!」


気付いた時にはもう遅かった。周りには複数の化け物がいた。

そして悟った。もう助からないと。


「ゴメン、父ちゃん、母ちゃん。今までありがとう…」


徐々に口が近づく中、目を閉じて時を待つ。


そんな時、目の前にいた化け物が爆ぜた。

体に色んなものを付けられ、驚いて目を開いた。


「何…これ…?」


そこには、体の真ん中から爆発したように死んだ化け物がいた。

他にもいた化け物も、同じように爆発するように死んだり、穴が穿たれ、倒れる化け物もいた。


逃げる化け物。そのうちの1体がこっちに来た。


「…っ!」


咄嗟に逃げようとするも、体が動かず、尻尾の一つに弾かれ、壁に弾かれた。


「っふ!ぐぅ…」


この時、致命傷の傷を負ってしまい、飛びそうな意識を必死に保っていた。(この時、耳はもう聞き取りずらくなっていた)


空を見上げると、蒼白い光が吹き出る様にして空を舞うロボットを見つけた。一瞬光ると、化け物は倒れていく。そんな光景をどこか遠いところを見るようにして眺めていた。


化け物が居なくなると、そのロボットが近くに降りてきて、中から人のようなのが降りてきた。すでに焦点も合わなくなるほどに血を失っていた。


何か喋っていたが、言葉は分からなかったが、涙を流していたので悲しんでるのかなぁと思い、上がらなくなっていた腕を動かし、相手の顔辺りを撫でる。そして、


「ありが…とう」


といって、意識が遠くなるのを感じ、それに身を任せてゆく。


薄れ行く意識の中、最後に見えたのは、まだ涙を流す髪の長い女性が、腰の辺りから細長いものを、自分の腕に押し当てるところだった。




〇〇


「もう…これを使うしか…!」


涙を流しながら自分用の、細胞を活性化させるナノマシンが入った注射器を取り出す。

これはこの星の人間に使用した事がない薬で何が起こるかは分からない代物であった。

だが、目の前の少年は、内蔵にも影響が出ているようで、目に見えて衰弱していった。


「ごめんなさい…。必ず助けて見せるわ…!」


腕に注射器を押し当て、中身を少年に投与する。

気絶してしまっている事に気が付くと、少年を抱え、コックピットに戻って行く。


「もうこんな事は終わりにしなければ…!」


少年を安全な場所まで運んだ後、少し離れて飛び立つ。

かつて起こった悲劇を防ぐため、彼女は機体を駆り、

化け物を狩り続けて行く。





〇〇


江津市での被害報告


・行方不明者

一万四千二百六十二人

・死者

三千三百十五人

・生存者

十三人

どもー。

前々からこういった小説ないかな~何て思ってましたが、どうせなら書いてみるかと思って書きました。

人名、地名、考えることが多すぎて大変ですが頑張りたいと思います。

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