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箱館・怪談散歩  作者: オブチアスマ


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第69歩 九年後の告白

 Kさんは奥さん娘さんが居て昔アパート住まいをしていた。


夜中、決まって3時頃、寝ているはずの三歳になる娘さんが

寝室の天井を指差して大声で泣くという事が続いた。


娘さんに聞いても

「こわい、こわい」と大泣きするだけで要領を得ない。


Kさん夫妻は娘を案じて引っ越すことにした。


娘さんは夜中に起きて泣き出すことは二度となくなった。


 それから九年の歳月が流れ・・・


十二歳になった娘さんが、なにかの折に三歳の頃

あのアパートで夜中に何を見たのか父に告白した。

「おとうさん、あの時ね・・・」

娘さんは何があったのか鮮明に記憶していた。


 三歳の頃、夜中に目が覚めると天井が見えて

奥の天井角辺りから

足が二本

『ニョキッ』と出ている。

見ていると、ゆっくり、ゆっくり足から腰と人が降りてきて

知らないおじさんが出てきた。


 怖い顔でこちらを見ていた。


こわくて泣き出しながら見ていると、ゆっくり上がっていっては、

また降りてくるのを朝まで繰り返すのだと云う。


そのアパートは現在も残っている。

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