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【完結】魔女の煌めき屋【冬童話2026】  作者: 黒井ここあ


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煌めき屋の魔女

 どんな大きな蝋燭よりも燃え続けて、真っ暗で怖い闇の中でもキラキラ輝く夢と希望を見せてくれるランプが欲しいですって?

 それなら、〈煌めき屋〉へお行きなさい。

 世界の端と端が結ばれ、海と海が出会うところ、そこに〈煌めき屋〉はあります。

 そこでは、ランプの魔女のリュスラーナが、毎日まいにち、ランプを作っています。

 海ぼたるの住むランプ、花咲き香るランプ、それから宝石の踊るランプ。

 それから、それから!

 魔女のランプに、普通のランプは一つもないのですよ!

 ここだけの秘密、リュスラーナのランプには、精霊の吐息が込められているのです。

 だからランプは、冬の間中、わたしたちの心を暖めて続けてくれるのです。

 あなたたちは、春になればいつも、雪の隙間からスノードロップが頭を出すのを知っていますね。ランプの炎はそれまでずうっと消えたりしません。

 春風がすっかり雪をさらってしまったあとに、炎をそっと吹き消してゆきます。

 でも、決して消えたランプを捨てたりしないで。

 また〈煌めき屋〉に精霊の吐息をもらいに行けば、もうひと冬越すことができますから。


 さあ、冬になる前に。雪が道を閉ざす前に。夢を忘れずに。

 〈煌めき屋〉に行かなくては。

 だってこれこそが、常闇の国ミュルクルの冬支度なのですから!


 あなたがもし、〈ヨウル〉のマーケットに行くことがあれば、ぜひのぞいてみてください。

 リュスラーナが自慢のランプを持って、お店を出しているかもしれません。

 そのときは、絶対に〈きらきら〉を忘れないで。

 あなたの心の〈きらきら〉が、魔女の大好物なのです。

 〈きらきら〉がどうしても見つからなくて、困っている?

 そんなときは、あなたの大切なものを心に思い浮かべてみてください。

 ジンジャーブレッドを焼くよりも簡単なことだと、わたしは思いますよ。


L.ヴィータサロ『魔法のかかったランプ(改訂版)』より


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