奇跡的な誤解
気がついたら1年過ぎてました。
すみません。
前回 ミツキジェットコースター
何の前触れもなく現れた、影を自在に操る不気味な人間。
それは、この世界に古くから伝わる童話に描かれる『闇の魔法使い』を彷彿とさせる存在。
今、過去に類を見ない世界の危機を、その存在を知っているのは、彼ら森の守り人エルフだけ。
世界の知恵者たる彼らは、世界の破滅を阻止すべく持てる全てを以って動き出した。
だが、その存在に関する情報はあまりに少なく、調査は難航した。
書物や歴史といった過去の知識は、他のどの種族にも引けを取らない彼らだが、新たな情報を集める力はないに等しい。
長らく外部との接触を避けてきた付けだろう。彼の人間を特定することも叶わない。
そんな彼らを見かねたのだろう。ついに彼らの親たる長老会、かつて『伝説のパーティー』と呼ばれたその者たちが自ら動き、闇の魔法使いに一か八かの大勝負を挑むこととなる。
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藍残る空の端
東の山際からひときわ強い輝きが放たれたその瞬間
エルフの森の中心
並び立つ古く大きな木々が少し開けたその場所に
誰も予測しえなかった厄災が、大きな衝撃を伴い降りかかる。
この日、エルフの森に新たな歴史が刻まれることとなる。
春の訪れをあらわすその名とともに、、、
ドッゴォン!!!
ズーゥゥン、、、
エルフの森の大きな広場。
そこへ雷の如く落ちてきた人影のようなもの。
森全体を揺るがすと思われるほどの振動に、誰もが立っていられず近くのものや人、地面に支えを求め、巻き上げられた土煙で未だ見えない震源の方へと視線を向ける。
その様は姿の見えない未知の厄災に恐怖し、近くの人や物にしがみついているようにもみえた。
ひゅうぅぅ
さぁぁ、、、_______ 。。
太陽に暖められる前のまだ冷たい風が、重くもたげた土の煙をゆっくりと晴らしてゆく。
明るくなっていく森に、しんと横たわる静寂。
突然の事に声の出し方を忘れたのだろうか。周囲にいる誰も、一言も発しようとしない。息をするのも躊躇われるほどの重たい静寂。
彼らの静かな視線の先は、ただただ広場の中心へと向けられている。未だ見えぬ、その元凶に。
「あいたたた
けほっけほっ
ん゛っ、ゔぇぇっほ、え゛ほっ
ん゛あぁー、口ん中じゃりじゃり、、」
まだ晴れきらない土煙の中。冷たい静寂を破ったのは、思いの他若そうな緊張感のない女の声だった。
「「「「「 ・・?・・・・ 」」」」」
(コクッ
ザッ
タタタタタッ)
「やっぱちょっと無茶だったかぁ。
あ、おじいちゃん気絶しちゃってる!
ま、いっか。
、、って!よくないよくない!!
起きて!超起きて!!魔法止めないと!
起きろーーー!!!」
降り立った[災厄]もといミツキは、肩の上で気絶している小さな老人を両手でゆっさゆっさと揺らして大音量で叫ぶ。
「「「「 ・・・・?! 」」」」
ミツキの周りを無言で飛び交ういくつもの視線。
が、本人は目の前のことで手一杯。
「いや、ホント起きてくれないと困るんだけど?
ねぇ、おーじーいーちゃーんっ!」
ゆっさゆっさと揺らし、顔をぺちぺちと叩くミツキ。
しかし老人は性根尽き果てたようにぐったりとしたまま動かない。
「「「 ・・?!・・?!!・・・ 」」」
目を見開き、固まるエルフたち。
「だめだぁ。全然起きない。
と、とりあえず現地の人に聞いてみよう、うん」
ようやく晴れてきた土煙に、キョロキョロとあたりを見回す小柄な女。
「あ、いたいた。
あのー、すみません。
、、、あれ?」
ここでようやく周りを見るミツキ。
自分を取り巻き、しかし一定以上の距離を保って近づこうとしないエルフたち。その目は驚きと疑念の色に満ち、何やら怒っているのがヒシヒシと伝わってくる。
「あ。その、すみません。地面壊しちゃって//
あ、あれ、、、(汗)」
どうやら地面を壊されたのを怒っていると思ったようで、何故か恥ずかしそうに頭を掻いて謝りながら、何となしに足を動かそうとしたミツキ。
そこでようやく、今自分が置かれている状況を理解する。
動かないのだ。。
着地の衝撃で地面に大きくめり込み、なぜか踝まで埋まってしまっている足。
そして、動けない焦燥感から周りの様子も見えてくる。
ミツキの周りを取り囲むのは、殺気に満ちたエルフの皆さん。
彼らの視線の先、ミツキの腕には気絶してしまっている彼らの同胞、老エルフ。
(あれ?なんかこれ、ヤバくない??)
現状を把握し、冷や汗が止まらなくなるミツキ。
「あ、あのこれは、違うんです。
お返ししに来ただけで。
あ、それだけではないんですけど。
と、とにかく、穏便に。広ぉい心で話し合いましょう、ね?」
お返し、と言いながら友好的な笑顔でおじいちゃんを差し出すミツキ。
そして少し視線を逸らして、それだけではないと言ったミツキ。
彼らエルフに今のミツキがどう映ったか。
突然落ちてきた女。敵襲かと素早く周りを取り囲み警戒するエルフたち
Elf警戒ゲージ
《___/ 》
肩には長老と見られる老エルフ。それを乱暴に揺り起こそうとする女。耳元で大声を上げ顔を叩き始めた強大な魔力を持つ女
Elf警戒ゲージ
《_______/ 》 グーン↑
屍のようにぐったりと横たわり目を覚まさない長老。長老がダメならとこちらへ矛先を向けてきた、女
Elf警戒・怒りゲージ
《________√;︾‥^___/
パリーンッ!!
こうして、晴れてミツキが敵認定されたそんな時
エルフたちの耳に聞こえてきたものがこちら↓↓
⚠以下、関西在住男性の重低音ボイスでお送りします⚠
注)副→副音声
「副;おぉ、いたいた。 ←ニヤッ標的発見
あのー、すんません」
「副;あれぇ?怒ってらっしゃる」
「副;あ、ごめんねぇ、地面壊しちゃって」←やたら明るい声
「副;いや、ちゃうねん。
借り(長老+α)返しに来ただけやから。な? ←ニタァ
ま、それだけやないけど。
(訳;ここも潰そうかな、思て)
広おい心でお話し合いしましょうか、ね?
(訳;身体で話し合いしようや、おん?)」
⚠以上、関西在住男性の重低音ボイスでお送りしました⚠
*出演 色シャツスーツ姿の強面お兄さん。
付属品 グラサン。
_____(°□° ) 。。
どうしてこうなった!www
こうして、めでたく全員がミツキを敵と判断したエルフたちは、互いに頷きあうと杖を構えて一斉に魔法を発動させる。
「長老、今助けます!」 ひゅるるるる
「長老の仇!!」 しゅんしゅんしゅん
「何さらしとんじゃ、ワレェ!!」 ゴオォォォ
「○に晒せ!!」 ごごごごごご
「、、、、イテコマス、ボソッ」 キュイィィーーン
⚠すべて副音声でお送りしております、、、??⚠
エルフたちは詠唱でも何でもない言葉とともに、勢いを増した小さな竜巻のようなもの、円盤状に回転する水の刃、人の上半身程の火の玉や頭上高くに現れた大きな岩、光を圧縮しているもの、などなど
どれも当たれば即死しそうな魔法を完成させてゆく。
説得も虚しくありったけの殺意を向けられているミツキ。
ヤの付きそうなとてもコワい大人たちに囲まれているミツキ。
あまりの恐怖にふふふふふっとへんな声を漏らしながら白目を剥いているミツキ。
周囲に風が渦巻き始めるミツキ。
即死しそうな素敵な魔法たちに囲まれるミツキ。
あばあばばばばばばば、とさらに変な声が漏れてきたミツキ。
足が埋もれて逃げることすらできないミツキ。
スーパーサ○ヤ人のように下から激しく風が吹いてくるミツキ。
「○ねやあぁぁ!!!」
「「「うおぉぉお゛お゛!!!」」」
「 €†£、、ボソッ」
エルフたちの魔法が一斉にミツキへ向けて放たれる。
カッ!!!
剥いていた白目がぐりんっと戻り、目を見開くミツキ。
と同時に、何かが爆発したように全てが吹き飛ばされる。
その爆風に、ミツキに迫っていた素敵な魔法たちが風化するように塵となって消えていく。
あまりの風に、突き出した杖に身体を支えきれず尻もちをつくエルフたち。
爆風に舞う砂埃から目を守っていた手を退けると、そこには何事もなかったかのように[女]ミツキが立っていた。。
関西弁にわかです。
でもやりたかったんです。
ちなみにエルフ君の「€†£、、ボソッ」はエルフ語です。
聞き取れません。
とりあえず背筋が凍るような一言です。
やっぱり面白さが迷子です。
はしゃぐ子どもたちのように、一斉に走り去って行きました。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
そして、戻ってきて下さった方、まさかまさか待機して下さっていた方、本当にありがとうございます。
更新速度落ちますが、これからもゆるゆると続けていきたいと思っています。
皆様に少しでも面白いと思っていただけたら幸いです。
これからもどうぞよろしくお願いします。




