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勝負

更新速度落ちてます。すみません。


あらすじ

ロッド(&ザッシュ)vs ミツキ&レイ




 ざっぱーん

 しゅるるるる

 びしゅびしゅびしゅっ、、、、



「やる!僕は、いらなかったね」


 見事な水魔法で数多の投擲物を全て落としたミツキに感嘆の声を上げつつ、レイは周囲の警戒を強めて構えに力を入れる。


「えへへぇ//」


 褒められてだらしなく破顔しかけるミツキに、思わず苦笑いが漏れる。


「でも、まだ来るみたいだよ」




 ふうっ


(ふふっ。ミツキのお陰で力が抜けた

 どうやら、肩に力が入りすぎてたみたいだね


 ___やっぱり、もう一人いる)


 冷静さを取り戻したレイは、今まで気が付かなかった気配に気が付いた。



「さあ、来い!」


 今度は無駄な力が全く入っていない、見事な構えだ。



 再び姿を消した敵と、後方に身を隠している二人の敵の攻撃に備えて五感をフルに使う。



 微かな音にレイの耳がピクピクと動く。

 それに合わせるように、ミツキもそわそわしている。


 目の前に集中しなければならない敵がいると分かっていても、体が勝手に反応してしまうのだ。

 あああぁぁ!!もふもふしたいぃ!


 ぐぬぬぬ

 強敵め・・・


 よし、終わったら思いっきりもふもふもふもふする!!!



 ▹ミツキは [待て] を覚えた





(・・まさか、ここまでに傷のひとつも付けられんとは。

 本命の闇魔法使いも厄介じゃが、戦い慣れしている分男の方が厄介か。

 難しいが、先に闇魔法使いを仕留めたいところじゃな。

 男を先にやってしまうと、奴が暴走しかねん)


「ふぉっふぉっ。中々の手練れのようじゃな。

 ここまで無傷とは」


 ロッドが、森に隠れ風の音に紛れるように木々の間を駆けながら言う。

 その声は反響し、ミツキたちには森全体から聞こえるように感じられた。


 それに対し、レイは敵方(てきがた)への挑発とミツキへ教える意を込めて返事を返す。


「ご老人方こそ」


 そして、鋭い眼をしたまま不敵にニヤリと笑った。



( っ! ザッシュにも気付いておるのか!

 まぁ、早々にわしに気付いておった相手じゃ

 本当に気を抜けん)



(あれ?今ご老人方(・)って言った?他にも敵がいるのかな

 それにしても、なんでわざわざそれを敵に教えるようなことを・・

 あ、私に教えてくれたのか。敵に知られるより私が知らない方が危険だと判断して。

 ありがとう、レイ。もう、足手まといにはならないから!)



 !


 ひゅんっひゅひゅん

 ひゅんひゅんひゅん


 3方から来る矢の雨が、ミツキたちを襲う。


「任せて!(念の為に今回も水で、、いや風かな。レイの視界を遮らない方が良いよね)」


 しゅっ


 ミツキは先ほどとは違い、左手を伸ばし払うように魔法を繰り出す。鋭く薙ぐような風で矢を全て折り落とした。

 威力を一線に集中させ、敵の魔法妨害を防ぐためだ。



 ロッドは顔をしかめて次の攻撃を仕掛ける。


(こやつ、素人では無いのか!

 さっきとは一変して、良い判断を下しおって・・

 じゃが、次はそうもいくまいっ)


 しゅんっしゅしゅん

 しゅしゅしゅっ


 またしても矢の雨が頭上に降りかかる。

 しかし、先ほどの矢よりも数段速い。恐らく威力も増しているのだろう。


(風魔法で推進力を増し、回転を加えてある。速度と威力は段違いじゃ)


「遠距離攻撃は私が防ぐから、、レイはもう一人を!(ごめん、ちょっと視界を遮っちゃうけど・・)」


 びしゅっ!


 さっきと同じように左手を払い、今度は圧縮した水魔法で矢を落とす。

 レイの視界を極力遮らないように、細く素早く魔法を放った。


 結果、ミツキの魔法は(常人にとって)目にも止まらぬ速さで全ての矢を切り飛ばした。


(おぅ。打ったの自分だけど、びっくりしたぁ。

 さっきより速かったから、ちょっと力んじゃっただけなんだけどな。

 人に向けちゃいけない威力だよ、これ。これからは魔法の威力を抑える練習も必要だね)


(なんという奴じゃ。想像はしていたが、少し力を入れた程度であの威力。闇魔法使い、ここまでか。

 ザッシュ、無理はせんでくれよ)


 初めに普通の威力で攻撃し、第2第3の攻撃で威力を増した攻撃を放つ。

 ロッドは攻撃を仕掛けるとき、必ずと言っていい程この戦法を取る。

 敵の虚をつく為だ。相手は最初の攻撃に対応すると、次は体力温存の為にこちらに合わせた防御をしてくることが多い。だから大抵はこの手に引っかかってくれる。ここで相手にかすり傷でも付けられれば御の字だ。あとはザッシュの奇襲からの近接戦と彼の援護で、確実に相手を無力化してきた。

 たとえ傷を付けられなかったとしても、防御で少しでも体力を削れればそれで良い。


 ただ、この二人にこの戦法はあまり意味を成さなかった。

 ミツキは有り余るほどの魔力持っている為、その程度では体力を削ることもできない。レイは、鋭い五感でその僅かな違いを感知し、的確に最小限の動きでそれを回避する。


 ロッドたちにとって、これまでに無い強敵であった。



(そろそろわしの出番、想像以上の相手だ。心していかねば) 


 森に身を隠しているザッシュは、今までに感じたことの無い高揚感を抑えるのに必死だった。


 彼はロッドと組んでからというもの、万全の相手と戦うことがなかった。大抵はザッシュが出る前にロッドの戦法にかかり致命傷ないし怪我をしているか、まれに無傷の相手と戦うことはあっても息が上がり注意力が散漫な状態だった。

 そう。ザッシュはロッドと組んで初めて、正面から敵と対峙するのだ。無論奇襲から入るのだが、それは関係ない。ミツキたちも自分に気が付いているのだから。


 震える手を自らの手で押さえる。



(すまぬ、ロッド。久しく見ぬ強き者に、感情が昂ぶって仕方がない。

 抑えきれぬかもしれぬ。)


 ザッシュは木の影に屈(かが)み込み、両手で武器を握りしめる。

 左手で右の腰に下げた彼の愛剣、その戦闘スタイルの為にさらに短くカスタマイズされたショートソードを。右手で腰の後ろに真横に刺したナイフ、刃の根元部分に握り込む穴がありナックルのように扱える特注のナイフを。



 彼はその眼を鋭くギラつかせ、低い声で呟いた。


「さあ、始めよう。命懸けの戦い(ショー)を」




 無意識の内に、両の口角が上がっている。


 かつて死神と恐れられた男が、再び目を覚ます。




当初あっさり終わらせる予定だったこの戦闘。

まだ、続きます。。


少しでも面白いと感じて頂けたら幸いです。

その際は是非、コメントや感想、ブックマーク等、よろしくお願いします。

皆様からの反応があると、作者がとても喜びます。


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