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REPORT of the DEAD  作者: 残念無念
2026年 6月

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壊死性攻撃行動症候群対策本部作成レポート 2026年7月10日

記録種別:壊死性攻撃行動症候群 感染個体分析報告書

作成機関:壊死性攻撃行動症候群対策本部・厚生科学班・自衛隊中央研究支援隊合同分析部

作成日時:2026年7月10日

機密区分:甲種機密

配布対象:政府機関・自衛隊・警察・隔離地区統治委員会



【件名:壊死性攻撃行動症候群感染個体に関する現時点での分析結果について】

【概要】

2026年4月以降継続されている感染個体観察、戦闘記録、捕獲個体実験等により、感染個体について一定の共通性が確認された。

しかしながら、本症候群感染個体は既知の医学・生理学的理論では説明困難な特性を多数有しており、依然として不明点が極めて多い。



【1. 活動停止条件】

現時点で確認されている感染個体の確実な活動停止条件は以下に限定される。

・脳組織の広範囲破壊

・高温による全身完全焼却


なお、

・出血

・窒息

・化学的神経遮断

・心肺停止

・臓器損傷

等は活動停止に寄与しない。

また、四肢欠損・内臓露出・広範囲骨折等を負った個体についても活動継続を確認。



【2. 生理学的特徴】

感染個体は感染後3か月以上経過した現在も活動継続中。

以下特徴を確認。

・呼吸活動不要

・心拍停止状態でも活動継続

・栄養摂取不要

・睡眠不要

・疲労反応確認されず


また、人間捕食行動を確認しているが、

・消化

・排泄

・栄養吸収

等を行っている様子は確認されていない。

感染個体は極度の損傷状態でも腐敗兆候を示さない。


以下死後現象についても未確認。

・死後硬直

・腐敗

・ガス発生

・白骨化進行

現時点で感染個体を「生存体」あるいは「死体」と定義することは困難。



【3. 感染性】

活動停止した感染個体の死体について、野生動物による摂食事例を複数確認。

確認された動物種。

・犬

・猫

・カラス

・野鳥類

現時点でこれら動物への感染兆候は確認されていない。


このことから、

・活動停止後にウイルスが失活する

または

・本症候群は人間にのみ感染する

可能性が高い。



【4. 感覚器官および索敵行動】

感染個体は人間に対して極めて強い追跡行動を示す。

確認された特徴は以下。

・人間の発声へ高反応

・銃声等人工音へ高反応

・自然音にはほぼ無反応

・野生動物には無反応

・無人機(ドローン等)への興味を示さない

また、眼球を損傷した個体でも追跡行動を継続することから、視覚以外の感覚器官を利用している可能性が高い。

現時点では聴覚感度異常が有力視されている。



【5. 行動傾向】

感染個体は人間を発見した場合、長距離・長時間にわたり追跡を継続。

障害物が存在する場合はこれを破壊して接近を試みる。

ただし、

・高所転落

・火災

・爆発

・落下罠

等、自己の活動停止へ繋がる危険を察知した場合、追跡を中断する傾向を確認。

完全な無知性存在とは断定できない。


一方で、

・言語使用

・道具使用

・高度協調行動

等は現在まで確認されていない。


これら行動原理が、

・残存知性

または

・自己保存本能

によるものかは不明。



【6. 水中活動】

感染個体は呼吸不要であるため水中活動可能。

湖沼において湖底歩行事例を確認。

一部河川でも活動確認。


ただし、

・強い水流

・高波

等環境下では運動能力低下傾向あり。

このため海洋・急流地帯では活動制限される可能性がある。



【7. 戦術的評価】

感染個体に対する一般的制圧手段は極めて限定的。

特に市街地では、

・弾薬消費過多

・大量個体接近

・頭部精密射撃困難

等問題が顕著。

また、感染個体は銃声へ引き寄せられるため、大規模交戦はさらなる感染個体集結を招く。

火炎放射器・焼夷兵器は有効と考えられるが、日本国内においては装備数・燃料不足・市街地火災危険性から運用制限が大きい。



【8. 総合分析】

現時点において、感染個体は「生存維持」を目的として人間を襲撃しているとは考え難い。

感染個体は、

・飢餓状態へ移行しない

・栄養摂取不要

・代謝活動不明

であるにもかかわらず、人間への執拗な攻撃性を維持している。

また、人間以外への興味をほぼ示さない。


以上より、感染個体の捕食行動は「栄養摂取」ではなく、「感染拡大」および「同類増加」を目的とした行動である可能性が高い。



【9. 結論】

本症候群感染個体は、既知の感染症・生物学・生理学的概念では説明不能な存在である。

現時点において有効と確認されている対処法は、

・頭部破壊

・完全焼却

・隔離

に限定される。

また、時間経過による自然減少は期待できない。

そのため、本症候群への対応は従来の感染症対策ではなく、「長期的敵性存在封じ込め」「感染者の駆除」として扱う必要があるものと考えられる。

ご意見、ご感想お待ちしてます。

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― 新着の感想 ―
引きこもっても時間経過で解決しないのは致命的ですね。 防御を固めながら地道に減らしていくしかない。
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