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第10話 仕事のお誘いと帰り道

 「なぁ、レオは、宿とか決めているのかい?」


 「いや、ぎりぎりまで魔法習得をしてたので、この街の情報を仕入れる暇がなくて、こっちで聞き込んで宿を探すつもりだ。」


 「それなら、私達がこの街に寄った時に定宿にしているところがあるんだ。一緒にどうだい?勿論部屋は別々だがね。」


 「女性が定宿にしてるんだ、それなりに安全な宿だろうから、そこにさせて貰おうか。」


 「よし、決まりだな。ついてこい。」


 「夕飯も一緒に食べようね。レオ君。」


 「夕食?」


 夕食まで一緒にする理由なんてないが?まさか?俺を食べようと?


 「安心しろ。別にレオを取って食ったりしねえよ。ちょっとこの依頼が終わった後、協力してもらえたらと思ってよ。」


 俺の声と表情で察したのか、カミーラがこう理由を述べてきた。


 「あら、期待した?レオ君も男の子だったのね。でも残念。お姉さん達こう見えても、身持ちは固いのよ。」


 ジェミーは、俺の想像にチャチャを入れてきた。


 「うん、話だけでも聞かせて貰おう。」


 「ああ、そうしてくれるとありがたい。」


 そんなやり取りをしながら、お目当ての宿にたどり着き、部屋も空いてたため、無事に部屋も確保できた。

 



 そして、夜、2人と夕食を共にし、食事が一段落したところで、話を聞くことにした。

 

 「相談て言うのは、ダンジョン踏破を目指すので協力して欲しいんだ。」


 「どこのダンジョンに何名で挑むつもりだ?」


 「この街の東にあるカルハラダンジョンだ。」


 潜る予定のダンジョンは、一応Cランクでも攻略している者がいるが、向こうはCランク1年程度の実績、俺に至っては1か月もない。

 

 「ランク的には、行けるかもだがお互い実績が足らないだろう。それに人数的にも3人では、人数的に無理だろう。」


 「それは考えている。あと1人斥候役の子を引き入れる予定だ。元は6人で一緒のパティーを組んでた子だが、色々あって解散してな。そいつと話を進めている。どうだ?他にもいくつか声を掛けてみるつもりだがな。」


 「その他というのも、まだ確約はないんだろ、それじゃ、4人はきつすぎる、最短でも一週間ダンジョンに潜るとして、夜間の戦闘を想定すると、2名での見張りは必須になる。そうなると2交代では、体力的にも、精神的にも持たないだろう。」


 「やはり、受けられないか?」


 「ああ、すまない。そこまで無理をする理由もないからな。」


 結局俺は、その提案に至った説明もなかったため、同意できずに断りを入れた。




 次の日は、向こうもすんなり了承が得られるとは思っていなかったのだろう。何事もなかったようにお互い挨拶をすると、レニーさんが待っている馬車へと向かった。


 「今日からもまたよろしくお願いいたします。」


 「ああ、こちらこそ、よろしくお願いする。行きと同じ隊列で行くがよろしいですか。」


 「ええ、頼みますね。」


 挨拶を終えると、馬車を中心に隊列を組み、町の外へと向かった。



 暫くすると、御者台からジェイミーの声が聞こえた。

 俺とカミーラは、隊列を解き、御者台近くに集まった。


 「街道脇の農道に私達に合わせて進んでる人がいるわ。」


 「ジェイミー、間違えないんだな。」


 「ええ、どうする?」 


 「昼には、森林地帯に入るそうすれば農道沿いにこちらを伺うことは出来ないから、近づくだろう。そこを捕らえるか?」


 「いや、ここは連中の誘いに乗ろう。奴は斥候だろう。敵の本体に近づけば俺達を追い抜いて、合流するはずだ。」


 「そいつら共々一網打尽にするのか。」


 「不意打ちを食らわなければ、行けるだろ。」


 「数にもよるが、盗賊相手ならいけるか。」


 「そうだね。斥候を捕らえても相手を警戒させるだけだし、カミーラのスキルがあれば不意打ちを回避できれるしね。」


 「何度も言うが、確実じゃねぇがな。」


 「でも、危機でないときときだき発動するぐらいで、その逆はないでしょ。」


 「よし、なら、それで行こう。」


 「わかった。私が片手を上げたら、ジェイミーは探査魔法を使って頂戴ね。」


 「ええ、それで木の上にいる奴らを見つけたら、そいつ等に魔法を放つわ。レニーさんは、馬車の中に入って身をかがめて頂戴ね。」


 「わ、わかりました。」


 「レオ君も、ジェイミーが魔法を撃ったら、探査魔法を使って、左右、後方に敵が居たらそれの対処、敵が前方だけなら私の援護に来て頂戴。いい?」


 「了解した。」


 「では、それで進みましょう。」

 


 森が大分深くなってきたころ、カミーラが片手を上げて合図をしてきた。

 ただ、ジェイミーからは、動きがない。

 そんなことがあって、3分程進むと、ジェイミーが突如、前方の木の上面に向けて、ウインドアローを5本を放った。

 俺は、それを見て、探査魔法を放つ。前方に7人そのやや後方に3人、この3人は、ジェイミーが魔法を放った位置にいる弓使いだろう。それと左右に5人。囲まれている感じだ。

 カミーラは、前方に踊りてた7人と対峙する形になり、ジェイミーは、更に10本のウインドアローを放ち、前方にいた弓使いの無力化に成功したようだ。そして、左側の5人にも牽制の魔法を放ち足止めを行う。

 俺は、2人の動きを確認して、右から襲い掛かって来た5人の賊と剣を交えた。

 身体強化の魔法を発動させて、剣を一振り、相手は、剣で防ごうとしたが、俺の剣の勢いを殺して受け止めることが出来ず、鈍い音を立てた後、悲鳴を上げた。

 剣を受け止めた両手が、折れてしまったのだろう。腕が変な方向に曲がり、転げまわっている。

 俺は、勢いを殺すことなく、更に横にいた男に一撃を食わえる。一瞬、男は、隣の男の悲鳴にたじろいだため、剣でその一撃を防ぐのが遅れ、胴体を薙ぎ払われる形で斬られ、倒された。


 「囲んで仕留めるぞ。」


 残った3人のうち一人がそう声を掛けると、他の二人が俺の左右に広がり、一斉に切り込んできた。

 俺は、正面の声を発した男に向け、加速すると距離を一気に詰め、相手の剣と鍔迫り合いをすると、思いっきり弾き上げ、胴体に一閃。

 左右の男は、俺が先程居たところに、剣を浴びせて、空振りする。

 そして、こちらに振り向いた時には、俺が再度距離を詰め、あっという間に左の男の首筋に一太刀、更に右の男にも返す刀で首筋に一太刀浴びせて、沈黙させた。

 前方では、カミ-ラが、3人を切り捨ていた。左から近づいた敵は、ジェイミーの魔法で、3人が足や胸に魔法を受け倒され、他の2人も近づけず足踏みをしていた。

 2人ともうまくやっているな。2人が危なげなく立ち回っているのを確認して、俺は、敵の位置が近いジェイミーの援護に向かった。


 「おい、まずい。逃げるぞ。」


 あっという間に、半数以上が戦闘不能になるのを見て、慌てて前方にいたリーダー格の男がそう指示を出したが、完全に撤退のタイミングを逃してしまっていた。最低でも奇襲が失敗し。弓使いが無力化された時点で引くべきであった。


 前方では、逃げようとした男の足が後ろを向いた瞬間、カミーラに斬られ倒れると、更に指示を飛ばした男にも、肉薄し、剣を交えた。リーダー格の男は身体強化技能を扱えたようで、2度、3度と切り結んできた斬撃を辛うじて受けていたが、実力的には雲泥の差があり、ついには一撃を浴びで、倒れこんだ。リーダ格の男が数度剣を交えたこともあり、3名は、その隙に何とか逃げ延びた。

 左の敵は、遠距離で魔法を撃たれ、近づけなかったため、、逃げる際にかすり傷を負っただけで2人は逃げ延びた。




 「20名の襲撃で15名殺害。リーダー格の男も落としたし、追撃はないか。」


 怪我で倒れた連中に止めを刺しながら、死体を一か所にまとめつつ、カミーラはそう話しかけてきた。


 「どうだろうな。」


 俺は、その死体を一瞥すると、違和感を覚えそう呟いた。


 「何か気になるか?」


 「街からついて来た斥候らしいのが見つからない。逃げた奴も含め、みんな如何にもな薄汚れた奴ばかりだったのがな。」


 「確かに街からつけてきたのなら、少しは小気味いい恰好をしているか。まだ、襲撃があると?」


 「その可能性があるかもということだ。」 


 「とりあえず、武器と討伐部位の右耳を回収して先に進むか。」


 「死体の処理はどうする?」


 「数が多いから、ジェイミーの魔法でも焼ききれないよ。この辺なら、巡回の兵士も通るだろうし、放っておくしかないね。」


 「そうね。ちょっとこの数はね。」


 「そうするしかないか。」


 道のわきに、盗賊の死体をまとめると、金になりそうな武器類を、レニーさんに許可を貰って、馬車の荷台に乗せさせて貰い。

 先の道を進むことにした。

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