護ったのは
『ねぇ、先輩、「海だ〜」って言いませんか?』
『えぇ〜そんなのアニメでしか聞いた事ないよ…』
『わ…私も…やってみたい…』
『佐倉さんも?』
『しょうがないな〜…』
『やった!』
『じゃあ佐倉先輩、掛け声お願いします。』
『えっ?私…』
『はい!』
『佐倉さん、お願い。』
『せ…せーの…』
『「「海だー」」』
突然叫んだ私たちを周りの人たちがチラチラと見ていた…
『ちょっと、恥ずかしいですね。』
『う…うん…』
『松井さん、佐倉さん!逃げるよ!』
『はい!』
『佐倉先輩、行きましょ!』
『うん。』
私たちはしばらく走ると息を整えてから三浦先輩が予約していた着替えブースへと向かった。
『3人だけならまだ恥ずかしくないですね。』
『でしょ!』
『わ、私は…それでも恥ずかしい…』
『「(やっぱり可愛い…)」』
『だ、大丈夫ですよ。見ないようにしますし。』
『そうそう、タオルで隠して着替えれば良いしね。』
『それでも3人じゃちょっと狭いね。』
『そうですね。』
『じゃあ、私、2人が着替え終わったら、着替えるから、先行って場所作ってくれない?』
『分かりました。』
『じゃあ、荷物、着替えだけ置いてくのでお願いします。』
『わかった。』
『三浦先輩。』
『…変なことしちゃダメですからね。』
『しないよ!!』
『佐倉先輩、行きましょう』
『うん。』
私は佐倉先輩を連れてブースから少し離れた場所に、持ってきたシートを張って荷物を整理していた。
『ねぇ君たち高校生?』
『は…はぃ…』
『佐倉先輩、無視してください。』
『えっ…でも…』
『無視とか酷いな〜』
『これ面白そうだね。』
『ちょっと、触らないでください。』
『痛っ…お前、何すんの!』
『あっ…ご…ごめんなさい…』
『そんな怒んなよ。怖がってんじゃん。』
『ね〜。俺たちと一緒に遊ぼうよ。』
『は…はな…して……。』
『佐倉先輩にさわるな!』
『おい、お前俺に暴力を振るったのわかってる?』
『さ…佐倉先輩は、か…関係無いじゃないですか…』
『一緒に遊んだ方が楽しいじゃん。』
『(私が先輩を守らなきゃなのに…怖くて動けない…)』
握られた佐倉先輩の手は冷たくて震えていた。
私はそれを握り返す事しか出来なかった…
『ねぇ、俺、これ借りてきたから一緒にビーチバレーしようよ。』
『これで遊ぶの?良いね。じゃあ私からね!』
バン。
取り上げられたボールはその人の顔面に叩きつけられた…
『顔面レシーブナイス!』
『テメー何すんだ!!』
『三浦先輩…』
『松井さん、よく頑張ったね。』
『おい、無視すんな!』
『何?次は格闘技でもする?』
『上等だ。』
『しゃあ、ハンデいるよね。』
『ほら、ちょうど3本あるからこの木使えよ。』
『三浦先輩、そんなの…』
『大丈夫、私強いから、2人はこの3人がやられるの見てて。』
『馬鹿にしやがって…』
『どうなってもしらねぇぞコラ!!』
振りかざした男性の手をそっと払い除けると隣に居たもう1人の男性に命中した…
その瞬間、反対側に居た男性の腹部を蹴り飛ばし同時に正面に居た男性の腹部に先輩の拳が入った…
うずくまる3人の男性…
『カッコいい…』
私たちの後ろに居た女性たちが騒ぎだした…
『目障りだ。失せろ…』
何かを言ってゆっくりと遠ざかる男性たち…
『2人とも大丈夫?』
『うん…ありがと…』
『ありがとうございます。でも、私…』
『松井さん、よく頑張ったね。さすが風紀委員だね。』
『2人とも遅くなってごめんね。』
『でも私…何も出来なくて…』
『泣かないの!』
『それでも佐倉さんを護ってくれたのは松井さんだよ。』
『松井さん…ありがとね。』
『ちょっと、あっちで飲み物飲みながら休もっか。』
『立てる?』
『はい…だいじょ…あっ…』
『わ…私…ち、力が…』
『ふっ…もう…しょうがないな〜。』
『肩貸してあげるから2人ともつかまって。』
『う、うん…』
『すみません…』
私たちは三浦先輩にしがみ付いてゆっくりと休憩スペースへと移動した。




