第三話 初めてのギルド
フェザードとして目を覚ました俺は、まずギルドへ向かった。
神が言っていた通り、冒険者になるにはギルドで登録する必要があるらしい。
「パーティも……仲良くなったやつと組むのが普通、か」
そう言っていた神の言葉を思い出す。
俺は特に目的があるわけじゃないが、仲間は欲しい。
……声をかける勇気があればの話だが。
ギルドの扉を開けると、ざわついた空気が流れ込んできた。
受付に向かい、列に並ぶ。
そして――前のやつに話しかけてみた。
「ねえ、君の名前は?」
……次の瞬間、俺は悟った。
(あ、これ終わった)
振り向いたのは、スキンヘッドのガラの悪い男。
目が合った瞬間、胸ぐらをつかまれ――
「おい、誰に声かけてんだコラ」
ぼっこぼこにされた。
その日はもう受付に行く気力もなく、宿屋へ向かった。
全財産を使って一泊。
フェザード、お前……持ってくる金貨の量、絶対間違えてるだろ。
宿の名前は「聖なる剣」。
なんでそんな名前なのか気になりつつ、食堂へ行くと、客は誰もいない。
オーナーの老夫婦が普通に晩ご飯を食べていた。
「おや、君も食べていきなさい」
そう言われ、一緒に食卓を囲むことに。
話してみると――
「わしは昔、剣士でな。今でも冒険者に剣を教えておる」
「私は召喚士だったのよ」
なんと、老夫婦は元冒険者だった。
食事をしながら話していると、こう言われた。
「気に入った。しばらく無料で泊まっていきなさい」
「え、いいんですか?」
「いいんだよ。若い子が頑張るのは応援したくなるからねぇ」
部屋はどうかというと――
(小さくて、シャワーなしで、トイレ共同で、ベッドは固くて毛布は薄い……)
……なんてことは全然なく、
ベッドはふかふか、シャワーもある、トイレも複数あって清潔。
食事はパンが主食で、サラダとスープ付き。
毎月22日は肉の日らしい。聖都の法律だとか。
この地域は聖都の影響力が強いらしく、神父やシスターにもよく会うらしい。
「よし……明日はもう一度ギルドに行こう」
俺はそう決意して、柔らかいベッドに身を沈めた。




