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日米転生earth  作者: 照山
序章 2024年
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第24話 スイスの初戦

2024年4月4日13:00 ウクライナ・キーウ


パリ宣言による地球連合(EU)の創設と、国連安保理によるスイスの反撃行動および自衛権行使の全面承認から数日。アルプスの山々に守られた永世中立国スイスが、ついにその隠された実力を世界に見せつける瞬間が訪れた。


ロシア軍によるチューリッヒへのミサイル攻撃に対し、反撃の許可を得たスイス空軍は、直ちに欧州戦線への戦闘機派遣を決定。ドイツ空軍の空中給油機およびE-3早期警戒管制機(AWACS)の全面的なバックアップを受けたスイス空軍の7機がF/A-18C ホーネットが激しい空爆が続くウクライナ上空へと急行した。赤地に白い十字の国章を翼に刻んだスイスの戦闘機が前線へ侵入するのは、近代史上初にして前代未聞の事態であった。


高度8,000メートル。雲海を抜けたスイス空軍のF/A-18編隊に対し、ドイツ空軍のAWACSから緊急のデータリンク情報が叩き込まれた。


『こちらルフトヴァッフェ・ワン。東方よりロシア空軍のSu-27 フランカー9機が急速接近中! 迎撃を開始せよ!』


ロシア軍は、中立国であったはずのスイス機がウクライナの戦闘空域に姿を現したことに混乱しつつも、圧倒的な機動力を誇る主力戦闘機Su-27の9機編隊をもって、一気にスイス軍機を撃滅しようと襲いかかった。


「全機、レーダーロック! 中距離空対空ミサイル AMRAAM発射準備!」


スイス空軍編隊長の鋭い号令とともに、7機のF/A-18から一斉にミサイルが解き放たれた。白い煙の尾を引いて空を疾走するAMRAAMミサイルが、迫り来るSu-27の編隊に次々と襲いかかる。


ドオォォン! ドンッ!と空中で次々と巻き起こる巨大な火柱に油断していたロシア軍機は、スイス軍機が見せた完璧なフォーメーションと正確無比なミサイル射撃の前に、初撃だけで3機が爆炎に包まれて空中分解した。しかし、ロシア軍も反転攻勢に躍り出た。残存する6機のSu-27が激しい近接航空戦闘(ドッグファイト)を挑み、近距離空対空ミサイルを乱射した。


「敵ミサイルアプローチ! 回避運動!」


激しい高Gのかかるドッグファイトの中、ロシア軍の射撃を受けたスイス空軍のF/A-18が2機、相次いで翼を散らし、激しい炎を上げて雲下へと落ちていった。さらに1機がエンジンに深刻な損傷を受け、戦線離脱を余儀なくされた。スイス側も計3機(撃墜2機、大破離脱1機)の損害を被るという戦闘となった。


だが、永世中立を守るために徹底的に鍛え上げられていたスイス空軍パイロットたちの凄腕は、ここから本領を発揮した。生き残ったスイスのF/A-18は、ドイツ空軍のレーダー支援を極限まで生かした巧みな高機動でSu-27の背後を完璧に奪取。機関砲と近距離ミサイル サイドワインダーを叩き込み、追い詰められたロシア軍機を次々と撃墜していった。


決着は一瞬であった。ウクライナの上空に残されたのは、黒煙を上げて墜落していくロシア軍機の凄惨な残骸と、空を制したスイス空軍のF/A-18のシルエットであった。戦果はスイス軍機3機損害に対し、ロシア軍の精鋭Su-27を7機撃墜。


ロシア軍が「平和ボケした中立国」と高をくくっていたスイス空軍は、その実、徹底した国民皆兵制と過酷な山岳訓練によって研ぎ澄まされた欧州屈指の空軍であった。このウクライナ上空における圧倒的な空対空戦闘の勝利の報は、モスクワの軍首脳部を震撼させると同時に、地球連合(EU)の結成に沸く西側陣営に対し、アルプスの防衛線が絶対不可侵の要塞であることを強烈に印象付けることとなったのである。

次回も楽しみによろしくお願いします

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