表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/113

82.ダンジョン リターンズ④

更新お待たせしました。

次回も出来るだけ早く更新致します。

今後もよろしくお願い致します。

俺は天井に向かって杖の先端を向けて魔法を発動させた。


「リーフ」


すると天井から蔓が6本伸びて来て俺達の元まで伸びて来た。

そして指示を出す。


「皆蔓を掴め!」


俺達はその蔓を掴み、リーフの魔法で蔓を収縮させ天井の近くまで登る。

これで下からの攻撃は回避出来る。

アースドラゴンが顔を出した所に魔法を打ち込んで終了だ…と考えていた。

その考えを皆に話す。


「地上に俺達の気配がなくなればアースドラゴンは必ず顔を出す。そこに魔法を打ち込む。いいな?」


「わかった」


「…」


アレンが返事をし、スーカは無言で首を縦に振った。

地上に俺達の気配がなくなったせいか睨んだ通りアースドラゴンが地上へ浮上して顔を出した。


「今だ!」


「アイスブリザード」


「ウォーターブレイド」


アレンとスーカが魔法を発動させる。

顔を出したアースドラゴンの頭上に魔法陣が現れアースドラゴンへ無数に飛んで行く。

地面に当る音が室内に木霊する。

そして魔法を解除すると立ち上がった土煙が段々と晴れていく。

すると地面は異常に抉れてはいるがアースドラゴンの首はない。

今の魔法の精度であればアースドラゴンとは言え無傷では済まない。

そのはずだが血の一滴も飛んでいない所を見ると上手く地下に逃れたようだ。

達眼で魔力の気配でどこにいるのかは見える。

だが気配の大きさから攻撃しても当らない程深くに潜っているようだ。

俺達もいつまでも蔓に捕まって宙吊りになっている訳にも行かず、アースドラゴンもいつまでも地下に潜っている訳にもいかない。

どちらかが行動を起こさないとこの戦いは終わらないだろう。

そんな事を考えていると俺の考えを見透かしたようにクリンが口を開いた。


「僕行くよ」


皆がクリンに視線を送る。


「だってこのままじゃジリ貧だよ。トゥキーもわかってるでしょ?ここは盾役の僕が囮になってアースドラゴンが顔を出して攻撃をする時に皆で魔法を放てばこの位のレベルなら倒せるでしょ」


---回想(修行中)---


クリンはアズラーに指導をされながら自分の身の丈よりも長いアックスを振っていた。

修行を開始して3日目の事である。


「ほらほらー!そんなんじゃ木も切れんぞ!最速、最短を意識しろ!もう1セット!」


「はい!!」


昼食休憩になり、クリンはアズラー宅から持って来た昼食の握り飯を演習場の脇の木陰で食べていた。

休憩する時もアズラーに言われた事を頭の中でお浚いし、イメージの中で何度も動作を繰り返した。

するとアズラーが隣に座り話し出した。


「クリン。お前はどうなりたい?」


その突然の問い。

だがクリンは答えが決まっていた。


「兄弟を守れる男になりたい」


アズラーは迷いのないその言葉に驚きながらも質問を返した。


「戦士としてはどうなりたい?」


「…トゥキーが言うように盾役になる事が僕の目標です。皆の最強の盾になって僕が皆を守りたい。あわよくば一撃でも多く敵にダメージを与えられたら…そんな風に考えてます」


「クリンよ。二兎追う者は一兎も得ずだぞ」


「わかってます。なので防御力極振りでお願いします!」


「ガーディアンを目指すか…。クリン、防御に最も適した武器は何だと思う?」


「盾…ですか?」


「盾は使い方によっては武器にもなるだろう。だが盾は盾。武器は敵を倒す、切り捨てる武器だ」


「わかりません」


「アックスだ。アックスは大きい物が多い。小さいアックスを使うのは聖大陸の端に住む部族位の物だ。殆どのアックスが大きく、太い。これ以上に防御に適した武器があるか?」


「ハンマーも同じような物では?」


「ハンマー?ハンマーは風の抵抗を諸に受け過ぎる。アックスは先端が鋭利である為風抵抗を受けにくい。同じ力の物が同じ力でアックスとハンマーを振った時、より速く振れるのはアックスなのだ。形状は似ていても攻撃力も加わったアックスが最強なのだ!ワッハッハッハッハ!」


「そう…ですか」


「故に…だ!クリン。ガーディアンを目指すならアックスを使いこなせ。さすればスペシャルガーディアンにもなれよう」


スペシャルガーディアン。

守護者の最高位である。

この称号を持つ物はこのグレートバースの中でも少ない。

一国に一人いるかいないか位の称号である。

この称号を持った者の後ろにいる者は生存確率が一気に上がる。

その為戦争になった際、この称号を持つ者は先ず最初に落とさなければいけない対象として敵に狙われる事が多い。

数で押すかより高い称号を持つ者を当てるかだ。

それほどこの称号を持つ者によって救われる命が多い。

攻めども攻めども敵が減らないと言うのは恐怖なのである。


「僕…なります!スペシャルガーディアン!」


「よし!今は休憩だ。ゆっくり休んでおけ!午後は厳しくなるぞ!」


「はい!」


---現在---


俺はスペシャルガーディアンと言う称号を得たクリンを再度良く見た。

顔に傷は増え、相変わらずの坊主頭ではあるが所々縫って毛の生えていない箇所があり、手や腕にも切り傷がある。

回復魔法やポーションでも直り切らない程の傷を負って得たスペシャルガーディアンと言う称号。

俺はクリンを…皆をまだ子供のように思っているのかと気付いた。

そう気付いた瞬間笑いが込み上げ、耐えきれなかった。


「っぷ!っくっくっく」


そんな俺を見てシーナが質問をした。


「どうしたの?」


「いや、いつまでも子供扱いしてるんだな、俺は…と思ったら笑えて来てさ!クリン!お前はもうチン毛も生えて来た大人の男だったな!」


「ちょっ!」


俺がそういうとクリンは顔を赤くした。

俺は続ける。


「シー、スー、アレン!お前達ももう大人だ!俺は長兄をして来たせいか守ってやらなきゃいけないって感覚が抜けないらしい!今日からお前達を一人の大人として扱う!同等の存在、俺達に上も下もねー!任せるぜ、クリン!そしてシー!二人でアースドラゴンを地上で掻き回して来い!顔出した所に俺達が魔法ぶっ放してやる!」


そういうとクリンとシーナは顔を見合わせてお互い頷いた。

言わずともお互い何が言いたいのかわかったように。

すると2人が同時に俺に振り返り言った。


「「わかった!」」


そういうと二人は蔓を離し、下に落ちて行く。

言ってもここはちょっとしたビルの最上階程の高さだ。

シーナとクリンと言えどこの高さから落ちたのでは多少のダメージはある。

その為魔法を使えるシーナは良しとしてクリンの落下速度を軽減する為にアレンが魔法を発動させる。


「ウィンド」


すると地上に浮かんだ魔法陣から強い風が発生しクリンに命中。

すると落下速度が大幅に遅くなる。

シーナは自身で魔法陣を展開させ、ほぼ宙に浮いた感じで地上に着く。

すると早速反応があった。

アースドラゴンだ。

地上に二つの反応が現れた為、それに向けて地底から穴を掘り進め凄い勢いで突進して来た。

その様子はまるでイルカが海面をジャンプする光景に似ていた。

だがシーナとクリンも伊達に修行を積んで来ていない。

高速で移動しアースドラゴンの突進を避ける。

避けると同時にアースドラゴンから距離を取る。

何故距離を取るかと言うと魔法攻撃が雨のように降り注ぐ事を知っているからだ。

巻き添えを食わない為にである。

そう。

俺達の魔法の集中砲火から逃げたのだ。


「食らえ。エクスプロージョン」


「アイスブリザード」


「ウォーターブレイド」


俺とアレン、スーカの魔法がアースドラゴンの頭上に発生する。

そして魔法陣からそれぞれ魔法がアースドラゴンへ飛んで行く。

着弾すると凄まじい爆発音を室内に響き渡らせ、冷気と熱気が混ざった爆風が辺りを立ち込める。

そして数秒間集中砲火した後に魔法発動を解除する。

爆発で上がった砂埃が舞ってアースドラゴンがどうなったのか直ぐには見えなかった。

だが俺は手不応えのなさを感じていた。

アースドラゴンに着弾したのであればうめき声や血渋きが上がるはず。

だがそんな様子は感じられなかったのだ。


「当たってないよね?」


アレンが口を開いた。


「ああ。多分な」


「手応えなかったもんね」


俺が答えるとスーカも同じ事を感じていたようだ。

段々と砂埃が晴れて来ると俺の予想は的中した事を確証した。


「想像以上に地下に潜るのが早いな」


「うん。顔出させる位じゃダメかもね」


俺の言葉にアレンが答えた。

俺達が魔法を放った場所にはドデカイクレーターが出来ていただけだった。

それを確認したクリンが足を踏ん張り直し辺りを注意し直す。

すると踏ん張り直した足音に反応したのかクリンのいる真下からアースドラゴンが飛び出した。


「ギュギャアアアィィ!!」


クリンはミスリルシールドで攻撃をガードする。

ミスリルシールドとはいえLv400超えのアースドラゴンだ。

多少シールドには傷が付く。

その光景を横目に見ながら俺はシーナに話しかける。


「シー!想像以上に潜るのが早い!潜らないよう足止め出来るか?」


「やってみる!」


そうシーナは返事をして高速移動でアースドラゴンに詰め寄る。

それと同時に剣に炎を纏わせアースドラゴンに切り付ける。


「ファイアーソード!」


「ギュギャイヤァァァァ!!」


シーナの剣は固いアースドラゴンの鱗に切り傷を付けた。

傷口からは血が垂れる。

だがシーナは両断出来たと思ったのだ。

それが切り傷を与えるだけの結果に想像以上にアースドラゴンの鱗が固い事に驚いた。

するとアースドラゴンは尻尾でシーナを攻撃する。

シーナは剣でガードするも攻撃により3m程飛ばされる。

その間にもクリンはアースドラゴンの長いマズルでの攻撃をシールドでガードしていた。

俺はアースドラゴンへ魔法を発動させた。


「ウエイトグラヴィティ」


アースドラゴンの真上に発生した魔法陣からウエイトグラヴィティによりズンと重い加重がかかる。

するとアースドラゴンは身体を凄まじい重力により自由を奪われ地に押しつけられる状態で微動だにしなくなった。

そこにアレンとスーカが魔法を放つ。


「ライトニングストライク」


「コンセントレイトライツ」


ライトニングストライク。

名前の通り落雷だ。

トールズレイジスが広範囲魔法であればライトニングストライクは局地魔法である。

多少に落ちる一筋の雷。

コンセントレイトライツ。

日本語で集光を意味する。

ライトが複数形になっている為無数の集光を意味する。

光魔法の上級魔法で対象の周りに発生した無数の魔法陣から光を放ち対象を焼切る魔法である。

二つの魔法がアースドラゴンに着弾するとアースドラゴンは悲痛な悲鳴を上げた。


「ギュギャァァァオオン!!」


だがトゥキーのウエイトグラヴィティによって口も空けれず、閉じたままの口の中で鳴いていた。

集中砲火が数10秒続いた。

アースドラゴンの悲鳴も聞こえなくなり魔法も発動を止める。

殺ったか?

誰もが息を飲んで見守っていた。

ポイントを入れて作者を応援しましょう。

評価するにはログインして下さい。

感想を書く場合はログインして下さい。

ブックマークをするにはログインして下さい。


↓同作者同時更新中の作品はこちら↓



https://ncode.syosetu.com/n7908ge/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ