80.ダンジョン リターンズ②
更新お待たせ致しました。
徐々に仕事量も減り小説を書ける時間も増えてきました。
更新のピッチを早めていけたらと思っています。
今回も楽しんで読んで頂けたら幸いです。
女王蜂はトゥキーに高速で向いながら自身の頭の前に魔法陣を発生させた。
すると魔法陣から無数の風の刃がトゥキーへ向かって飛んで行く。
ウィンドカッターである。
手の内を知っているトゥキーは飛んで来るウィンドカッターの方向へ杖を構え魔法陣を発動させダークネスを発生させる。
---回想(修行中)---
シャクールが森の開けた場所で黒板のような物を使いトゥキー達に魔法について授業をしていた。
シャクールがトゥキーやアレン達を黒板の前に座らせ強弁を取っていた。
「闇属性と光属性の魔法は全ての魔法の始祖である。光がなければ空気も火も水も緑も生まれなかったのだ。その対照的な存在として闇があった。闇は何も生み出さず光の陰に常に存在していたのだ。故に闇属性と光属性の魔法は他全ての属性魔法を無効化出来る。闇属性には光属性、光属性には闇属性と互いでなければ互いを傷付ける事が出来ないのだ。それは既に知っていたかな?」
「はい、師匠の本に」
「うむ。だが年々、この2大属性の魔法が使える者が減って来ている。このパーティはこの2大属性の魔法が使える者が奇跡的に多い。トゥキー坊に関してはどちらも使えるレア中のレア人間だ。この2大属性の魔法が使えると言う事は戦闘に関してはかなり有利になる。今後の為にこの2大属性を鍛えるべきだろう。スーカ、アレンもどちらかは使えるのだからこれからそれを伸ばして行こう」
---現在---
女王蜂が放ったウィンドカッターはトゥキーが杖先に発生させたダークネスによって弾かれる。
だが女王蜂にとってそれは特に問題ではない。
元々ウィンドカッターは目暗まし程度の攻撃。
女王蜂の最大の武器はユニークスキル:強毒生成により生成された毒を尾に収納されている毒針で対象に注入する事によって死に至らしめる事であるのだから。
そして女王蜂はウィンドカッターを目暗ましに近付き攻撃範囲へ入った。
そして急ブレーキを羽でかけると自身最強の攻撃、毒針攻撃をトゥキーへ打ち込んだ…と思った。
だが人間に毒針を刺した感触はなく、そこに先程までいた人間がいなかった。
何処に行ったのかと回りを確認すると共にクールスキル:恵眼とクールスキル:多感、ユニークスキル:触角感知をフルに発動させ気配を探る。
すると自身の背後にいる事に気付いた。
どうやったのかはわからないが女王蜂の背後に回り、地面に落ちようとしている。
ジャンプして避けたのか瞬間移動したのかはわからないが宙に浮いており、落下途中のようだ。
女王蜂はチャンスだと思った。
このまま毒針を打ち込めば勝てる。
そう思い落下しかけているトゥキーに身体を向き直った。
だが見えている景色が変わらない。
そしてグラっと視界がおかしくなった。
まるで首を傾げた時のような感覚だった。
だが傾げただけに終わらず落下していくような感覚と見えている景色が変化する事により自分は落ちているのだとわかった。
必至に羽を動かそうとするが羽の筋肉を動かす感覚がない。
女王蜂はそのまま地面に落ち、上下左右する視界に不快感を覚えた。
地面をバウンドする感覚も可笑しい。
そして気付いた。
自分は死んだのだと。
何故なら自由の利かない頭が転がり目に移った物は自身の首のない胴体が横たわっていたからだ。
そして自身が戦っていた男が地上に降り立ったが自身の頭は地面に触れており触覚も垂れ下がり子供達が戦っている振動を感じるのにも関わらずその男が地面に降りた振動さえ感じられなかった。
その瞬間自身が殺そうとしていた男が圧倒的強者である事を悟った。
そして抵抗するのを諦めた瞬間意識を手放した。
トゥキーの勝利である。
俺はわかっていた。
女王蜂が放ったウィンドカッターが目暗ましだと。
何故なら最大の武器はユニークスキル:強毒生成だからである。
蜂の魔虫特融スキル、毒生成。
これを高めた事により女王蜂は毒生成の最高位、強毒生成を持っていた。
これを使わない訳はない。
だからこそ俺に向かって飛んで来る必要があった。
尾の針は飛ばない。
その為近距離で俺に打ち込む必要があったんだ。
だからこそウィンドカッターと言う目暗ましを使い、その間に俺に近付き尾の針を打ち込む…それが女王蜂の浅はかな戦術である事を見抜いていた。
その為飛んできたウィンドカッターをダークネスで防御し、尾の針を俺に打ち込もうとした瞬間高速移動で女王蜂目掛けて飛び、空中で杖先に圧縮したウォーターブレイドを発動させ、墓石をウォータージェットで切るようにクールスキル:硬質+3の固い首を切った。
そこで勝負はついた。
それにしても魔獣にしても魔虫にしても便利なユニークスキルを持っている者が多い。
人から魔族になる事が出来たとしてそのユニークスキルは習得出来るのか。
それに人間のクールスキル:硬質+3と魔虫のクールスキル:硬質+3は多いな差がある。
元々持って生まれた身体の限界以上の固い表皮は持てないと言う事だ。
俺も魔族に生まれたかったぜ。
そんな事を思っていると魔虫の気配が穴の中から消えた。
あいつらの方も片付いたようだ。
俺は皆のいる方へ向かって歩き出した。
シーナは最後の一体を討伐し、額の汗を拭いながら荒れた呼吸を深呼吸で整える。
すると歩いて来たトゥキーに気付く。
「トゥキー!」
「よお!終わったみたいだな」
「うん。そっちも終わったみたいだね。どうだった?女王蜂」
「まぁ強いは強いけど問題ないレベルだな」
「そう!もうこのダンジョンも最下層部でしょ?このままなら余裕でクリア出来そうだね」
「このままなら…な」
「どうしたの?」
「いや、何でもない。クリン達の方も終わったみたいだ。迎えに行こう」
「うん!」
シーナはととっと駆け出し、歩き出したトゥキーの後を追う。
二人で深い穴の中を進むとクリン、スーカ、アレンが討伐を終えた所だった。
皆が揃うとシーナが口を開いた。
「クリン!何体仕留めた?」
「ん…多分20体位かな?」
「勝ったわね。私40体仕留めたわ」
「魔剣術士とじゃ勝負にならないよ。僕飛び道具ないし」
「アレンとスーカは?」
「僕は50体位かな」
「私58体」
「え゛!!さ、流石魔法使い」
「僕とスーカは極大魔法のレパートリーも増えたからね。近距離はもう片手で出来るし」
「私とクリンは体動かしてなんぼだけど体使っても魔法使いの攻撃力には負けるのね」
「シー姉達がいるから僕達魔法使いが映えるんだよ。おかげであんまりこっちに近距離戦挑んで来る個体はいなかったし。僕達が極大魔法を放つからあんまりシー姉達の方に散らなかっただけだよ、きっと」
「あんたいつの間にか口が上手になったわね。スー?アレンには気を付けるのよ」
「わかった」
「ちょっフォローしたのに」
「冗談よ」
「もう…」
俺達は笑いながら殆ど燃えてしまった巣の前まで来た。
何故巣の前に来たかと言うと巣の中に一体だけ大きな魔力反応があったからだ。
するとアレンが口を開いた。
「これ何かな?」
「多分時期女王蜂だ」
「命は受け継がれて行くのね」
恐らくではあるがまだ蛹だ。
だが脱皮は目前…そんな気がした。
すると巣の中で大きな魔力反応が動き出した。
それは脱皮し巣の中を動き出した。
俺はボロボロで簡単に壊せる巣を素手で壊し中をこじ開けた。
その行動を見てシーナが質問する。
「ちょ、トゥキーどうするの?」
俺は脱皮したばかりの大きな魔力反応を掴むと巣の外へ持ち出した。
それは脱皮したばかりでまだ体が柔らかく、体の色も薄い成虫だった。
俺は皆にそいつを見せて言った。
「こいつが新しい女王蜂だ」
攻撃する事も覚束ないその成虫は大きさだけは既にキラービー以上はあった。
俺はクイーンビーにスキルを発動させた。
「俺の仲間になれ、女王蜂」
「インフォ/スペシャルスキル:統率者を発動。女王蜂が配下に加わりました」
俺は女王蜂に名前を付ける事にした。
「そうだな…お前の名はエリーズだ」
俺はイギリス王族の女王から名前を取った。
女王と言ったらこれだろう。
その光景を見てシーナが口を開いた。
「また魔物を仲間にしたの?」
「ああ。女王蜂は使えるからな」
「修行中から数えて今何種類位いるの?」
「そうだな…利用出来そうにない魔獣とかは配下にしてないから種類で言ったらエリーズで丁度10種類位じゃないか?数で言ったら50体いかないと思うぞ」
「そんなに魔袋に入れて他の物入るの?」
「その辺りは大丈夫だ。師匠から無限魔袋もらってるからな」
「無限魔袋って限界ないの?」
「無限って言う名前だけど他の魔袋よりも入るってだけで実際無限じゃない。前に俺が作った魔袋が小魔袋ならこれは特大魔袋って感じだな。8~10畳程だった空間がお城になったようなもんらしい。アホ程入る事から無限魔袋って言われてるらしい」
「それは大分広がったね」
「ああ。重宝してるぜ」
そして俺達は新たな仲間を手に入れ、馬鹿デカイこの縦穴をウィンドで飛翔して脱出した。
クリンは自力で壁を3回程蹴って上へ昇った。
修行を終えてからクリンは自分を甘やかさないようにしているらしい。
そして縦穴を出るといつも通りのダンジョンが続いていた。
「さ!先に進もうか」
俺はそう言うと先を歩き出した。
するとシーナが口を開いた。
「所でここ何階なんだろうね」
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