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N.Yの最凶人物が異世界転生した結果  作者: KIT
人売組合編
73/113

71.更なる高みへ

更新お待たせいたしました。

一旦冒険の日々は終了にしました。

次回から更に強くなる彼等をお楽しみに。

街へ着くと俺達は王都へ向かった。

恐らくミカールとアズラーは王宮にいるか、王都外れにある自宅にいるだろうとの師匠の推測であった。

バルテオナはとても様気な街で平和そのものと言った感じだった。

俺達のような孤児やホームレスはゼロとは言わずも少なく、治安の良さが際立っていた。

王都は栄えており、人は親切で活気がある国であった。

俺達は初めて見る聖大陸の町並みを見ながら王宮へ赴いた。

城は山の中腹にあり、王都からは少し階段を上った。

王宮の門は立派で白を基調とし金の装飾が施されていた。

俺達が育った街やその周辺はエジプトやアラブ諸国の町並みに似ていた。

王宮に関してもそういった感じだ。

だがここバルテオナはヨーロッパのような町並みが広がっていた。

そして王宮もヨーロッパ風である。

エジファトの王宮が宮殿と言う感じでバルテオナの方は王宮と言う感じである。

門の前には門番が立っており、師匠の姿を見るや否や一人が直ぐに中に入り確認を取りに行ったのだろう雰囲気が伺えた。

その為俺達は何も言わずに王宮の前に立っている。

しばらくすると中から一人が戻って来て口を開いた。


「オニール殿。本日は何用でしょうか」


「うむ。ミカールとアズラーはいるか?」


「本日お二人は休日故こちらにはいらっしゃいません。お家の方をお尋ねになられるのがよろしいかと」


「そうか。邪魔したな。奴等は休日のようだ。家に向かおう」


そういうと師匠は来た道を引き返し始めた。

俺達も後を追って行く。

そして少し歩き王宮から10km圏内位だろうか…俺達は今王宮のある山の隣の山へ来ている。

道は舗装されており、所々民家も見えた。

そんな山道を登ると一つの家の前に来て師匠が止まった。


「おらんな」


そう呟くと家の周りの森を見渡し始めた。

そして何かに気付き歩みを進めて行くとそこにはハンモックに寝転ぶ一人の大男がいた。

顔は本が上に乗っていてわからなかったが体格がいい事だけははっきりわかった。

それほど筋肉と言う筋肉が発達した身体をしていたからだ。

そして師匠がハンモックの手前で止まると以外にもハンモックに寝ている男が顔に本を乗せたまま口を開いた。


「よう!シャクールか!久しいな!」


「ああ。しばらくだな、アズラー。元気か?」


「ああ」


そう言うとハンモックに寝そべっていた男が身体を起こし、足を地面に付け上半身だけを起こしてこちらに向き合った。

少し汚れた、元は白いTシャツなのだろうが気持ち茶ばんで襟も少し依れた服を着て、足元は革のブーツ、焦げ茶色い作業ズボン、黒髭を整えて黒髪で短髪の角刈り風の男で頬や身体中に消えぬだろう深い傷跡が何個もあった。

そのアズラーと言う男が更に続けて言った。


「コーヴィーが死んでからだから30年位…か?」


「ああ、そうなるかな」


「で?その後ろの子供達は?お前が言ってた希望か?」


「そうだ。お前に子供を一人託したい」


「本当に希望になり得るのか?」


「ああ。お前には言っておくがこの子達はダンジョン攻略者だ」


「は!?そんな知らせなかったぞ!?」


「私もだ。まぁこの子達にも話したいし皆集まってから話そうと思うがミカールは元気か?」


「ああ。相変わらずだ。あいつも今日は休みだろう。家の方にいるんじゃないか?あいつは俺と違って所帯持ちだしな」


「そうか。ではミカールを連れて来るとしよう。また後で来る」


「わかった」


そういうと師匠はまた歩き出した。

そして今度向かったのは逆の山側である。

両者は王宮を挟んで同じ並びの山中に住んでいるようであった。

ミカールと言う者の住まいは山中であるが開けており、辺り一面花が咲く花畑の中に佇んでいた。

師匠はその家のドアの前に行くと2回ノックをし中の人を呼んだ。


「ごめんくださーい!」


すると中から女性の声が聞こえて来た。


「はーい!」


ドタドタと家中を走る音がドアへ近付いて来て止まるとドアがギーっと軋む音と立てながら開いた。

女性はおばあさんと呼んで問題ない位の年齢の女性であった。

恐らく元はブロンドの髪だったのだろう。

所々ブロンドの髪が混じってはいるが殆どが白髪であり、青い目の女性であった。

すると師匠を見て口を開いた。


「あなた…シャクールさん?」


「うむ。久しいな、アリーア」


「本当…何年ぶりかしら…あ!ミカール?」


「うむ。いるかな?」


「ミカールなら鍛錬の時間よ。ちょっとごめんなさい」


そういうとアリーアさんは師匠と俺達を後ろに下がらせ、家の外へ出て家の裏に広がる山を見て指を指して言った。


「あそこに木が無いハゲてる所あるでしょ?あそこがミカールの修練場なの。あそこにいるはずよ」


「そうか。ありがとう。邪魔したな」


「いいえー!会えて嬉しかったわ!やっと見つかったのね」


「ああ。しばらく旦那を借りるかも知れん」


「どうぞ!あの人も最近は張り合いがないと嘆いてるからいい刺激になるんじゃないかしらね」


「助かるよ。ではまた」


「気を付けて」


そしてアリーアさんは家の中へ戻って行った。

すると師匠は俺達に振りかえって言った。


「少々急ぐぞ」


「「「「「「はい」」」」」」


そういうと踏み込む足に力を入れ、強く地面を蹴った。

高速移動で山頂まで走ったのである。

近くまで来た所で俺達は止まった。

すると一人の男性が剣を持ちこちらを見ていた。

師匠はその男の前まで歩いて行く。

お互いが誰なのか肉眼で認識出来る距離まで来ると剣を持っている男が口を開いた。


「はっは!遂に来たか!」


「ああ。待たせたな」


「待ってたぞ!もう死ぬまで会えないかと思ってた所だ!」


「私もだ」


ミカールと言う人はアリーアさんと一緒で元々ブロンドの髪であった事が感じ取れるセンターパートで白髪が多く、顎位までの長さ。

鍛練中だったのだろう。

上半身は裸で傷がいくつもある。

筋肉もアズラーさんと遜色ない程あり、師匠と年齢が近いのであれば80近い年齢のはず。

だがそんな年齢の老人に似つかわしくない体型の持ち主であった。

そのミカールさんが俺達を見て笑いながら言った。


「それにしても小さい希望だな!」


「ああ。だからこそ育て涯がある」


「そうだな。さっきの高速移動…お前結構本気だったろ?」


「うむ」


「それについて来れるって事は相当スキル熟練されてるじゃないか!どうやって手に入れた?」


「私は何もやっていない。この子達が独自にダンジョン内で見に付けたのだ」


「…何処のダンジョンだ」


「サンジバダンジョン」


「は!?あったのか!?」


「らしい」


「らしいってどういう事だ!?」


「私は行っていないからな」


「アイテムか何か使って出て来たのか?」


「攻略してだよ」


「…本気か?」


「ああ」


会話が途切れると二人は俺達を見ながらしばらく考えたようにしていた。

そしてミカールさんが答えを出した。


「こいつは本物っぽいな」


「だろ?」


「わかった。だが一人魔力ない子がいないか?」


「ああ、そうなんだ。だから既にアズラーに声を掛けてある」


「なるほどな。そしたら俺は一旦家に戻る。アズラーん所で落ち合おう」


「わかった」


そう言うと俺達はアズラーさんの所へ戻った。

そして夕日が沈む頃、ミカールさんが到着。

俺達は夕食の手伝いをして待っており、丁度いいタイミングで皆が揃った為ミカールさん家の脇に簡易テントを作り、その中で皆で夕食を囲みながら話す事にした。

夕食はパンと野菜とベーコンのスープ、森で狩った鹿肉の丸焼だ。

夕食を食べ出した所で師匠が立ち上がり口を開いた。


「皆食べながら聞いてくれ。子供達にはまだ話していない事から話そう。先ずはこの世界の事だ」


「この世界には魔王と勇者が常にいる。魔王が死ねば次の魔王。勇者が死ねば次の勇者と次々に現れる。誰が決めるのか…それはこの世界だ。この世界が称号を与えた者。それが魔王となり勇者となる。

聖大陸には掟があり、勇者のみが魔王に挑む権利を持てる。

それは無用な犠牲を出さない事と勇者の称号を得た者の義務…いや、使命と言って良いだろう。元々魔王と勇者の力は均等にあるようになっていた。だが近年勇者が劣るようになって来ている。それは人間の魔力の衰退が原因と言う説が今の所有力だ。

このままでは人は魔族に負けてしまう。そういった未来が来る事も遠い将来の話しではないのだ。それ故私は旅に出た。当時の勇者コーヴィーが死んでから私は強き者を求めて世界を回ったのだ。そしてようやく見つけたのが君達と言う訳だ。しかも君達がダンジョン攻略者である事を誰も知らない。

通常ダンジョン攻略者はダンジョン攻略者間でわかるのだ。何故わかるかと言うとダンジョン攻略者が新たに現れた場合世界から知らせが届く。ダンジョンの攻略しリミテーションスキルを有する者が現れた事を世界が知らせてくれるのだ。君達が攻略したダンジョンはどういう訳かわからないが知らせるシステムが備わっていない…要は世界でもレアなダンジョンを攻略したと言う事になるのだ。そんな逸材をこの30年で見つける事が出来たのは運命としか私も言い様がない。そこで君達に私達の知りえる事、魔法、技術…全てを託したいと考えている。そして願わくばこの世界を争いのない平和な世界へと統一して欲しい。この世界は未だ嘗て統一された事はない。魔王も覇権を狙っているが人もまた同じ。その戦いに勇者を祭り上げ覇権争いの道具にしている節も見える。私は…私達の願いは争いのない世界…人と魔族が手を繋いで過ごせる世界が来る事を私は願っている」


俺はサンドラ達を思い出した。

きっと皆も同じだろう。

人と魔族の共存を願う者は意外とこの世界には多いのかも知れない。


「そこで改めて紹介する。アズラー・ルフォルセン。神級戦士エターナルチャンピオンであり、元勇者パーティの一員。今はバルテオナのクリバナリウス隊隊長をしている。そしてミカール・ブレイダース。神級魔剣士…して現聖刀流魔剣神だ。元勇者パーティの一員であり今はバルテオナの魔剣士隊隊長をしている。そして私がシャクール・オニール。神級魔道士であり現魔導神が一人である。これから10年を目途に君達には修行をしてもらう。現状でも君達は一つの国を滅ぼせる力を持っている。だが更なる高みを目指してほしい。この前戦ったベルフェゴルは本物の魔王軍幹部だ。まだ魔王軍を敵にするには早過ぎる。君達が強くなり守りたい者を守れるようになった時…この世界を君達に託そう!」


強さの更なる高みへ俺達が上がる為の修行が始まった。

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