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雨の日は

今日は外は雨が降っている。

なので家の中で仕事なのだが、アフィは暇な様子。

先日帰ってきたメルクもちょうどいいという事で家事をしている。

とはいえアフィは暇なようで。


「あー、暇だよ、旦那様」


「仕方ないですよ、雨なんですから」


「そうなんだけどさー」


仕事はすでに片付いているので、今は家の中でゴロゴロしている。


雨の日が暇なのはアグレッシブなアフィだからなのか。


「むぅ、旦那様、なんか相手してよ」


「ならボードゲームでもしますか」


「ボードゲームって、あたし旦那様に勝った事ないじゃん」


「アフィは頭脳労働は苦手ですからね」


「あたしは直感で生きてるの」


なんにしてもやる事はないので、結局ボードゲームをする事に。

とはいえアフィはこの手のものは強くない。


メルクも手加減はしてくれないようだが。


「では始めますか、先攻と後攻、どちらがいいですか」


「後攻、この手のゲームは大体後攻が有利なんだから」


「分かりました、では僕から先攻でいきますね」


「はいはい」


「では、手加減はしませんよ」


そんなわけでボードゲームでの勝負が始まる。

ちなみにメルクはボードゲームはかなり強い。


アフィは今まで一度も勝てた事がないらしいが。


「ここですね」


「うがっ、そこはずるい!」


「待ったはなしですよ」


「ぐぬぬ、でもまだ始まったばかりだし」


「早くも言い訳ですか?」


メルクは容赦なく一番いいポイントに駒を進めてくる。

アフィもそれに必死に抵抗している。


とはいえ徐々にアフィの陣営は追い詰められていき。


「僕の勝ちですね」


「あー、負けたー」


「手を抜くなというのはそっちですからね」


「それは分かってるんだけどさぁ」


「まだやりますか?」


アフィも簡単には引き下がれない様子。

そのまま第二ラウンドが始まる。


とはいえメルクは相変わらず手は抜かないようで。


「ここです」


「うぐっ、相変わらずいいところに攻めてくるなぁ」


「まだ逆転は出来ますよ」


「むむむ、ならここだっ!」


「おや、そこに来ますか」


メルクも手は抜かないが、分かりやすいように駒を進めてくる。

アフィもそれに気づけば逆転は容易だ。


とはいえ勝負事に熱くなりやすいアフィはそれに気づきにくいようで。


「ここだっ!」


「おや、気づきましたね」


「あたしだって流石に学習するからね」


「では僕はここに」


「うがっ、旦那様ぁ~」


メルクもそれを分かっていて攻めてくる。

相手が妻といえども容赦は一切しないのがメルクだ。


そのまま勝負は進み。


「僕の勝ちですね」


「あー、負けたぁ~」


「さて、ではお昼にしますか、何かリクエストとかあれば作りますよ」


「ソーセージのクリームスープ!」


「分かりました、ではそれにしますか」


アフィは肉が好きなので、スープなどにもよく肉を入れる。

ソーセージのクリームスープは特に好きなのだとか。


ちなみにソーセージは小さくカットしていれるのが美味しさの秘訣らしい。


「ねえ、旦那様、あたしと結婚して幸せ?」


「幸せですよ、それにあなたは誰かが見てないと人知れず死にそうですしね」


「酷いなぁ、でもあの時助けてくれたのは嬉しかったなぁ」


「だからあなたは僕がきちんと管理します、そうしないと不摂生で死にそうですし」


「そんな簡単に死なないっての」


なんにしてもメルクはそれだけアフィを心配しているのだ。

だからこそ自分がきちんと生活を管理するという気持ちもある。


それにメルクはそんなアフィだからこそ好きになったというのもあるらしい。


「出来ましたよ、パンはソフトの方がいいですか」


「スープにはそっちの方がいいかな」


「分かりました」


「旦那様の作るご飯は美味しいもんね、幸せの味ってこういうのなのかな」


「幸せの味ですか、幸せの定義はともかく、幸せだと感じるならそれは幸せなんですよ」


メルクも哲学的な事を言う。

とはいえ幸せとはそういうものなのだとアフィも分かっている。


雨の日の昼食はそんな話をしつつ温かいスープとパンで済ませる。


夕食のリクエストも聞いた上で午後はアフィも家の掃除をする事になったようだ。

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