14/14
エピローグ
――ある日の、月の民の会話。
「……聞こえる?」
「ああ。上手く繋がってるよ」
「そっちの生活はどう?」
「初めは大変だったさ。魔素が消えたのも、すごく不安だったよ」
「けど、そっちの技術を上手く活かしてね。今は不便なくやれてるよ」
「そう……それならよかったわ」
「……画像は確認できた?」
「ああ……名前だけでは、まだ足りないからな」
「そうね」
「……あの子は、どうだった?」
「母親に似て、美人に育ってたわよ」
「そうか……」
「けど、少しクールな印象ね。そういう女性も魅力的ではあるけど」
「ははっ」
「まぁ、それも記憶に関係してるのかしらね……」
「そうだな……」
「ダメね……。あの時は、思わず感情を出してしまったわ」
「……」
「さて、本題に戻りましょう」
「ペンダントの座標は、こちらで合わせてるわ」
「後は、あちらのタイミング次第だな」
「そうね」
「キーワードは?」
「……クレア」
「わかった……。では、またその時に」
「ええ」
――通話が終わる。
カタカタ……
女性はパソコンを操作する。
そして――
パタン。
「……ふぅ」
パソコンを閉じる。
カチャ。
コーヒーの入ったカップを手に取り、一口、口に含む。
女性は、画面に映っていた写真を思い浮かべる。
「あなたは、充分頑張ってるわよ……」
そして、小さく微笑む。
「クレアちゃん」




