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魔王婚活転生 〜最強の魔力をすべて婚活スキルに注ぎ込んだら、なぜか聖女に「危険人物」としてマークされつつ溺愛され始めました!ついでに、世界が救われ続ける件~  作者: 藤台団二
第3章:魔の森の隠し遺産と、最強家族の開拓ライフ

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第7話:魂を刈るお庭番

王国の放った最高峰の隠密部隊『影の牙』。


必死の抵抗として禁忌の毒煙幕を展開した彼らでしたが、その毒がわずかにエルナのいる庭の方へと流れた瞬間、元魔王の静かな逆鱗が臨界点を突破します。


外傷ゼロのまま精神だけを完璧に消滅させる、魂の暗殺無双が執行されます。


どうぞ、お楽しみください

「ひ、ひいいっ! 化け物め、下がれ!」


国家最高峰の隠密部隊『影の牙』の隊長は、四本の腕に鍬を携えたバロールの威圧感に耐えかね、狂ったように叫んだ。

もはや隠密行動など破綻している。彼らは懐から、対魔獣用に開発された王宮禁忌の秘薬《万死の毒煙幕》を取り出すと、地へ向かって叩きつけた。


ボンッ!!!


瞬間、周囲の空間に、触れた皮膚を瞬時に腐らせる赤黒い致死の毒霧が爆発的に広がった。


「ガハハハハ! 我が主の庭で随分と安っぽい煙火を上げてくれるな!」


バロールは四本の腕で鍬を凄まじい速度で振り回し、その圧倒的な風圧だけで自分に向かってくる毒霧を吹き飛ばした。

しかし、激しい風に煽られた毒霧の残滓が、ほんの一筋だけ、庭の向こうでボール遊びをしていたエルナとリーゼロッテのいるテラスの方向へと流れていってしまった。


「あ……」


隠密の一人が、その光景を見て勝機を見出したかのように下卑た笑みを浮かべる。

だが、その毒の粒子が、リーゼロッテの張った聖級結界《至高の平穏アブソリュート・オアシス》の目に見えない光の壁に触れた瞬間——パチリ、と美しい火花を散らして、一瞬で完全に浄化され、消滅した。


元聖女の絶対結界に、人間の作った毒など一粒子たりとも通るわけがなかった。


しかし、結界が防ぎきったかどうかは、問題ではなかった。

【最愛の娘と妻がいる空間に向けて、悪意ある毒が放たれた】というその事実だけで、十分すぎた。


ピキィィィィィィン……!!!


テラスの椅子から、静かに立ち上がる影があった。

漆黒の夜会服を纏った青年——ゼノン。

彼が手に持っていたガラスのグラスをトントンとテーブルに置いた、その瞬間。

楽園のすべての光が失われ、空間そのものが恐怖で完全に凍りついた。バロールすらも、背筋に冷や汗を流して即座に直立不動の姿勢を取る。


ゼノンの瞳の奥から、完全に温度が消え去っていた。


「私の、世界で一番大切な家族が、今、吸おうとした空気を汚したな」


ゼノンの声音は、驚くほど静かだった。だが、その一言が放たれた瞬間、隠密たちの周囲の地面がドロドロとした漆黒の沼へと変貌した。


「ま、待て! 我々は王国の——」


「知らん。お前たちの所属も、命の価値も、私の前では羽虫の羽ばたきほどの意味も持たない」


ゼノンが右手の指先を、冷ややかにスッと上に向けて引き上げた。

漆黒の沼から這い出してきたのは、実体を持たない半透明の禍々しい影。千年前の神魔戦争において、神々の魂すらも啜り尽くしたとされる魔王直属の暗殺眷属——《魂喰らい(ソウル・イーター)》。


「その傲慢の罪、魂の消滅をもって購え」


キィィィィィィィン……!!!


隠密たちが悲鳴を上げる隙すら、世界の理が許さなかった。

五人の『影の牙』の肉体には、擦り傷一つ、血の一滴すらも流れていない。しかし、彼らの背後から《魂喰らい》の黒い手が伸び、その胸元から、彼らの意識、記憶、存在の根源たる『魂』をズルリと強引に引きずり出した。


「あ……、あ……」


隠密たちの目は一瞬にして光を失い、完全に中和された木形子こけしのように、その場に崩れ落ちた。

外傷は皆無。しかし、脳の活動も精神も完璧に消滅し、二度と目覚めることのないただの『肉の抜け殻』となった五人の体。ゼノンが指先を軽く横に振ると、その抜け殻は魔の森の土壌へとシュウと溶け込み、菜園の最高の肥やしとして跡形もなく処理された。


「……ふぅ。やれやれ、不躾な風が吹いたな。バロール、すぐに空気の入れ替え魔術を施しておけ」


「はっ! 我が主、ただちに!」


ゼノンは一瞬で元のデレデレな父親の笑顔に戻ると、テラスのエルナの元へと歩み寄った。


「パパ、お空がちょっと暗くなったの?」


「何でもないよ、エルナ。ただの、少し行儀の悪い雲が通り過ぎただけだ。さあ、ママの作ってくれた美味しいトマトジュースを飲もう」


「わーい! トマトジュース!」


エルナが笑顔でグラスを受け取る。リーゼロッテは苦笑しながらも、「お疲れ様でした、あなた」と、ゼノンの夜会服の襟元を優しく整えるのだった。

人間の王国が放った最高峰の密偵は、元魔王の逆鱗に触れた瞬間、悲鳴を上げる暇すら与えられず、ただの「家庭菜園の肥料」へと神速でざまぁされる結果に終わった。

第7話をお読みいただき、本当にありがとうございました!


最愛の家族の空間を汚そうとした不届き者に対し、ゼノンが容赦なく《魂喰らい》を召喚し、一瞬で「菜園の肥料(外傷ゼロの消滅)」へと変えてしまう圧倒的なダーク無双をお届けしました。


娘の前では一瞬で優しいパパに戻るゼノンのギャップを楽しんでいただけましたでしょうか。


次回、

第8話では、国家最高峰の部隊が全員『抜け殻』となって消え去った報告を受け、人間の王国の重鎮たちが未だかつてない大パニック(恐慌)に陥ります。


恐怖のあまり完全に狂った国王たちは、隣国の軍事帝国をも巻き込み、世界規模の「魔王討伐連合軍」を組織するという最悪の暴挙へ打って出ます。


物語がクライマックスに向けて一気に加速する展開をお楽しみに!


もし「ゼノンの容赦ないざまぁが最高にスカッとする!」「次の王国の自滅っぷりが楽しみ!」と思って頂けましたら、ぜひ画面下の【ブックマークに追加】と、【☆☆☆☆☆】の評価での応援をよろしくお願いいたします!


皆様の応援が、次の執筆への最大のエネルギーになります!



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