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魔王婚活転生 〜最強の魔力をすべて婚活スキルに注ぎ込んだら、なぜか聖女に「危険人物」としてマークされつつ溺愛され始めました!ついでに、世界が救われ続ける件~  作者: 藤台団二
新章1 仕組まれた別居と、小さな恋のキューピッド

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第10話:最高の我が家へのプロローグ

ガルフォード侯爵の陰謀を粉砕し、社会的抹殺を完了させたゼノンとリーゼロッテです。


ようやく公爵邸の地下室へと戻ってきた二人は、この騒動を最も裏で支えてくれた「小さな功労者」との再会を果たします。


しかし、王都を揺るがした規格外の力は、国の中心部に拭いきれない動揺をもたらしていました。

絶対結界室の重厚な扉が静かに開くと、部屋の中央で大きなクッションを抱きしめていたエルナが、弾かれたように顔を上げた。


「パパ! ママ!」


小さな身体が、ふたりの元へと全力で駆け込んでくる。ゼノンとリーゼロッテは同時に膝をつき、飛び込んできた愛娘をふたりがかりで強く、優しく抱きしめた。


「お待たせ、エルナ。ちゃんとお話し合いをして、仲直りしてきたよ」


リーゼロッテがエルナの白金の髪に頬を寄せ、愛おしそうに囁く。その目にはもう、先ほどまでの涙も怒りも一切なかった。あるのは、最愛の家族へ向けられた深い慈愛だけだ。


「エルナ、パパが悪いことをしていないと信じてくれて、本当にありがとう。お前は世界一の娘だ」


ゼノンもまた、胸の奥から湧き上がる愛おしさに目を細め、エルナの小さな背中を大きな手で包み込んだ。


「えへへ、パパとママ、もう怒りんぼしてないのね! エルナ、すっごくうれしい!」


エルナはふたりの首に小さな腕を回し、満面の笑みを浮かべた。


家族三人で刻む温かい鼓動。それだけで、先ほどまで王都の闇を支配していた殺伐とした気配は完全に霧散し、部屋の中は至上の幸福感で満たされていく。


(ああ、これだ。

これこそが、私が千年の時をかけて求めていたもののすべてなのだ。

誰が相手だろうと、この時間を脅かす者は絶対に容赦しない)


ゼノンは心の中で静かに誓い、エルナを抱き上げて立ち上がった。


「よし、夜更かしが過ぎたな。エルナ、寝室へ行こう。明日の朝は、約束通り君の大好きなクロワッサンと、最高のステーキを用意しよう」


「わーい! おっきいお肉!」


「もう、あなたったら……。でも、私もお腹が空いちゃいました」


リーゼロッテがクスリと笑い、ゼノンの腕にそっと寄り添う。


完璧な平穏が、我が家へと戻ってきた瞬間だった。


しかし、その幸福な夜の裏側で、王城の最深部は未曾有の恐怖に包まれていた。


ガルフォード侯爵の売国行為、そして聖女を陥れようとした醜悪な証拠の数々は、ゼノンの手によって王城の玉座の間にまで正確に届けられていた。だが、国王をはじめとする重鎮たちが真に恐戦慄したのは、侯爵の罪の重さではなかった。


「数千の国軍精鋭と過激派騎士団の武装を、傷一つつけずに一瞬で消滅させたというのか……?」


玉座の上で、国王は青ざめた顔を震わせていた。


現場からの報告によれば、ゼノンが放った魔力は、王都の半分を跡形もなく消し去ることも容易なほどの質量を持っていたという。


しかも、聖女リーゼロッテはその暴挙を止めるどころか、国軍の攻撃から夫を守るために絶対的な結界を張ったのだ。


「あのふたりがその気になれば、この国など一夜にして滅ぶ……。神をも屠る元魔王と、国を覆う結界を持つ元聖女。そのような危険極まる『爆弾』を、王都に置いておくわけにはいかん……!」


重鎮たちの間に、暗い沈黙と、底知れない猜疑心が広がっていく。


彼らにとって、ゼノンの一家は「国を救った英雄」ではなく、いつ牙を剥くか分からない「最凶の脅威」へと変わっていたのだ。


翌朝、ベルシュタイン公爵邸に届けられることになる、国王からの理不尽な『裁定』。

しかし、家族の絆をより強固なものとしたゼノンたちにとって、それは破滅ではなく、むしろ窮屈な檻から解き放たれる「新たなる無双旅」への合図に過ぎなかった。

第10話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!


これにて第1章『仕組まれた別居と、小さな恋のキューピッド』が堂々の完結となります。

エルナちゃんの機転から始まった家族の危機は、夫婦の絆をさらに深める最高の形で幕を閉じました。


しかし、ラストではゼノンたちの強すぎる力を恐れた王国側の不穏な動きが……。


次回からの第2章では、国王から言い渡される理不尽な「国外追放処分」を、ゼノンたちがまさかの大喜びで受け入れ、新天地でのびのびとお気楽な冒険者生活を始める新展開へと突入します!


最強家族の新たなる旅路をこれからも見守りたい、新天地での無双が楽しみ!と思ってくださった方は、ぜひ画面下の【ブックマークに追加】と、【☆☆☆☆☆】の評価での応援をぜひぜひ、よろしくお願いいたします!皆様の応援が、次の章への最大の活力になります!

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