こくおー さんの、はつしごと??
「もどったよー♪」
「……だいじょうぶでしたか?」
「まあ、次はないよって分かって
もらったかんじかな?」
「リン、おそろしい子!」
ちょうどライラが集会を締めて、お立ち台
から降りてくるとこだった。
―――なにしろ、あのボーイッシュガールは
じっくり育てて これから私に歯向かって
もらうんだから、並大抵のことで
ヤラれて もらっては困るのだ!
(……それこそ、私にヤラれ
でもしない限りは?)
ソフィアが白目をむいて高笑いしてる。
……ほんと、この人だいじょうぶ だろか??
「そうだそうだ、
ご両親 消えてた!」
ソフィアが
わんと叫び出す!
……いったい、この人は何を言っているん
だろう? 死んで動かない死体が消えるって
ことは、誰かが動かした以外に考えられない。
ソフィアと私がこの前(12年前)小屋から
抜け出した後、再びさっきソフィアを送り込む
まで、小屋には誰も入らせてなかったハズだ。
《はい。固有結界はリン様の
意志によってのみ、開放されます》
―――つまり、話だけ聞くと たいへんなこと
だが、わたしはソフィアを ちょっと疑って
いる! ……ちょっちね?
「うう……リン
疑ってるな?」
「ほんとにちゃんと見たの? 反対側
見てたんじゃないの??」
「うは…っ、リンどんだけ私を
ドジっ子だと おもってんの!!」
「穴があったら必ず入る! お約束はヤッて
みないと気がすまない。それが
ソフィアでしょうが!」
付き合ってきて分かったが、この人
シットリ落ち着きとは程遠い存在だ。
出会った当初こそ おしとやかな優しい大人
のお姉さん♪ という地位を獲得していたが
(すでに2日目の晩 自ら火に飛び込んで
いった時点で、多少 疑いはしてた!)
―――子供の姿に戻ったことで、より
いっそうソフィアの本性が現れ出てる!!
「うん、なかなかいいとこ突いてる! って、
さすがに私がドジだとしても、ハシハシ
歩いて10秒かからない せっまいリンの
小屋で、横たわってる大の大人2人
見逃すことはないって!」
我が実家のディスは止めてもらおう!
……いやいいぞ、もっとやるんだ!!
(悪い思い出しか無いので、ディス
ってもらった方が気分が良い?)
「じゃあ、……死体は天井に張り付いて、見つか
らないように してただけなんじゃないの??」
「なんで死体が動くねん! あの人
たち、リンが殺してたハズでしょ!?
先代が亡くなったからこそ、リンはリンネ家
の当主の座を受け継いだわけじゃん??」
―――うん、さすがはソフィア、常識派だ!
私より長く生きてきただけのことはある!
……いや、でも あの人たち
に普通の考えは通用しない。
あの人たちは私を困らせイジメるためには、
悪魔的な(さすがに比べたら悪魔の人(?)
に しつれいかな??)天才頭脳を発揮する!
ターゲットが予測通りの動きをしてウンウン
モガキ苦しんでるるのを遠くから
見て、ほくそ笑んで楽しむ!
―――そんな種類のニンゲン(夢魔)達だからっ!!
「……なにか、
仕掛け的な?」
さすがに私でも無理があること
を言ってるのは分かってる。
……でも、私の直感が告げてる。
決してあの人たちがただで
殺されたハズはない、と。
「うー?」
ソフィアは腹から うなって、
軽い抗議の声を上げる。
……かわいい♪
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「では、リン様。ここは お任せいたします!
ライラ、……上手く頼むぞ?」
「ええ……っ! リムド。
腕の見せどころね?」
元城主のリムドさんは(今のポジションなんて
いうんだろ?)、対外交渉に戦争準備に やる
ことがいっぱいあると、さっそく重臣たちを
引き連れ どこかへ ぴょ~ん! と
飛んでいってしまった。
ライラは何やら企みの笑みを浮かべて
私の背後に立って、満足気に解散した
人々に呼びかけている。
が! きっと私には関係ない
ことに違いない……っ!(よね??)
◇
「こっちだよー!」
リイラが案内してくれる。
―――ちょっと込み入った話になってきた
ので、お店? っていう食事を用意して
くれる人がいつも居るらしい、
広場の脇の 入口が大きく
入りやすい家に場所を移す。
……まあ、さすがに現国王の最高機密的
な情報を、市民が大勢いる広場で
話すワケにはいかないし、ね?
《……リン様、私が傍聴対策を行って
いなければ、すでにダダ漏れです……ッ!!》
―――あ、助けてくれてたんだ!
ひしょしょー、ありがとねー??
《いえ、これも勤めですから……
(このネーミングだけは
絶対に避けたい……!!)》
◇
……!
おにくさんが おいしい!
しろいのも きいろいのも おいしいっ!
「リンちゃんさま にこにこ
してるー!(もぐもぐ)」
ライラは一瞬仕事を片してくると
グワと消えたが、代わりに
リイラは そばに居る!
「おめめつけやく
なんだよー?」
なにそれ、こわい!
「もしホントに死んでいるのなら、絶対あの人
たちが死んでもいいと確信できる充分な
トラップ的置き土産があるはずなんだ」
「死体が消えたことが、そこに
つながってるってこと……?」
「たぶん……??」
「んー?」
これ以上は ほんとに現れ
てみないと分からない。
―――ぜんぜん分かんないから、
ソフィに丸投げしてみるっ!
「いや、あの出血じゃ確実に死んでる。
―――逆に考えるんだ!
……あの人たちが リンネ家 当主の
座を、やけに簡単に 私に明け渡した理由をっ!」
こうやって振っておけば、分かっても
分からなくても私にはノーダメなのだっ!!☆
……ソフィアにだけダメージが行くのだ??
「わるいリンさま
です……??」
リイラよ、なぜ君にも私の考えて
いることが分かるのだ?
……ソフィアは なぜか苦笑いしてる?
ごく、コト。
ソフィアは茶色い にがあまい(けど おいしい)
あたたか飲み物を すいと飲み干し、
ピコーン!
お、ひらめいた?
「……そうか! 肉体の死は重要じゃないんだ!
呪いのリンネ家にとって夢魔が本領を発揮できる場は悪夢!
そっか! 固有結界をあんなに長く展開
できる理由を、もっと深く考えておくべきだった!!」
……うん、ぜんぜん わかんない。
でも、ソフィが勝手に考えてくれて助かる♪
―――うん、切れるソフィアは、強いねっ?
(とりあえず ほめとく作戦!!)
「未熟なわたしを導くために
わざわざ手ほどきをくださるとは、
さすがは魔王の器! 一国の主! 我らの救世主!」
「リンちゃんさま、すごーい!?」
……あれ? なんで私
すっごく上げられてるの??
トコトコ♪
「リン様がまたひとり、迷える子羊
を救ったと聞いて!!!」
ライラが目を輝かせて寄ってくる。
ちがうんだー! わたしはただ、答えが
あるふうを装って丸投げしたんだ―!!
ソフィとリイラが
ガッツポーズしてた!
このー!
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「そんな長く居られ
ないんですよ?」
ライラも ちょっと様子を見に来ただけで、
この後すぐ信者の集会と信者の
取りまとめがあるそうだ。
……みんな忙しそうだな―?
がんばってるね?
うん♪ いいことだっ!♪
「……リン様、もしや
お手すきで……?」
「うん ひまひまー、でも
私に仕事なんて無いよね?」
王さまは、おーさま気分で
ふんぞり返ってれば いいのだっ!☆
「あ、ちょうどよかった……!
てことで、リン様にも仕事を
用意してまいりました!」
「う、へ……?」
広場に手枷首枷付けられて動けなくて、
[ 家畜の性処理用に ]って
穴豚にされちゃうの??
「……いやいや、朝に王まで上げといて 半日で
そこまで落とすって どんだけの鬼畜ですか!!」
うちの両親。
……さすがにあの人たちも、王様までは
上げられないけど、近いことはしてた。
―――あのスキルを使えば、今の私を絶望に
叩き落とすことなど、たやすいのだよ??
「あー!」
「うわー…」
ソフィアは納得がいったようで、ライラは普通にヒいてた。
「ほへー?////」
……なぜだかリイラは なにかのイメージに当てられた
ようで、顔を真っ赤にして ペッタリへたり込む。
《うはは》
何やら ひしょーが
笑ってる。めずらしい。
……てか、その笑い方
ちょっと怖くね?




