とらわれの りんと、ぜんりょく かいほう??
「えっと、[ 自然を大切に! ]でした でしょうか?」
「ばっきゃろー! 俺らは自然に狩られる方だ―!」
「では、[ 悲願! 王国滅亡! ]でしたでしょうか?」
たたかい、よくない!
変えなきゃ ころすっ!
「(お前が言うなし!)」
《(特大のブーメランですね?)》
むう…? ソフィアと ひしょ、
両方に突っ込まれてしまった!
「いや……、リン様は不穏な目をなさってる、
もっとこう、穏やかなものへ
変えたほうが良さそうだ……っ?」
わたしを、みないで ください。
みなで、ちゅうもく しないで ください。
(たくさんのひとが、わたしを みてる!)
「[ 愛は地球を救う! ]とかどうでしょう?
女子供への受けは良さそうですが……??」
地球とか大きすぎて、よくわかんない。
この大地のこと? ……つかそもそも、
[ 俺が、不幸に決まってる
お前達を救ってやる! ]
とかいう上から目線の
偽善は、好きじゃない!
「これも……
だめか……っ!!」
「我ら十年の努力も、ここまで
ということなのか……ッ!!」
「「「なんてっ、ことだ……!!」」」
皆が打ちひしがれる!
あ、猫耳の亜人さんとかヒトとか、
洞窟に全部で100人くらい居るね?
男女比は半々か、女の子の
方が ちょっと多いくらい?
こんなにガッカリしてしまって、
ちょっと申し訳ない気がしてくる。
ごめんなさい、みんなが楽しくやってる
トコにわたしが来たからだよね……??
「リン様……我らは いったい どう
したら…よろしいの でしょうか??」
「じゆう!」
彼らには関わらないほうが良さそうだったので、さっさと
逃げ出して 誰も私を知らない穏やかな地を探そう!
というより、こんな多くの人の注目を浴びるなんて、
私の心は これ以上耐えられないよ……ッ!!
くいくい!
「ぅぅ……ソフィア、にげよ?」
「うん…、視線のプレッシャー
で涙目のリン……、すてき♪」
ソフィアちゃんが なんか
馬鹿なこと言ってたので、
蹴飛ばしておく!
「ぐげえ!」
―――ソフィアは
さっそく脱落した!
スタスタ、
ドッド!!
!
「……ッ!」
「リン様を捕まえろー!」
「我らが 本尊様だ―!
傷一つ付けられないぞ!」
「DEAD OR ALIVE、
なんとしてでも捕まえるんだー!!」
「殺したいのか保護したいのか、どっちやねん!」
「もちろん無傷で保護を……ッ!」
ソフィアちゃんが集団に
向かってワアと叫んでた!
「ひー! いっぱいの
ひと、こわい!」
何故か追われることになった!!
―――逃亡劇は6時間続いた!!
―――結局生け捕りにされたっ!!
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「リン様が撒き餌に
引っかかったぞー!」
「大量のリン様だー!!」
「うぐぅ……(もぐもぐ)」
この干し肉、おいしい♪
そして私は捕まった!
……殺すことも出来たけれど、この人たちはソフィア
さんとか砦の人たちと同じ匂いがしたので、
すぐに殺してしまうには惜しかったのだ。
「ふはは! リンを捉えることなど
造作も無いことなのだー!!」
「このうらぎりものー!
ばかソフィア―!!
「ふっはは! おとなしく
捕まるがいいさー!」
ソフィアちゃんが無い胸を
高く反らして仁王立ちしてた!
「跪け―!」
「敬意を示せ―!」
ぐるぐる巻きにされて動けない
トコを なんでか拝まれてしまう!
どんどん増援が来て、増えてっくっ!
「やっぱり何やってん
のよコイツら……!」
「そこは把握して
なかったんかい!」
ソフィアは始終
隣で絶句してた!!
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「あの……?」
隣にライラによく似た
妙齢の女性が立っていた!
「えへへ……おひさしぶりです、
いかがでしょう? ライラの超絶手腕はっ!」
「まあ! だいたいソフィアの指示なんだけどねっ?」
……なんかひさびさに
ライラを見かけた気がする?
つか本物? お姉さんとか お母さんじゃなくて?
ソフィアちゃんが ふらふら 自慢げに
そばに寄ってきたので、素早く捕まえる!
「うわー!」
「老けた?」
「なっ! 失礼な! より可憐に歳を
重ねたと言って いただきたいですっ!」
「わわ~!」
ライラは ちょっと拗ねて、
ソフィア……ちょっと あんた叫びすぎ!
「どのくらい?」
「12年……ほどでしょうか?」
「うわわん! …もぐもぐ?」
うん、もうすぐ私が生きた年と
同じじゃん! ……なんで?
とりあえずソフィアが うるさすぎて
考えがまとまらなかったので、
残っててた干し肉 口に
突っ込んで黙らせる!
「俺様も素敵に歳を重ねてしまったからな!
パッと見 分からなくてもしかたないな!」
あ! さいしょ酒肉乱交
とか言ってた人だ!
……ころす?
「いやいやいや!
ほら、砦で会っただろ?」
「まさか、青年騎士……?」
「まあ元々、奴隷商人の若頭だがな」
「……ああ、勇者志望のキラキラ?」
「まあ、その夢は 才能とことん無かった
から諦めて、今は開放都市の
城主なんか やってるが」
「大出世じゃん!!」
ソフィアが口を挟んでくるが、
どうやら前に会った時より
だいぶ すごくなってるらしい?
……たしかに見た目、なんか偉そう!
「……?」
にしても、ライラを小屋から解放してから、
12年も経っていて、ソフィアと私
2人だけが時間の流れから取り
残されてたってことになる。
「どういうこと??」
「……? 魔王継承の儀式に時間がかかったんじゃないのか?
そもそもこの12年間、どこに行ってたんだ?
服装も当時のまま全然変わってないし、
儀式の間は、時間の流れが止まってるのか??」
「儀式の間…っwwwww」
「儀式の間…っッッッッ!」
あの両親達の実家ムリヤリ引き戻しイベントが
魔王継承の儀式だったとは、到底おもいたくない……。
こら! ソフィアちゃん
笑うのは止めんさい!
ほら! ライラさんが
怯えてるじゃない!
「うはは……っ!」
……と思ったら、喜び
に震えてたっぽい?
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「リンさま、わたしは あの日から、
魔王さまへの忠誠を誓ったんです!」
「なんで知ってるし……?」
いや、ライラは魔王が私でない別の
誰かだと信じてる可能性もあるし、
……そしたら今の返しは自意識
過剰に思われてしまうか??
「あの儀式の間で、喜びと苦しみを与えて いただき、
無知だった わたくしの魂の目は見開かれました!」
………。
……うん、
話は聞いた!
つまり あんなに極悪非道に振る舞えるのは
魔王的存在じゃないと出来ないに決まってるから、
ライラにとっての[ 私の魔王さま ]ってことで
いいじゃないかと落ち着いたらしい?
「ソフィア、あなた魔王だったの!?
ただの夢魔じゃなかったの……?」
……いや! このままだと誤解が広がって……!
―――でも、誤解でもないのか??
わたし自身が確証しきれてないから、
こんなに期待されても困る。
もし違ったら? けっきょく、失望
させてしまうんじゃないか?
バクバク。……不安が
ツツよぎる。
「わたしも自信ない。けど、リンネ家の10代目
当主は魔王継承権を手に入れるって、
あの信用できない母親が言ってた」
「で、リンは10代目当主になったんだ?」
「うん、たぶん……?」
「「「 おー! 」」」
なぜか聞き耳立ててた信者
さん達から歓声を浴びる!
……つか、ソフィア
おまえもかっ!
てか、私はそもそも伝説に出てくる
ような魔王の力を手に入れてるのか?
もしかして みんな、私のことを
過大評価しすぎてるんじゃないか……?
変わったことと言ったら頭の中で響く、優し
げな うさんくさいお姉さんの声だけだしー?
《うう…ひどいですっ!!》
ごめんごめん!
じゃあ、ちょっと あなたの本気教えてよ?
そうだなー? もしほんとに威力強くて
地上に被害が出てしまってはイヤなので……?
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ふわふわ♪
ぷかぷか♪
見上げた空には
遥か彼方に天空城、
雲の切れ間に浮かんでる。
じゃ、あれ落としてみてよ?
《対象を認識:ソロモンの小鍵――。
ふはは! ここら辺 安全っぽいので
ほんとに全力使ってしまいますよ?》
うわー!
おねーさん、地が出てる!
……うん、ぜんぜんかまわない。
おもう存分やっちゃって……??
「あぶないから、私から離れてね?」
「う……?」
キーーン!
拝んでる信者たちは150人くらい。
(なんか最初より増えてる……!)
攻撃の余波が及ばないように、
[ けっかい ]が張られる。
腕に捉えてたソフィアには
迂回の魔術回路を仕込む。
……よし、これで地上に
被害は出ないはずだ!
「リン……いったい
なにをして……?」
「《がああああああ
あああああああ!》」
ズゴゴゴゴゴゴゴ!!!
カラダの自由が秘書さんに乗っ取られ、
そうして私は、全力の極大魔法を放った!
―――そして、ハタ
と気を失ったのだ。




