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【34】
「ねえねえ、こないだの部活の件、保護者の人に聞いてくれた?」
翌日、帰りのHRが終わると、遙香が勝利の席に飛んできた。このまま部室まで連行する気マンマンに見える。
「いや、まだ……。それより、全然人数足りてないんだから、タケノコでも入れたらどうだ? 熱心に働くぞ」
遙香は一瞬タケノコの方を見ると、
「イヤよ。備品壊されたら困るし。だいたいあいつ写真なんか興味ないでしょ。友達とバイクとゲームの話ばっかしてるし」と一蹴。
「写真に興味ないの俺だって一緒だよ」
「はいはい、部室行きましょうね~」と言って、勝利の腕を引っぱり始めた。その手に乗るもんか。
「いやいやいや、入れるかわかんないからマジで。それよかこれから家行ってもいい?」
「えっ! あ、い、いいよ」
急な申し出に、遙香は驚いて目を丸くしている。
勝利と遙香は、帰りにちょっとコンビニに寄り、『夢のらせん階段』を買い食いした。最初に彼女と食べた時とは違う味がするのは何故だろう。
「おいしいね」と言って遙香が笑いかける。
至福。思わず目を細めてしまう。
それと同時に、近いうちに彼女と離ればなれになる運命を呪わずにはいられなかった。
――このまま、連れ去ってしまえたら。俺と同じ、教団の子どもになってくれたら。
願っても仕方のないことを、頭の中から追い散らす。
このまま死んでしまいたい。悲しみたくない。
そんなバカな考えすら浮かぶ。また、頭の中から追い散らす。
「どうしたの? さっきっからヘンな顔して。まだケガの具合よくないの?」
心配そうに顔を覗き込んでくる遙香。
(ちげえよ、お前のせいだよ)
そう思いながら、残りのソーセージをさっさと胃の腑に納めた。




