23 ひとりごと
【23・ひとりごと】
メシの後、俺達は一緒に登校した。
二人揃って歩いていると微妙に目立っている気はしたけど、俺にとってはどうでもいいことだった。いつでも転校生だから、目立つのには慣れている。
教室に入ると、タケノコがHR前になんか必死に俺に話しかけてたけど、ぜんぜん聞いてなかった。ぶっちゃけあんなヤツはどうでもいい。俺に駆除されないだけでも有り難く思えってんだ。
とにかく、ハルカと過ごすこの『特別な朝』を台無しにされたくなかった。
この、初めての『朝』を。
今朝は、本当にすごく普通で、すごく嬉しかった。すごく嬉しくて、胸が幸せでパンパンになるほど満ちあふれていた。
すごく嬉しかったから、――同じくらい悲しかった。
だから、明日は一人で登校しよう。
ハルカは怒るかな。明日も教会に来そうな気がするけど。
やっぱり、見殺しにすればよかったのかな。
そしたら俺、こんなに苦しくならなかったし、ヘマだってしなかった。
そんなのムリなのわかってるクセに。
でも俺、こんなに心が揺れてしまったら、もう何も出来なくなっちまう。
そしたら俺、いつか死ぬ。
俺だけじゃない。シスターベロニカも死なせるかもしれない。
俺が死んだら、この街が終わる。ハルカも終わる。
だから、
――ハルカに嫌われよう。そうしよう。
明日から。
今日は、今日までは、いいよね。




