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EP8:読み聞かせの夜:??年前

夜のはじめに舟をこぎ 月の女神はおりてくる


だれにも見えぬ白いひと やさしい子らを そっと撫でる


だれにも見えぬ白いひと やさしい子らを いまもまだ


かたれぬことばを胸に秘め みつめることしかかなわぬ掟



闇にうまれし もののこえ やさしき獣も すくいたい


月のひとみが それを見た ちいさな勇気に光を祝した


……夜のおわりに弓を持ち


ーーーー


焚き火の灯りが揺れる小さな村の集会所。

外はすっかり暗く、空には満月が輝いている。


おばあちゃんが膝に幼い孫を乗せて、優しい声で詩を読み聞かせている。

子供の目は詩の言葉に吸い込まれ、静かに世界に引き込まれていく。


「夜のはじめに舟をこぎ、月の女神はおりてくる……」


おばあちゃんは語り終えると、孫の髪を撫でながら、ふっとため息をついた。


「この詩はね、昔から村で伝わる言葉。見えないものたちが子供たちを守ってくれているんだよ」


子供はまだ幼く、意味はわからなくても、その温かさを感じている。


そして、詩の最後の一節をおばあちゃんが静かに繰り返した。


「…夜のおわりに弓を持ち」


この言葉が、村の人々の覚悟と希望を象徴しているのだった。


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