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岐阜城訪問

俺たちは藤吉郎に案内された道を通り兄上の部屋へと入る。俺と奇妙丸だけしか許可が下りていないのでその他は別室で休憩をと言われた。俺は唐箕の設計図と材料と丹羽さんの文だけを持って入室。奇妙丸は手ぶらであった。


「父上、お久しぶりです」


俺が頭を下げると奇妙丸も続く、


「お久しぶりです」


「堅苦しいのは抜きだ。何用だ?」


今は1567年だから……父上は34歳かな?にしても若いな。たくましいヒゲがあるのに怖い感じというより美しいという感じだ。


「私は父上への挨拶で」


奇妙丸はそう答える。


「私はこの度開発した農具の披露です。あと上洛の際の同行を許可してもらおうかと。あと丹羽殿から文でございます」


「新しい農具か……それにしても相変わらず抜け目のないやつだな……よかろう上洛の際の同行を許可する。丹羽と奇妙丸も許可する。清須は他のものに任せればよかろう」


父は愉快そうに笑う。そして俺が渡した設計図を凝視する。


「ほう……米の選別ができるのか」


「はい、作業の効率化が図れますし、それによる農民達のやる気にも繋がり結果的に年貢での収入と信頼という意味で利益が得られるかと」


「たしかにあの作業は見ているだけでも苛立つものよ。で?清須周辺では集金して一つの村につきひとつか。確かに格差が出なくて良いの。よくやった。早速他の領地でも試すよう言っておく」


父上は設計図を俺に返し、お茶をすする。


「して?太郎が持っているものを見る限り作ってくれるのか?」


「いくら父上といえど、設計図だけでは作れないと思いまして」


俺がニヤリと笑うと父はハハハと笑う。


「面白い!やって見せよ」


俺たちは庭に移動した。俺はそこで着々と作っていく。



「こうやって米を入れますと、籾と玄米、塵に分けられます」


俺は組み立てが終わると持ってきた米で実演してみせる。お値段なんと4万9,800円!おふざけが過ぎたかな?


「おお、見事だ!よしこれを量産するよう商人に命令しろ。これがうまくいけば褒美をやる。何か欲しいものを考えておけ」


「はい」



正直言って南蛮のものとか結構欲しかったりする。この体になって慣れてはきたんだけど椅子が欲しいんだよね。あと食べ物もそろそろ肉が食べたかったりする。今の日本で食べるなんて恐れ多いんだけど。

まぁ決まってからでいいだろう。



「最近はどうだ?何かあったか?」


俺と奇妙丸は父上と少し話しをすることにした。


「徳姫が嫁いで行ったのが少し寂しいですね。ね?兄上?」


「はい、寂しいですな」


信長はクスリと笑いそういえばと話を切り出す。


「大分前だがお主達には言ってなかったな。市が子を産んでな」


えっ?と驚いた。信長によるともう六歳らしい。一説には茶々は1569年生まれ。だから5歳となると1561年生まれ……俺とは五歳差となる。ちなみにお初もその三年後に生まれている。だがお江は史実通りになるのか?まだ生まれていないらしい。今年生まれてもおかしくないはずだが多分家光が生まれてこなくなる可能性高いからかな?


「その子を信継の正室にしようと思うている。確かに年上の方が心強いがこれでお主が織田一門であることに文句を言うものは誰もおるまい。名を茶々という。茶々とお主が婚姻関係にあれば浅井家との関係も一層深まる」


えっ!?茶々と結婚すんの!秀頼とかどうなっちゃうんだろう……結構大事だよ?それより年下か、ロリコンじゃないんだけどなぁ…。嬉しいけど。確か茶々てすごい美人なんだよね!まぁ俺が養子だからいいけど一応いとこ同士の結婚は良くないて言われてるんだけどね。まぁ血の繋がりはないからいいか。


「まあ婚姻自体は当分先のことだろうな。今度京に行くついでに寄っていこうと思っているしその時に顔を合わせれば良いだろう」



俺と奇妙丸は退室すると用意されている部屋へと向かった。それにしても同室とは父上も粋な計らいをするものだ。正直言って別々にすると思ったんだけどな。


「兄上は結婚決定ですか。徳が少し怒るのではないでしょうか?」


確かにこれにべっとりだった徳だが信康と結婚するわけだし……ね?


「流石の徳も夫がおるのだ。いつまでも兄ばかりを好きでいるわけがなかろう」


それにしても父上と会うといつも奇想天外なこと言われて疲れるな。いきなりの婚姻仮定はびっくりしたよ。


確かに俺を一門と呼ぶ父や兄弟からしてそれを認めようとしない家臣は目障りだろう。だからこそ織田の血を引くものと結婚させる。けど5歳下か……



まあいいや……上洛の同行と唐箕の量産の二つの利益があったし帰るとするか。まあ3日は帰れないだけどね。


奇妙丸とともにとこにつき休むことにする。夕飯まで休憩的な?この時代の寝床は寝心地が悪い。いつか布団とか作りたいな。


そんな思いを胸に睡魔に理性を奪われ、意識を夢の世界へと飛ばした。


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