農具開発②
主人公の元服後の名前を織田帯刀信正て思ってた人が結構いるようなんですが彼は庶子でして実子です。しかもここまで待遇が良かったとは残っていないので別人ですよ
「じゃあ弥太郎、作った唐箕に千歯こきで脱穀したこれを入れて取っ手を回してみてごらん。久兵衛と勘助は弥太郎がやったのをみてからやってみてね」
「はい、それでは……」
弥太郎が米を入れ、取っ手を回す。その周りを囲むようにして久兵衛と勘助がみている。少し陽が落ちてきて暗い。多分5時30分くらい。これ完成したら父上のところにもっていくか。その時上洛する時同行してもらえるように言おう。奇妙丸と一緒に行くかどうかだな。丹羽さんに城任せて行くか。あと弥太郎たちも連れて行くか。まぁこれが完成しないといけないんだけどね。
「おお、しっかりと分別されました!!」
俺が近付いて覗くと籾殻と玄米には別れたが塵は玄米と一緒に出てきた。あれ?軽さと重さで分別されるはずなのに。
「うーん……あっそうか!経路をしっかりと設定しないといけないんじゃん!よし作り直しだ!これだと塵と玄米が一緒だから意味ないよ」
弥太郎達はえーと声を上げる。ごめんね、俺がしっかりと設計しておけば二度手間にならないものを。
「ここで仕切ってくれ。で出口をここにも設置。うん、そうそう」
何気に俺の家来有能ていうか器用だよね。そつなくこなす感じ。
「おおできたな!ではもう一度」
ちょっと改修するだけでよかったのですぐに終わり再び米を入れると、今度はしっかりと籾殻、玄米、塵と別れた。弥太郎達の目がキラキラ光り輝いている。
「よしじゃあ今日はこれくらいにしようて言いたいんだけどこれ置いとくと盗まれて利用されるかもしれないから、久兵衛!急いで奇妙丸呼んできてくれ。俺たちが作ったと知らせて、父上のところに行く予定をたてるぞ。幸い父上はここの領地のことは余程のことでなければ任せると言っている。だからここで量産する。であっちに持って行くのは材料であちらで組み立てる方が良いだろう」
長々話したけどつまりは「横取り」されないように奇妙丸にみせて農民の好感度上げるぞ!てことだよ。
「おお、兄上!もうできたのですね!」
奇妙丸はまだご飯を食べる前だったらしく直ぐきてくれた。
「はい。私はこれを持って父上の元を訪ねようと思います。金の集まり具合はどうですか?」
「そうですか。私もちょうど用事があったので一緒に行きましょうか。集金の方は順調です。千歯こきの時楽になったので今回も進んでお金を出してくれています」
清須城周辺の村の殆どが既に金を提出したらしい。まぁ値段も利益が上がるギリギリを攻めたし、作るのも三人で3個作れるから人件費も少ないし結構セーブできている。
「そうですか。なら明日から必要な分を作って配布しましょう。それが終わったら共に岐阜へと向かいましょう。私は尾張の外から出るのは初めてなんですよね」
「私も記憶にある限りでは殆どないです」
「じゃあ食事にしましょう。兄上の分も用意しろ」
翌日の朝から家来達15人で唐箕を作らした。結構スムーズに作業は進み6時から始めた作業は10時には終了した。えっ?なんでこんなにはやいかって?登城とともに作業開始だったからだよ。ちなみに俺はいつも4時には起きて鍛錬をしている。夜日が落ちるのがはやく、登るのも遅くない。というわけで夜早く寝て、はやく起きる。早起きは三文の徳。鍛錬を積み重ねていつか戦で活躍するんだ!
「兄上集金も終わりました。兄上の信頼が厚い証拠ですな」
まあ弥太郎にお願いしたんだけどね。便利だよ!て噂を伝えてもらったの。早速世渡り上手の力発揮です。
「じゃあ配布しようか。よし力自慢!壊さないように運べよ!最低でも2人で持て!」
俺が大声で奇妙丸の家来に伝えると丹羽さんが詳細を追加する。
「先程命令した通りの村に配り帰ってくるように。寄り道はするなよ」
真剣な表情でいうあたり満面の笑みで伝えた俺とは天地の差があるなと実感する。30歳の彼だけど結構若いしイケメンなんだよな。仕事できるし本当に万能だよね。
「丹羽殿、私数日間岐阜にいこうと思うているのですが、留守番を頼めませんか?」
家来達が全員出て行くと俺は丹羽さんに近づき頼みごとをする。一応言っておかないとね。
「かしこまりました。若君も同行するのですか?」
若君とは奇妙丸を指すのであろう。
「はい、父上と母上に報告しておこうと思いまして。ついでに上洛の同行も頼んできますね」
「では私の同行を希望する文を書いたので持って行ってもらえますかな?」
「お安いご用ですよ。他にお伝えすることはありますかな?」
丹羽さんは文を渡すと頭を抱えて悩む。少し経つと顔が明るくなり声を出す。
「殿に若君は良くやっていると言っておいてください。こういうことは口で言った方が残りますからね」
主君思いなんだななんて思いながらかしこまりましたと返事をして自室へと戻る。
とりあえず唐箕の材料は弥太郎達に持ってもらおう。で服は着物と正装と、護身用の太刀と非常食。
「これだけでいいかな?どうせあっちで用意してくれるんだし。あっあと父上のところに使いを出さなければ。何も言わずに行ったら怒られるじゃ済まないや」
戦国にきてからはじめての県外。楽しみだなと胸を躍らせながら日々が経つのを待った。
「兄上、大きいですね、岐阜城!」
奇妙丸と俺は岐阜城前に着くと門へと向かうことにし、馬をゆっくり歩かせた。家来達が20人同行している。俺の家来三人ももちろん連れてきている。弥太郎に唐箕の材料の大方を持ってもらい、勘助が残りを、久兵衛が俺の荷物を運んでいる。
奇妙丸が門番と交渉して中に入ると猿がいた。
「お、藤吉郎じゃないか」
俺が声を上げると藤吉郎はニカリと笑う。猿というかネズミだなこいつ。
「奇妙丸様、太郎様お待ちしておりました!こちらです」
久しぶりにあった藤吉郎は少しいい服を着ているような気がした。




