25話『君の部屋が見たい』
ストックに追いついてしまったので、更新速度がおちます。
もっと、小分けに出せばよかった・・・。
「そういえば、エミリア嬢の部屋は見せてはくれないのか?」
寮の案内が終わったと同時に、不意に魔王ベリアル様が聞いてきた。
「「「は……?」」」
とは、ベリアル様以外の声である。もちろん私の声も重なっている。
「あの、ベリアル殿下。殿下は、婚姻前の女性の部屋を
不用意に覗いてはいけないことを理解していますか?」
おおぅ……。
寮長ちょっと、おこだね。
「女性の部屋を覗きたいわけじゃない。エミリア嬢の部屋が見たいんだ!」
何言ってんだこいつ?
という目線を受けても、
空気が読めない魔王様はこちらにキラキラした目を向ける。
「それに、私は今からエミリア嬢に部屋へ招待されるのだ」
何その自信。ドヤ顔で言ってもダメですよー。
「お断りします」「ベリアル様、ダメです」「殿下……」
さまざまな声が重なった。
私は呆れて、ポアソン君は焦りながら、寮長はがっかりされてる。
というか、ベリアル様がちょっとアホの子に思えてきたのは何でだろう?
「なぜだ?!」
断られると思ってなかったのだろう。しょんぼりされてしまった。
「まず、目的は何ですか?」
「護衛のためだ!」(さようですか。)
ぜんっぜん、信用ならない表情で言われても困る。
わくわく、うずうず、しっぱなしですよベリアル様。子犬ですか?
「エミリア様、きっと、結界を張るためじゃないですか?」
と耳打ちをしてくれたのはポアソン君だ。
なるほど。結界か。なら部屋を見せるのは、やぶさかではない。
「わかりました。ご案内しましょう」
私が許したのなら、文句はないと言った表情で寮長は頷いた。
部屋の前まで来たら、寮長は持ち場へと帰って行った。
私の部屋は、2階の真ん中にある。
右隣はマリエラの部屋で、左隣はレヴァンヌ・ホットネン伯爵令嬢の部屋だ。
ゲームでのレヴァンヌは、ヒロインと同室のお友達ポジションの
下級貴族の寮だったのだが、現実ではお父様の功績で陞爵されて、
上流貴族の仲間入りだ!お部屋もお隣になった。
クラスも私と同じで、クラスの違うナナリーとは面識はない。
部屋の中には、屋敷から連れて来た私専属の侍女が2人いる。
カーラとメーデだ。
2人とも19歳で私は姉のように思って接している。
ストレートの黒髪をポニーテールにしているのがカーラ。
茶髪のくりっくりのクセ毛とソバカスが特徴なのがメーデだ。
部屋に帰ってきた私に、かいがいしく世話を焼いてくれる。
完璧で優秀な侍女たちだわ。
とりあえず、お互いに自己紹介させ合った。
部屋の中をうろうろするベリアル様は星霊魔法を発動させるために、
廊下に出るようにと私と侍女に言った。
「お願いですから、タンスなど物色しないで下さいね!」
「わかっている。何を心配しているのだ?エミリア嬢は」
「僕がしっかり、ベリアル様を見張っておくので!」
ポアソン君を信じて、廊下に出た。
しばらくして、扉を開けたポアソン君に招かれた。
しょっぱい表情のポアソン君に「ん?」となった。嫌な予感のフラグかな?
「魔法の説明をするから、侍女達も一緒に聞きたまえ」
魔法の内容はアラートと言って、この部屋に決まった人以外が進入すると
ベリアル様に伝わるようになっていた。
「この決まった人」と言うのは、侍女達と私、ポアソン君にベリアル様だ。
あとは、私やベリアル様と同伴者のみ反応しないなど、細かく設定が
されているようだった。
ベリアル様の説明中、私はあるものを発見した。
それは、私がベリアル様を召喚したときと似たような模様の魔法陣だ。
それも、マンホールくらいの大きさでコンパクトだった。
それが、部屋の左端にある本棚の前の床に焼き入れられている。
床はもちろん、木の板である。
絨毯がちょうど無い場所にあるそれを私は見つめながら
ベリアル様に、問いかけた。
「ベリアル様、あの魔法陣はいったい何の用途があるのでしょうか?」
まってました!と言わんばかりのドヤ顔をしたベリアル様は言い放った。
「あれは、私の部屋とエミリア嬢の部屋を繋ぐ簡易魔法陣だ」
……ええええええええ。 フ・ラ・グ・回・収!
ちょ。ちょ。あきまへんよ!何してくれはりますのん。魔王様。
呆れと驚きで、変な関西弁?が出てしまった。
「これで、いつでも会えるな!」
会えるな!じゃねーよ。
いい笑顔で言い放った魔王ベリアル様に、私は絶句した。
侍女たちは、規格外な現象に驚きすぎて、立ったまま気絶してるんでない?
てゆーか、私のプライベート時間ってあるのだろうか……?
ありがとうございました。
補足
魔王様は天然が入っています。




