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兄弟が入って来たが足が止まった。
仲間の1人がヤリで兄を突き刺した。
タダシは声にならない奇声を上げて弟に向かった。他の仲間も叫び声をあげて飛びかかる。
タダシ達は、おぞましい姿だった。狂ってるとしか言いようのない格好。
後ろに居た1人が逃げ出すと誰も彼もが逃げ始めた。甘く見ていたのか武器を持ってる敵は見かけなかった。
逃げた背中を仲間が次々と刺していく。
階段ではノブちんが降りて行く敵にぶつかるように飛びかかった。
ノブちん共々階段を転げ落ちる。
ノブちんはすぐさま立ち上がると倒れた敵を片っ端から刺していく。
タダシもどこかしこ構わずナイフを振り回す。
1階に降りた時には腕の筋肉が痙攣してナイフを落とした。後ろから誰かに蹴られる。
転がったまま振り返ると、蹴った相手はマァちゃんが背中越しから喉元にナイフを突き刺していた。
[逃げたヤツがまだ居るぞ]
マァちゃんは怒鳴った。がタダシにはマァちゃんの声がやけに遠くから聞こえた。
タダシは慌ててナイフを拾い上げ校庭に走った。
マァちゃんの[バラバラになったらダメだ]の声は届かなかった。
無我夢中だったタダシは、動かないセイちゃんの姿を見て我に返った。校舎を振り返る。が校庭には味方も敵も居ない。
喉が渇いて焼けるように痛かった。
蛇口から水を飲む。
仲間の事をやっと思い出した。痛くなってきた足を我慢して走り戻る。
床にはたくさんのノーマン。呻き声を上げたり、逃げだそうとするヤツを全て首筋めがけてナイフを突き刺す。