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タダシ達は誰も殺したくないので殺さず、でも手にも負えないので、隣の部屋に入れて面倒を見なくなった。
死体には慣れているが糞尿だけは水で流すにも、最上階では水は出なく拭く物もない。
死体は片付けていたが、最上階は糞尿でノーマンが住む場所ではなくなった。
そのうち、病気が慢性し始めてタダシ達グループからついに病人が出始めた。
足立も高熱と嘔吐、下痢が続き、日々弱まっていた。
下の階に足立達病人を降ろそうとするも、俺達を病気にさせるつもりか。と冷たく断られ威嚇された。更に下で病気にかかった人をコッソリと最上階に置かれてく。
足立が死んだ。元気なのはタダシ含めてたったの8人になった。
その8人のうち、新しく入った2人は兄弟の元へ行った。
その1人が身体中、アザだらけになって帰って来て、高熱を出し泣きながら死んだ。もう1人は殴り殺されたらしい。
タダシ達の我慢は限界だった。どうやって殺そうかを考え始める。がボンゴワラの時とは違い油断して殺す事は難しい。まして相手はボクシングをしている。
それに6人しか居ないし、1人は病気。いい案は1つも出なかった。
フードサプリが届く日だけ外に降りられる。しかも1人だけ。残りの5人は階段から降りる事を許されなかった。特にタダシは絶対にダメだった。
また1人病気にかかった。最初から居たセイちゃんだ。真っ青な顔に汗が止まらなく流れていた。
フードサプリを取りに行く。とセイちゃんは立ち上がって言った。
[ナイフをちょうだい]とも言った。相討ち覚悟で殺すつもりだろう。
でも一人で全員は殺せない。当然兄弟達に何かあったらタダシ達もタダでは済まされない。
それでもタダシは一番切れるナイフを渡した。誰もタダシとセイちゃんに何も言えなかった。
フラフラしながらセイちゃんは階段を降りて行った。タダシ達は急いで窓へ行き校庭を覗く。