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何回も洗ったのだが、3日間は誰もどこかしこに血がこびりついていた。
あれから各グループ同士が争う事も集まる事も無かった。また以前のようにバラバラのグループでそれぞれひっそりと過ごしている。
タダシ達は、職員室の隣にある保護者が会う部屋で過ごすようになった。一番楽な一階で窓のない温かい部屋だったが、どこからも文句は来なかった。
そろそろ物資が届く頃、5、6人がタダシ達の元へ話をしに来た。
結局、タダシ達以外のノーマン達は、ほとんど一つのグループになったのだ。総勢47人。
そして、もう、あのような事にはなりたくない。と言い、新しく来たノーマン達を任せたいと言った。
つまり、新しく来たノーマンの中に乱暴なノーマンが居たらなんとかしてくれ。という事だった。
タダシと足立は色々話し合ったが、全てはこうちゃん次第だった。
こうちゃんはよく分かっていないのか、軽い気持ちで、うん。いいよ。と返事をした。
乱暴かどうか危険かどうかは全員で決める事になった。
この地区で一番幸せなのは、多分こうちゃんかもしれない。
タダシ達と遊んでるこうちゃんは、大人しいが、誰かを解体するとなると表情はもちろん、雰囲気もガラリと変わった。
こうちゃんは、殺す快感よりも解体したいのだ。より細かく、よく詳しく。
タダシ達は、こうちゃんとの距離を置くのは友達としてどうなのだろうと思い、こうちゃんが解体してる間は、4人そばで、こうちゃんをずっと見守った。
周りのグループは、こうちゃん達のグループをますます怖がった。さながら狂った魔術をしているみたいだった。それでも誰も嫌な顔や悪口、文句を言わない。