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ノーマン物語-サバイバル刑務所  作者: じゃむ
プロローグ
134/153

.9

運動場の片隅で眠りにつく前に、誰ともなく自分が殺した時の事を話し出した。


今しか言えない内容でもあった。

平和な時。正常な時ではとても言えなかった話。

今言わなければ、二度と言えないような思い出だった。


5人のうち4人はタダシと同じだった。

虐待に耐えられず親を殺した。


違っていたのは唯一こうちゃんだった。

小さい頃から昆虫採集と標本作りが好きで、小学校1年の時には動物を殺し始めた。鳥や猫や犬を。


ある日、誰も来ない川原の藪の中で犬を殺しているのを浮浪者に見られた。


こうちゃんの手にはカマを持っていた。


逃げ出そうとする浮浪者の首めがけてカマを振り落とした。


そんな話をこうちゃんは淡々と話した。


[どんな気持ちだったの?]

誰かの問いにこうちゃんは

[分かんない。でも死ねばアリも犬も人も同じなんだと思った]


それはタダシも納得いった。


[そうなんだ。死ねばただの肉の塊なんだ]

誰もが反論しなかった。

皆も同じ気持ちだった。


死ねばただ人間の形をした肉。重たいマネキンと変わらない。

タダシはそう思った。その時、皆の気持ちと一緒になった気がした。

皆、どうやってアイツらを殺すか考えたに違いない。


[どうやって皆を殺すか?]

足立が呟いた。


誰もが反対はしなかった。


殺すのは当たり前だった。

どうやって殺すかが問題だった。

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