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次の日も次の日も、タダシ達は穴を掘る。
日が経つに連れて掘る穴は少なくなっていく。
死ぬノーマンの数が減ってきたという事だ。
100人近い遺体を運び、埋めたタダシ達5人は、感情がある意味麻痺していた。
殴打されてぐちゃぐちゃな顔の死体を見ても、なんとも思わなかった。
お腹から内蔵がこぼれてる男がかすかに息をしていたが、そのまま埋めた。
手足に着いた生臭い血も気にならない。
一番若いノーマンのこうちゃん…9歳。
小学校でいえば2年生。
身体は2年生の割りに体格は小さく、いつもオドオドとしていた。あまり喋らず、大人しかった。本名は石川コウジ。
こうちゃんですら吐く事も愚痴も言わない。
誰もがこうちゃんが、殺人を犯したなんて信じられなかった。
だがノーマンになったという事は、必ず人を殺した。という事だ。
人は見かけによらない。