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その夜中に校舎から火の手があがった。
誰もが校庭に出るも、何もする事がなく立っているだけだった。
タダシ達も、他の人同様、外で眠れない夜を過ごした。
朝方には火は消えたが、食料だけでなく住処も奪い合う一つに、加わった。
タダシ達が座ってる鉄棒の場所に棒を持った男達が数人来た。
[お前ら、死人を外に運び出せ]
校舎の窓からはまだ黒い煙が出ている。
[返事はどうしたぁ?殺すぞ]
違う男が近づき怒鳴った。
[な、なんで僕達が]
陽一君が震えた声で言った。
[はい。死刑]
とその男は陽一君の横顔めがけて思い切り棒を振った。