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ノーマン物語-サバイバル刑務所  作者: じゃむ
プロローグ
105/153

.22

幸いにも今夜は月が出てない暗闇。


サミーの粗末な小屋。小屋の中のさらに粗末なベッドに、気配を殺してダニエルと彼は近付いた。かすかに聞こえるイビキの声。

だが二人共ベッドを素通りする。

盛り上がったベッドの脇を通る時にダニエルは剣で布団をめくる。

布団の中はワラしかなかった。サミーは違う場所で寝てるのを前もって彼から聞かされていた。


サミーは体が地面に半分入る穴の中で窮屈そうに寝ていた。


彼は振り返りダニエルの顔を見た。ダニエルは指で自分の心臓を指し、口に出さずに言った。

心臓を狙え。と。


彼はゆっくり頷いた。


ダニエルは静かに、だが素早く退く。

彼はサミーを殺す為に集中している。


サミーの断末魔が聞こえた時にはダニエルは入り口にいた。同時に大声をあげた。

[おい。殺人が起きたぞ]

それから一目散に駆け出し隠れた。

野次馬が灯りと共にサミーのいる小屋に駆け寄り、しばらくして屈強な一級戦士が斧を片手に、野次馬をかき分け小屋に入り、羽交い締めにした彼と共に再び外に現れた。


彼は[サミーが裏切ったんだ。だから復讐してやったんだ。ざまぁみろ]

と叫びながら引きづられていかれた。


翌日の闘いはダニエルもドッグも不戦勝で生き延びた。

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