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プロローグ

初めまして有機鈴凛トマチンです。

字書き初心者なので違和感などあれば言ってもらえたら嬉しいです。

よろしくお願い致します。


※当作はAI学習の素材としての利用、無断使用等の行為を一切禁止させて頂きます。


追加

2026年7月16日プロローグ内容変更いたしました。



 その日私は実家を出る事にした。

 権利も待遇も最悪なこの家を——




 名門氷宮家(ひみやけ)


 大陸から離れた島国華都国(カイト)の辺境の村に住まう雪女の血を引く一族の本家。


 私氷宮 涼香(ひみや すずか)はそこで生まれた。


 氷宮家は代々雪女の力をより強力に引く直系の姫を当主に選ぶ事で繁栄してきた。

 しかし先代当主である氷宮 六花(ひみや りっか)は長年姫を授かれずにいた。

 だがそんな悲願を叶えるかの様に私は生まれた。


 しかし一族の皆は私が生まれた事を喜ぶどころか家を継がせる事を猛反対した。


 理由は私の生まれ持った髪色だった。

 氷宮の血筋の者達は皆白か銀色の髪をしていた。

 だが私の髪は生まれつき黒かった。


 そのせいで私は一族の皆から異端児として扱われ虐げられ幼少を過ごした。


 そんな私が十歳になる年、氷宮家とゆかりのある家同士で見合いをする事になった。

 それは私と同じく雪女の血を引く村で二番目に力のある一族、冬村家の嫡男である冬村豪雪との縁談だった。

 この時の私はもしかするとこんな自分でも受け入れてくれるかもしれないと淡い期待をしていた。


 だがそんな淡い期待は顔合わせの日に砕け散った。


 顔合わせもひと段落し家の者達が離れ二人きりになった時に事件は起きた。

 大人が出て行き人目が無い事を確認すると豪雪の態度が変わる。


「キャッ! 何をするんですか!?」


 私は髪を引っ張られ咄嗟に頭を抑える。

 すると豪雪は私の髪を強引に引き顔を覗き込む。


「雪女の血筋の者との縁談と聞いていたが……これの何処が雪女の直系なんだ? こんな小娘を養子に迎える程に氷宮の家は女児に恵まれなかったんだな、哀れな事だ」


「離して……!」


 豪雪は私を頭から足先まで見て鼻で笑った。


「しかし髪も黒いうえに肉付きも悪い……こんな醜女(しこめ)(つが)わされるなんて氷宮の者達は僕のことを相当舐めているらしい」


 そう言うと豪雪は掴んでいた髪を離した。

 途端私の身体は床に崩れ落ちる。


「さっさと起き上がれ愚図、そんな風にされるとこっちが悪者みたいじゃないか」


「……っ」


 豪雪の冷淡な視線が私を見下ろす。

 私は悔しさと怒りを抑え身体を起こした。


「勘違いしない様に釘を刺しておく、僕は君を正妻として迎える気はない。これから君は僕の妻ではなく僕の子供を産むだけの道具(・・)になるんだ、君と対等な立場だなんて考えただけで虫唾が走るからね」


「……」


 そう言い放つ豪雪の視線はとても冷ややかで、その表情は我々の先祖である雪女を彷彿とさせた。

 そうして話はとんとん拍子に進み私は豪雪と家同士の契約の様な婚約をしたのだった。


 だが婚約から三年が経った頃、敷かれた道を歩むだけだった私の人生は終わりを迎えた。


 私の叔父である氷高(ひだか)と愛人である雪奈との間に白髪の女児が生まれたのだ。

 その女児は小雪と名付けられ、私とは正反対に宝物の様に大切に扱われた。


 そして小雪が生まれて直ぐ豪雪は私との婚約を破棄し小雪と再び婚約をするという内容の文を一方的に送りつけてきた。

 納得のいかない私は冬村の屋敷へ行き豪雪に直接問いただした。

 だが豪雪は私の言葉に聞く耳など持ってはくれなかった。


「五月蝿いなぁ、大体お前がこの婚約に意見する資格なんてないんだよ。だって正当な氷宮家の後継者は紛い物のお前なんかではなく小雪なんだから僕が真に番うべきは小雪なんだ!」


 すると豪雪は突如私の腕を乱暴に掴むと私を門の外へと叩き出す。


「だからもうお前は邪魔なんだ、だから分かったらさっさと僕の前から消え失せろ! そして僕の前に二度と顔を見せるな!」


 豪雪はそう吐き捨てると家の重厚な門を閉めてしまった。

 そうして私はその日豪雪に手酷く捨てられた。


「私は何をしているんだろう……」


 最初からあの男は私のことなんてちっとも眼中に無かったのだ。

 豪雪が真の意味で夢中だったのはこの村一番の権力を持つ氷宮家当主の夫という立場だったのだ。


 私が誰からも歓迎されない邪魔者というのはよく理解していた筈なのに、さっきからずっと胸が張り裂けそうな程に苦しかった。


(こんなにも苦しくて、悔しくて、嫌な思いをしてしまうくらいなら……もう何も要らない———)


私の中の何かが音を立てて崩れていく。


「もう私は何者も信じたりなどしない……」



 この日、私の心は完全に凍てついてしまった。 

 何者も寄せ付けない氷の檻に自分の心を仕舞い込んで——



『だからこれからよろしく頼むよ、涼香(・・)



 だがこの時の私は知らなかった。

 後に出会う人ならざる者によって私の凍てついた心が溶かされていくことを——





to be continued……

ここまで読んでくださりありがとうございます。

よければ本編も楽しんでいってください。

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― 新着の感想 ―
とても面白い設定だなと思いました。 私としては主人公が雪女の血を引いている家系というのが良いなと思います。 ちょっと気になったのは、「」の中で段落を分けていることと、セリフとセリフの間に改行がないこ…
黒髪というだけで一族から冷遇され、豪雪からも酷い言葉を浴びせられる涼香の境遇が辛く、冒頭から引き込まれました。 特に「もう私は何者も信じたりなどしない」という言葉が印象的でした。完全に凍てついてしま…
設定から面白くて この先を楽しみに読ませていただきます! 涼香ちゃんが幸せになるのワクワクしながら読ませてただきます!
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