女子力
気の強い林ユーコ。
この時ばかりは恥ずかしそうな顔した。
取り敢えず俺は。
パーカーを脱ぎ。彼女に渡した。
「取り敢えず。これ着て」
「ほら、早く」
「毛玉だらけで別の意味で恥ずいだろーけど、、」
ウチは母子家庭で兄弟多い。
子沢山の貧乏家庭だからな。
そんな、いい服とか着ることできなかったんだ。
「ありがと...いつも馬鹿にしてからかってるのに私のこと、助けてくれるんだ...」
「ざまぁ...って思わないんだ?」
「ほっとこーって思わないんだ?」
「だれかが困った時は助けなきゃだめだろ、
人としてさ」
「...Tシャツ一枚じゃ寒くない?」
「あー、多分大丈夫、、」
ちょい寒かったけど。
俺は心配させまいと、嘘をついた。
あーあ、余計なことを。
そんなセリフが男性乗客諸君から聞こえてきそうだった。何しろ俺、何人かから、露骨に睨まれたから。
やがて。
俺らが通う、高校最寄りの駅に到着し、俺も林さんも電車から降りた。
駅のホームに向かう前に、
俺は彼女をベンチに座らせ、
ボタンを付けてあげた。
付けてあげたといっても。
俺、童貞ゆえ、馬鹿みたいに心臓バクバク。
その、
胸に触れるか触れないかの、
微妙なラインを行ったりきたりして、
なんとか付けた。
「こ、これでよし...」
「女子力高いのね...!!!」
男の癖に針と糸セットを常時。なにかあったときのために持ってる俺。
ま、一応、母さんは働きっ通しで、
家のことは俺がやってて、
家庭科は、自慢じゃないが成績は
中学のときも、高校一年の今も、
5だった。
俺はパーカーを返してもらった。
やっぱり寒いからね。
季節はいま、ちょうど夏の終わり。
Tシャツだけじゃ、肌寒い。
それに、イケイケの女の子に
着古したパーカーを着せておくなんて、
なんか、申し訳ないし。
俺は。
やるべきことはやったと思うし。
だから。
「じゃ、学校で会おう!」
それだけ言って、駅の改札口に向かおうとした。
だけどな。どうしたことか、右手首を掴まれたんだ。
「待ってよ...!一緒に登校しようよ、
山吹くん」
★★★★...。
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