第百十四話 鍛冶仕事一日目 お昼休憩 (後編)
また更新しました。いつも読んでくれている人も、そうでない人も最後まで楽しんでくれたら嬉しいです。
そしてヘパイストスが風呂に入りに行ってから五十分程経った時、白夜はずっと読んでいた本を読み終わったのか閉じて少し疲れたように一息ついて時計を確認しながら話し出した。
「ふぅ~面白かった。さてっと、あいつまだ入ってるのか…まぁ女の風呂は長いからなぁ~夜空達も風呂長かったからそれはいいんだが、さてもう少し暇をつぶすかだな…」
白夜はそう言うとボーっとした様子で真上を見上げながら考え始めた。
それから少しして考えるのに疲れたのか白夜はだるそうにアイテムボックスから先ほどとは違う本を出してそれを読み始めたのだった。
それから更に三十分程経った時ようやく風呂から上がったのヘパイストスがゆっくりと部屋へと入って来た。
それを横目に確認した白夜は本を閉じてアイテムボックスに入れると、ゆっくりと立ち上がり話し出した。
「おかえり、風呂は気持ちよかったか?」
白夜が優し気な笑みを浮かべながらそう聞くと、ヘパイストスは少し頬を赤くしながらゆっくりと話し出した。
「…ん、さっぱりした…」
いつもより若干声を弾ませるようにヘパイストスはそう答えた。
それを聞いて白夜は満足そうに頷き、その後二人は椅子に座りこの後の予定に着いて話し合いを始めた。
「さて、まずはこの後の事だが二つ選択肢がある。一つ目は先ほどと同じように鉄とかで剣を作って練習すると言うもの、二つ目はミスリルやオリハルコンなどの魔法金属を使って剣などを作ってみる事だな。まず一つ目だがこれはまぁ単純に鍛冶のスキルアップのためだな、次に二つ目のだがこれはまぁ午前中の鉄などでやった時にそこそこの成果が出たからな、次はその上の魔法金属を加工してできた物の性能を知りたいって言うのが理由だな。
それでこの二つだったらどっちがいい?」
白夜は一気にそう説明し最後に確認のために質問した。
それを聞いてヘパイストスは少し考えてからゆっくりと答えた。
「…ん、分かった。…その二つなら、二つ目の方をやりたい…」
ヘパイストスは少しワクワクしたように目を若干輝かせながらそう言った。
その様子を見て白夜は優し気な笑みを浮かべながら話し出した。
「ハハハ!そうかそれじゃぁ~そうするか‼さて、そうと決まればこれからのためにもう少し休むとするかな」
白夜はそう言うと勢いをつけて飛び上がるように椅子から立ち上がった。
そのいきなりの行動にヘパイストスは驚いたようで体をビクッ!と跳ねさせていた。
その様子を見て白夜は少し気まずそうに苦笑いを浮かべるとゆっくりと話し出した。
「ははは、いやぁー今のはわるかった驚かせちゃったみたいだな。まぁそれより俺はこれから三時間ぐらい寝て来るから、お前も好きにしな~」
白夜はそう言うと手をひらひらと振ってどっかへと歩いて行った。
ヘパイストスはそれを見送った後、その場で少し暇そうにしながらそのまま座っていた。
しかしすぐにその場に居ても仕方ないと思ったようで、ゆっくりと椅子から立つとそのまま何処かへと向かって行った。
それから三時間以上経った時、自分の部屋を再現した部屋で眠っていた白夜はまだ眠そうに眼を擦りながらゆっくりと起き上がっていた。
「ふぁぁぁ~~、う~ん…眠い……。ダメダメ!ちゃんと起きないと、ふあぁぁ~‼よし‼起きよう」
白夜は少し無理やりに自分に気合を入れると勢いよく起き上がった。
そして起き上がった白夜は体を解すように柔軟を始めた。
「ん、ん、んっとあぁ~やっぱり寝起きは体が硬いな。まぁ仕方ないか、それよりもさっさと起きて鍛冶仕事再開するかな!」
白夜はある程度の柔軟を終わらせた白夜は元気よくそう言うと、タンスの中に入っていた作業着を取り出してそれに着替えた。
着替え終わった白夜は満足そうに頷き、部屋を出て行った。
それから部屋を出た白夜はそのまま洗面所に行き顔を洗い、さっぱりした後リビングへと向かって行った。
そしてリビングに入った白夜は風呂上がりの時と同じようにその場で立ち尽くしていた。
何故ならリビングでは寝る前に座った席に姿勢を正してヘパイストスが座っていたからだ、その表情はやはり無表情で人形のようだった。
それを確認した白夜は少し恐怖したように思わずと言った感じで一歩下がってしまったが、すぐにそれを切り替えて内心を表に出さないようにしながら話し出した。
「あ、あぁえっと、お前もしかしてずっとそこにいたのか?」
白夜は必死に内心を隠しながらそう言った。
それを聞いてヘパイストスはすぐに首を横に振りながら答えた。
「…違う、少し前までもう一回お風呂入ってた…その後は寝てた…」
ヘパイストスは少し恥ずかしそうにしながら説明した。
それを聞いて白夜は少し安心したように胸を撫で下ろしながらゆっくりと話し出した。
「ふぅ~そうだったのか、悪いなもしかして待たせていたのかと思ってなそう言う訳じゃ無いんだったらいいんだ…」
白夜は安心したように一息つきながらそう言った。
その様子を見てヘパイストスはなぜそこまで緊張しているのかが分からず、不思議そうに首をかしげていた。
そして聞きたかったことを聞いて安心した白夜は、ようやく落ち着いたようでゆっくりと本題を始めた。
「さて、それじゃぁ本題だがさっき話し合ったように午後からはミスリルやオリハルコンなどの魔法金属を武器なんかに加工して行く、って事で良いんだよな?」
白夜は確認のために少し首をかしげながらそう聞いた。
聞かれたヘパイストスは少し考えてからゆっくりと答えた。
「…ん、それでいい…まだ腕が足りないかもしれない、けどやりたい…」
ヘパイストスは少し自信無さげにしながも、やる気に満ちた目でそう言った。
その様子を見て白夜は少し嬉しそうに笑みを浮かべ、満足そうに頷きながら話し出した。
「うん!うん!確かにまだ腕前は足りないだろうけど将来性は圧倒的にお前の方が上だ。さらにそんだけやる気があるんだったらすぐに俺に迫るレベルで作れるようになれるだろうさ。だから、そこまで自分を卑下するもんじゃないぞ?」
白夜はヘパイストスの前まで行き、少し励ますようにそう言いながら自然な動作で頭を撫でていた。
撫でられているヘパイストスは恥ずかしそうにうつむきながらも、何処か嬉しそうに頬を赤くしていた。
そしてヘパイストスが頬を赤く染めだしたところで、ようやく白夜は自分のしていることに気が付いたようで少し慌てたように手を引っ込めて後ろを向き、誤魔化すように話し出した。
「さ、さて!それじゃぁー早速鍛冶場へ行くとするかな!あ、それとお前の部屋に作業着を入れて置いたからそれに着替えてから来てくれ、あれだったらかなりの高温にも耐えられるはずだからな!」
白夜は元気よくそう言うとそのまま勢い任せに一人でさっさと行ってしまうのだった。
その少し挙動不審な白夜を見てヘパイストスは少し首をかしげていたが、すぐに切り替えて白夜に言われた通りに自分の部屋として用意された部屋へ行き、そこに用意されていた白夜とおそろいの作業着へと着替え、少し嬉しそうに白夜の後を追って鍛冶場へと向かって行ったのだった。
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