第52話 アプローチの方法
好調なスタートを
切ったかのようにみえた
探偵団の活動だったが、
それも10日もすると、
その勢いに陰りが見え始めた。
子供の調査能力には限界があったし、
おまけに子供は飽きるのも早い。
3人はすでに、
ボス猿の調査に興味を失っていた。
確かに。
漠然とボス猿を調査したところで、
そう簡単に
決定的な情報が掴めるはずもない。
そこで。
俺は3人に、
洋が見たという
葉山の涙の原因を
探ることを提案した。
「でも、僕。
彼女のことは
まったく知らないし・・」
「俺も仲が良かったわけじゃ
ないからなぁ」
「私もクラスが変わってからは、
一度も話をしたことがないわ。
そういえば葉山さん、
最近は学校も休みがちみたいよ」
3人共、
俺の提案には
あまり乗り気ではなかった。
「ねえ。
奥川さんに
聞けばいいんじゃないかしら?」
奥川という名前に俺はドキッとした。
「前にも話したと思うけど、
奥川さんと葉山さんは
幼馴染なのよ」
確かに。
それは一番手っ取り早い方法だった。
だが。
それは同時に。
かなり気の重い
アプローチでもあった。
「そういえば、
あっくん。
最近、
奥川と一緒にいないよな」
「それ僕も思ってた!」
洋の言葉に翔太がポンと手を叩いた。
いずれわかることだし、
俺は奥川との関係が終わったことを
3人に伝えた。
「そっか・・」
「それで奥川さん、
最近元気がないのね」
「ま。
男女のことは
2人にしかわからないからな」
翔太と茜は悲しげな表情を浮かべ、
洋は大人びたことを言った。
「辛いとは思うけど。
あっくん、
元気を出しなよ」
「そうだぜ。
俺達は仲間なんだから、
辛いときは何でも相談しろよな」
「世の中。
素敵な女性は
奥川さんだけじゃないわ」
そして三者三様の励ましに、
俺は感謝しながらも、
苦笑いを浮かべざるを得なかった。




