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メスガキ聖獣は眩し過ぎるッッッ!!!

 ――ドンッッッッッッ!!


「グググ……」


 ティシーは凄まじい速度で大木に衝突する。其処から飛び退いたのは黄緑と青が際立つ、異形の蟲型の魔人だった。


「………差し詰め、クイーネルが生み出した兵隊の魔人バージョン………って感じかな〜〜〜?」


 ティシーは気怠そうに折れた大木から歩いてくる。無傷だった。服すらも汚れ一つ付いていない。


「グ……。


 私ハ、『アナクスタシア』!


 貴様ヲ此処デ――ッ!?」




 アナクスタシアの視界からティシーが消えた。アナクスタシアは酷く動揺する。


 アナクスタシアは只のメガララ・ヴェスパーダとは違う存在だった。生前のクイーネが捕食したトンボ型の魔物、『アナクスタス』と兵隊メガララ・ヴェスパーダの混合魔人、。


 トンボの視野はほぼ360°。加えてアナクスタスはトンボ型で最速。おまけに魔人へと昇華している存在。


 それなのにティシーを見失ってしまった。




「グ……ッ!!何処ニ――」


「此処だよ♡♡♡」


「――ッ!?……ガッ!!?」


 アナクスタシアの鮮やかな緑と青の胸が黒い刃に貫かれていた。




「ガガ……グ……ッ!!


 何故……私ハ……背後サエモ……見通ス……」


「あははは♡♡♡」


 背後からしていたティシーの声が前方からしてくる。黒い刃の先端が揺らぐと両の眼が漆黒に染まっているティシーが出て来た。


「この能力は便利なんだよねーーー、物の保存にも役立つんだけどねーーー???


 影の中を移動したり影を操って攻撃したりも出来るんだ〜〜〜♡♡♡」


「グ――ッ!!」


 アナクスタシアは逃れようと羽を羽撃(はばた)かせるが――


 ザシュ――ッ!!ドッ!!ドドドッ!!ザシュ!!


「グギャァァアアアアッ!?」


 無数の影が羽を、身体を、斬り刻み、穿ち、切断した。


「バ……ケ……モ……」


 アナクスタシアは眼の光を失い、動かなくなった。


「こんな新種の魔人を生み出せるクイーネルの方が充分化け物じゃないのーーー???


 ま、今のあの子達ならダイジョーーーブだと思うけど、ね♡♡♡」


 アナクスタシアの亡骸を影に仕舞うと、三人の元へと影で移動していく。






 ガラ……ガラガラ……ッ。


 薄暗い地下、上から土や石が崩れ落ちていた。


「もー!急に何するの!?


 お兄さんの代わりに戦おうとしてたのに!」


 アイギスは不機嫌そうに叫ぶが、自身を落とした敵の姿が見当たらずにキョロキョロと見渡していた。


(んー。絶対一緒に落ちてきた筈なんだけどなー?


 取り敢えず外に出ようかな)


 跳ぼうとした瞬間――




「ブルルルルルッ!!」


「―っ!」


 岩の壁から重騎士のような見た目の蟲型の魔人がアイギス目掛けて突っ込んで来る!!


 アイギスは瞳をパールホワイトに輝かせ、光を放つ!!


 魔人の腕は盾と槍が一体となった巨大な武器で覆われていて、槍の先端がアイギスの胸を狙い定めていた――!!


「ちょっ!危なっ!」


 アイギスは自身の能力とパールホワイトの力を掛け合わせて幾重にも結界を張り巡らせる。


「無駄無駄無駄ァァアアア!!吾輩ノ槍ハ全テヲ穿ツゥゥゥウウウウウウ!!コノ『ディコドラムス』コソ最硬ッ!!」


 その言葉は伊達では無く、結界を次々に砕いて行く!!


 ――バリンッ!!バキッ!!ピキッ!!パリンッ!!バキバキッ!!ガシャンッ!!


 次々と割られ、穿たれ――遂にアイギスを守る結界の盾は残り一枚……。


「串刺シジャァアアアアッ!!」




 ――バリンッ!!ドスッ!!




 全ての盾が割られ、アイギスの身体が槍に貫かれた。



「ブルルルルッ!!吾輩の勝利――ッ!?」


 ディコドラムスは勝ちを確信していた。しかし、目の前のアイギスの身体が、パールホワイトの光となり爆ぜる。


「ッ!!」


「残念だったね、おじさん」


「!?貴様!!何時ノ間ニ!?」


 アイギスは既に地上に出ていた。


「あたしはおじさんに構ってあげてる暇はないの、さようならっ」


「待ッ――」


 アイギス『だった物』、加えて割られ宙を舞っていた結界の欠片の一つ一つがパールホワイトの煌めきと共に盛大に爆ぜる――ッ!!!




 ――ドガガガガガガガガガカガガガッ!!!!!


 地面が隆起する程の爆発が地中で巻き怒り、ディコドラムスの自称最硬の身体は粉々に砕け散り、底深くへと埋もれた。


「お兄さん!


 ……居ない」


 周りを見るとクイーネルの姿も無かった。




 ボォォオオオオオオオオオ!!


 火柱が遠くで上がる。


 アイギスが飛んでいこうとすると、ティシーがアイギスの角を掴んで止めた。


「ちょっ!ティシー!?何するの!」


「あの魔人は二人にやらせるよ♡♡♡」


「…っ!


 …お兄さんとエウに倒せる?」


「勿論♡♡♡


 最悪、エウは不老不死だしオニーサンは生き返らせれるから♡♡♡」


 無邪気な笑顔にアイギスは本気で引いていた……。

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 ディコドラムス・メガララ・ヴェスパーダ

 カブトムシ型魔物『ディコドーラ』とメガララ・ヴェスパーダの兵隊の混合魔人。クイーネが生前捕食していたディコドーラをクイーネルが利用し生み出した最初の魔人。赤茶色の重騎士のような見た目。頭に角が有る。両の腕を合体させる事により盾と槍が一体となった武器になり突進する。自称最硬だが魔力と速度が上乗せされる為アダマス・ドラゴンを穿つ事は一応可能。


 ディコドーラ

 日本のカブトムシ型の魔物。赤茶色。しかし角は何方も先端が槍のようになっていてヘラクレスのようになっている。樹液では無く他の魔物や人間の体液を(すす)る。


 アナクスタシア・メガララ・ヴェスパーダ

 ギンヤンマ型魔物『アナクスタス』とメガララ・ヴェスパーダの兵隊の混合魔人。クイーネが生前捕食していたアナクスタスをクイーネルが利用し生み出した存在。緑と青の体色。腕を変異させ鎌に出来るのだがお披露目前に殺された。顔はクイーネルの瞳をトンボに変えた物。


 アナクスタス

 ギンヤンマ型の中級魔物。緑と青の体色が特徴的。前脚が鎌になっていてより獲物を捕らえやすく逃がしにくい。トンボ型で最速。その速さ故に力や技での勝負はせず一瞬でケリをつける。

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