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黒龍殺しの付与術師  作者: しきな かいどう
幼年期
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第4話 息子 ~アイリ視点~

 息子のカイリが生まれて2年が経った。

 とにかく泣かない子で、はじめは心配したけど病気もなく元気に育ってくれているので安心した。


 それに比べ、近所のママ友のルーシの子供は夜泣きがひどいとげっそりしていた。

 そんなカイリも夫が抱っこするときだけ全力で泣く。


「なんで俺のときだけ」


 と悲しそうにしている夫には悪いけどまったく泣かないよりは安心してしまう。

 それにいないいないばあは夫の方が上手だ。

 この間、夫がカイリをあやしてるときにミゲルさんが来たときはルーシと爆笑した。

 ミゲルさんとルーシが帰った後、ゲインが少し拗ねてしまったので甘やかしてあげたら機嫌が直った。

 うん、可愛い。

 初めて会ったのは10年位前か。

 私はまだ当時10歳だったけど一目見て気に入って、ちょこちょこと私がまとわりついて話しているうちに実直さとたまに見せる抜けたところのギャップ、ううん違う、両方を好きになった。

 カイリも元気に育ってるし、あ、あとカイリは今のところ私に似てるけど大きくなったら夫に似るといいなぁ。

 なんたって男前だしね!

 



 最近のカイリは絵本がお気に入りだ。


「うー」


 と声をかけては読むようにせがむのだ。

 絵本のときは夫が抱っこしながら読んでも泣かない。

 そのため絵本は俺が読むからと張り切っている。

 ただ夫が抱っこして読むときだけカイリの眉間に皺がよっていることには気付いていない。

 ちょっと面白い光景なので黙っていよう。


 ある日、夫が二冊の絵本を買ってきた。


「どうしたのそれ?」


「勇者と竜の絵本なんだけど、今巷で子供に人気らしいんだこの本」


「……」


 夫は役職付きだし、私も副業として簡単な薬草の処方ぐらいはして家計は苦しくないけれど、それでも本は高級品だ。

 それを二冊も……。


「お金はどうしたの?」

 

「えっ、いやまあ」

 

 じーっとゲインの目を見る。

 彼は嘘が苦手だ。

 そんなところも可愛い。


「新しく買い直すはずだった剣のお金で…」

「戻してきて」


「いや、でもカイリも今の本に飽きてくるかもしれないし……」


「だからってお仕事の、ましてや命に関わる物を疎かにしないで」


「……はい」


 以前の仕事一筋の夫ならこんなことはしなかったでしょうけど、カイリが生まれて少し変わった。

 だってこんなあからさまにがっかりした顔もなかな見ることもなかったのだから。


「はぁ、一冊だけなら、ね。

 もう一冊は返品してきてね。」

「!!」


「あなたのへそくりで補うからちゃんと装備は買ってね」

「!?」


 嘘が下手なら隠し事も下手なのだ。

 真面目なこの人の顔の変化が好きでついからかってしまう。

 ちょっとかわいそうだし、私のへそくりからも出しとこうかな。


 

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