故郷の
お久しぶりです。最近更新してなかったのでフォロワーさんがガクッと減ったへらづきです
出口の周りには、緊張した雰囲気もなく、風だけが外の世界から吹き続けた。
僕らが最初に迷い込んだ場所は、田舎だった。誰もいなく、川の反対側に鉄塔がぼんやりと見える程度の、田舎の鑑……というか、僕の故郷にそっくりだ。
「ん……人ぞね」
「そうみたいすね」
老人が1人、歩いていた。影がとても薄く、足元は目が悪くなったせいかあまり見えない。ここに来た人とはとても思えないが、真実を知る手がかりにはなるのだろうと、吉田は老人に話しかけた。
「元気にやってんかい?爺さん」
吉田はかばんを漁り、中からスティック菓子を取り出して老人に渡した。
「おぉ……じゃ〇りこじゃないかえ……孫にあげんといかんのぉ……!」
「爺さん」
吉田がイラッとした顔をして、
「俺はあんたにあげたんだ。貰ったもんは好きにしろとは言われたと思うが、俺の感謝も知ってくれよ」
吉田がここまで言って頼むということは、単純なお願いごとではない……と思う。
「いらないならもらっちゃおー!」
「馬鹿野郎……死にたいのか」
吉田が老人にぎりぎり聞こえない程度の声でストーカーに言った。
「じゃあな。お前の孫は死んでるよ」
「金持ちのやつに殺されたぞね」
僕らはそっと別れを告げ、感動のかけらもないさようならをした。老人は寂しくじゃ〇りこを食べ、吉田の入れた毒が回って死んだ。
「おかしい」
「なにがー?」
「……いや、景色が変わらないんだ。いつまで経っても田舎道というか……僕が前来た時はちょっちゅう景色が変わってたんぞ」
「確かに、そう言ってましたね」
「盾……の時……だよね?」
「あと……ここは僕の故郷かもしれない
ここからちょっと……変な話になるけどいいかな」
僕の昔……正直あまり思い出すことができないが、ここが本当に僕の故郷なら……
「光……スクラップ広場か?」
「そこ」
「なんすか……?それ」
「えっと……」
あまり思い出せない。行けばわかる気がして、皆に謝ったあと、そこに辿り着いた。道だけは本当に覚えている。全くかわらない雰囲気で、二段目から全く見えない階段、10年前から全く動いていない錆ついた細い棒。
僕らは誰も、そこに入ろうとは思わなかった。
単純に、怖かったのだ。どんな怖いもの知らずのやつも、あそこに入るのは「怖い」と言い、大人も誰も入ろうとはしない。今ならどうなのだろうか。
僕は、そっと、熱い風呂に指先だけ突っ込む感じで、階段の中に入っていった。
時々、寒気がしてきて、その横には必ず、人の体の部位のような物があった。




