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家族な空間と新たな3つの魔法

「まんまー♪」



教室を出ると出迎えてくれる勇人達。


リトが片手に抱いた勇人と共に近づいてきた。



「お姉さんって子供がいたの!?」


一緒に講習を受けてた男の子が驚いた声をあげる。



「勇人はね「そうだぞ。俺たちの息子の勇人だ。よろしくな。」」



なぜか被せてきたリト。あ、そっか息子って設定だもんね。つい忘れちゃう。


子供にくらい嘘つかなくてもいい気がするけど、どこから漏れるかわかんないもんね。


「可愛い!お姉さん、すこし撫でてもいいかな?」


女の子の方はイナリに夢中みたいだ。


イナリには人前では話さないように伝えてるから、コンッと鳴いて返事をくれる。


「イナリもいいって言ってるし、大丈夫だよ。」


わーいと言って、ふわふわのイナリを撫でている。イナリも撫でられるのは好きだから気持ち良さそうだ。



それにしても、ギルド内の視線が痛い。


子供でも冒険者をやっている子はいるけど、やっぱり赤ん坊連れは目立つよね。



中には明らかに快く思ってない視線も混じってる。


意識すると、思わず受け取った勇人を強く抱き締めてしまう。



そんな私に気付いたのか、リトが私の頭を撫でながらそっと抱き締めてくれる。


ひ、人前とか恥ずかしいよ!



「講習はどうだったんだ?」


耳元でリトが心地いい低い声で尋ねてくる。

素敵な声で腰が砕けそうです。



そして、冒険者のお姉様達の視線が痛い。格好いいリトの効果だとすぐにわかる。グサグサ刺さる。視線でヤラレル。



ま、負けないもん。リトは私のだもん。



「いろいろ教えて貰って、3つ魔法が使えるようになったよ。帰ったら見せるね。」


そう言って、リトのほっぺに軽くチュッとする。


うー恥ずかしいけど、どうだ!



なんか視線がさらに鋭くなったのと、なんだか他の視線も増えた気がするけど、もう気にしない。


「お姉さん達ラブラブだね。」


まじまじと男の子に言われる。

ありのままで言われると恥ずかしい。


「じ、じゃあ帰るね。また明日も頑張ろうね!」



そう言って逃げるように、男の子と女の子に別れを告げて、冒険者ギルドを後にした。




もう夕暮れ時で薄暗くなった街中を歩く。


イナリは街中ではあまり喋れないからか、私の足元にすりすりしながら歩くという器用なことをしている。


勇人はリトの腕の中、リトの反対の手は私と手を繋いでいる。



なんか本当の家族みたいで嬉しい。


「なんか嬉しそうだな。」


嬉しくて顔が緩んでたのか、リトに穏やかな声で言われる。


「なんか本当の家族みたいだなって思って。私もあまり両親の記憶はないけど、家族ってこんな感じかなって思って。」



私の幼い頃の記憶は曖昧だ。


曖昧だからこそ、想像する幸せな家族はこんな感じかと考えてしまう。



「俺も記憶はないけど、きっとこんな感じなんだろうな。」


リトもしみじみと答えてくれる。




帰路についた私たちは、いつも通りに食堂に帰って、リトは仕事へと降りていった。


私はというと、早速家なので空間収納の容量を確認する。魔力量は問題ないけど、容量までは未知数なのでいざという時のために確認が必要だ。


試しに服や小物、鍋などを次々に収納していく。


イメージが切れないように意識しながら、少しずつ収める。


途中でシンシアさん達に許可を貰って、食糧倉庫の食材も詰めれるだけ詰めてみた。



いろいろと実験をしてみた結果、全部で50キロくらいが収納の限度で、出し入れ可能な大きさはソファ大まで、ベットは収納出来なかったし、ブルーブル丸ごとも収納は出来なかった。


レベルが上がれば、収納容量や可能な大きさも増えるよね。今はこれでも十分だ。



リトの仕事が終わってから、習った魔法は披露した。


特に空間収納には驚かれたし、便利さに賛同はしてくれたけど、あまり人前では使わないように注意された。確実に攫われるからやめてくれとのこと。


リトに1番褒められたのは、バリアの魔法だ。


魔力消費量も少なくて、物理攻撃も魔法攻撃も防ぐことが出来る。


私のレベルが低いから、私より強い魔物に対しては障害物程度にしか効果はないけど、それでもバリアを張るだけで、避けられる確率も増える。


あとは咄嗟にどこまで素早く使えるかなど、課題はまだまだあるけど、少しずつ出来ることが増えるのはやっぱり嬉しい。


明日の講習も頑張って、あとは旅の途中にも使いながら自分のものにしていけるようにしよう。






「ふぁっ。」


チュッと音が響く。




勇人とイナリは夢の中。


今日の出来事や、今後の予定についてリトに腕枕をしてもらいながら、小声で話していた。


魔法を頑張って覚えたから、冗談でご褒美が欲しいと伝えて、今に至る。



うん、確かに嬉しいしご褒美なんだけど。


最初は唇が重なってただけなのに、途中から舌が入ってきてなんか…エロい!


大人なキスに変わっていた。



もちろん経験ゼロな私はなすがまま、リトに応えるのに必死で、キスが終わった頃には息も絶え絶えでした。


なんか、リトにご褒美をあげた感覚なのは気のせい?


疲れ果てて、そのまますぐに意識を手放した。






翌日も無属性魔法の講習。



やることは昨日と変わらない。


宿題として、今日覚えたい魔法を考えてくるように指示があったので、各自で考えた魔法を報告し合う。



男の子の覚えたい魔法は、衝撃波(ショックウェーブ)。バリアの次は攻撃を覚えたいとのことで、この魔法を考えたそうだ。


女の子は軽量化(ライトウェイト)の魔法を覚えたいと言う。魔法をかけたものの重量を軽くする魔法で、基礎的な魔法であることに加えて、空間収納と合わせて持ち物を軽くしたりも出来るので非常に便利な魔法だ。


私が覚えたい魔法は、探索(サーチ)。自分の周囲の敵の気配を探索したり、探し物を探索することもできる。旅には欲しい魔法の一つだ。





昨日と同じく、それぞれ魔法を使ってみるが、イメージの相性もあるのか、私はと衝撃波の魔法だけは最後まで出来なかった。


旅路で練習しよう。唯一習った攻撃魔法なので、ぜひ使えるようになりたい。


女の子は、昨日の続きで空間収納を特訓して、最後には何か1つのものだけは収納できるようになった。


唯一万能にこなせたのは男の子で、聞いてみると彼は珍しく無属性魔法しか適性がなく、しかも無属性魔法の適性がAだそうだ。


単一属性持ちは普通だそうなので、自分のことは上手く伏せながら、魔法についての情報も少し教えてもらった。



「これで私の教える内容は終わりよ。あとは貴方達が自力で魔法にたどり着くこと。昨日今日と覚えた魔法はきっと貴方達の役に立つから、新しいものに飛びつくだけじゃなく、技を磨くことを怠らないように。私からのアドバイスは以上よ。」






こうして無属性魔法の講習は終わった。


今日を除いて、旅立ちまであと3日。


さらにレベルを上げるべく、トレーニング頑張ります。

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