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62 払え!保釈金5万円!

俺の名は山口寿明。

色々あって異世界でスライムに生まれ変わって、罰金を払えといわれている男だ。


とりあえず金を用立てる方法を探さねば。

『身元についてはインコマンさんが保証してくれるから大丈夫だよ』

これぞ秘技口から出任せだ。

顔見知りであるが、身元保証人になってくれるほど仲が良いかと言われるとそんな訳でもない。

だが今は名前を借りよう。偉いさんっぽかったし、何とか通るだろ。

『そう言えばあんた、鳥人族の親衛隊長だかを尋ねて都に出てきたんだったわね』

『そうそう。お金は何とかしてくるからちょっと時間下さいね』

『何とかってどうするつもりよ』

『へへっ、実は金策のアテがあるんでさぁ…。旦那には教えられませんがねぇ。ヒーッヒッヒ』

『きもっ。やっぱり馬鹿なの?』

時代劇の下っ端風に誤魔化したら馬鹿にされてしまったが、本当に金策のアテはあるのだ。


『ところで、この辺りで動物とか狩れる場所ってあったりする?町の外なら好きにして良いの?』

『動物の狩り?好きにすれば良いんじゃないの。でもかなり町から離れなきゃ、都合良く獲物なんか居ないわよ』

曲がりなりにも都とか呼んじゃう程度に拓けてる、結構な規模の町だもの。

そりゃそうだわな。あたりに野豚だの野犬だのはウロウロしてない。

ウロウロしていたとしても、それがシピにゃんみたいな動物タイプの魔物?である可能性もあるのだ。

この辺で狩りはちょっと現実的ではないな。

うーん、補充は効かなそうだし、当面は多様出来ないな。


『そう言えば罰金っていくらなの?軽いって言ってたけど』

『ああ、5万ペロよ』

『ペロ?』

『ペロ。同盟通貨』

魔界コイン的な奴があるのか。しかしペロて。命名は何とかならんかったんか。

『ちなみに1ペロで何が買えるの?』

5万とか言われても、そもそもまだこの世界で通貨を見た事すらないんだからな。

それがどれくらいの価値なのか全然分からん。

『1ペロで買える物なんて無いわよ。果物が1つ50ペロくらいね』

つまり果物千個分の罰金ってことか。そう換算するとえぐいな。

『5万ってその価値感だと重たくない…?果物千個育てて運んできて売り切ってやっと完済って…』

『罰金としてはかなり軽いわ。温情に感謝しなさいよ。ほら。ほら』

『うう、ありがとうございます。ありがとうございます。』

ふむぅ。普通に却下された挙げ句、オラオラとかんしゃを押し売りされてしまった。

まぁ言うだけならタダだからいくらでも言うけどさー。


とりあえず、異世界通貨で考えるのはめんどくさいから1ペロ1円で置き換えて考えよう。

果物1つ50円。町の暴動を収めようとしたら加害者判定されて罰金5万円。

よし、そんなにズレてる感じしないな。

『これって、強制労働だと10日間くらいだったりする?』

『んー?まぁそんなもんじゃないの?よく知らないわ』

うむ、1ペロ1円で考えても大きくズレは無さそうな雰囲気だ。

んで5万って事は、日給5千円のバイトを10日か。結構キツイなー。


『じゃあ今日中に5万ペロ持ってきなさい。持ってこないと強制労働だから』

『今日?!ちょっと返済期限早すぎませんかね!』

『普通は払ってから釈放よ。一日貰えただけでも感謝しなさい』

まぁ確かに、俺がこのまま町から姿を消す可能性もあるわけだから、そう言う意味では寛大だけども。

実際問題として本当に逃げたとしても、5万円程度でイチイチ偉い人に請求したりもしないだろうな。

そう言う意味ではモラルを試されてる感ある。


『じゃあお金作ってきますんで』

詰め所から出ても良しとなったので、昨日と同じく城に向かう。

もともと魔法を教えて貰うという目的もあったが、今度は金策も必要になったからな。

城で田端さんに会う必要があるのだ。

他にスライムっぽい種族がいないせいで目立つのか、門番と受付の人には覚えられていた。

今日はインコマンではなく田端さんに直接取り次いで貰う。

『田端さん、おはようございます』

『おはようじゃよー。ちゃんと来よったんじゃよー。来ないかも知れんと思ったんじゃよー』

田端さんの部屋に案内されると、まだ光の玉が煌々と輝いていた。

これ、今日くらいで消えると思うんだけどなぁ…。


『今日は先に相談があるんですけど、俺の魔力ゲル、売れませんかね?』

俺の心当たりの金策というのは、まさしく身売りであった。

魔法回復薬は高価。俺のゲルは魔法回復薬になる。即ち俺のゲルは高く売れるだろうという魂胆だ。

『売れば売れると思うんじゃよー。でも出所を探られたら、間違いなくおぬし攫われるんじゃよー?』

ぐ、やっぱそうなるか。昨日もそれが引っかかったんだよな。

誰かに捕まって回復薬製造プラントにされるエンドに大きく近づいてしまうのがこの案のヤバいところだ。

うーん、それ以外に何とか金策出来る手段は無いものか…。

出来れば日給五万即金払いのバイト的な。

異世界通貨の価値とかオリジナル設定出されてもうざいだろうと言う事で積極的に円互換していきます。

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