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50 到着!異世界の都!

俺の名は山口寿明。

色々あって異世界でスライムに生まれ変わって、異世界の都に向かって旅をしている男だ。


何だかんだで約一ヶ月掛かって、都と思しき所にたどり着いた。思ったより長かった…。

道中は主に森で道に迷っていました。

コンパスとか持ってないから、方角が分からないんだよね。だから書き写してきた地図もあんま役に立たなかったし。

特に森の中で街道を見失うとキツかった。遭難していたと言っても過言ではないレベルで道が分からなかった。

森を抜けてからは比較的アッサリ進めたけど、帰り道は不安だ。とにかく道が分からん過ぎた。

実際の所、今見えている町がインコマンの言う都なのか自信が無いくらいだしな。

今まで見てきた村落や町の規模からして、ここが一番デカいので多分都だと思う。


【さて、都(推定)を見つけたはいいが、詰め所とやらはどれだ…】

確かインコマンが、衛兵だか兵隊だかの詰め所に尋ねてきてくれればいい的なことを言っていたと思うが、問題はその詰め所がどれだか分からないと言うことだよ。

町から少し離れた野っ原の木に巻き付き偽装しながら様子を見ているが、目に入る建物は、城、監視塔っぽい高櫓、木造や石造の建物多数。

二階建ての建物もある。よくある中世ファンタジーめいた城下町だ。

しかし城壁とかはない。戦争は想定してないんだろうか。

あと、城は兎も角として、城下町には出入り制限もないと言うことだ。ユルい感じで良かった。

まぁ戦時下ならともかく、この文明レベルで平時にいちいち入国チェックなんて出来ないわな。

徴税の仕組みがどうなってんのか分からないけど、人別帳や戸籍的な物すら整備されているか怪しい。


しかしこの世界に来て、いきなり襲われたりヘルキャバクラに連れ込まれ掛けたりした経験から、出入りフリーであっても油断は出来ないというのは学習済みだ。

ユルい出入りにまどわされて一歩市街に足を踏み入れたら、いきなりデスロード開幕という可能性があり得る。

ここは出来るだけ隠密行動で詰め所に忍び寄ってコンタクトを取る方向で行きたいが…。


夜を待ちながらしばし考えた結果、夜陰に紛れて監視塔っぽい櫓に忍び寄ることに決めた。

監視塔なら警備の人がいるだろう。つまりそれこそが詰め所だ!

町の外で暗くなるのを待ち、そっと匍匐前進を開始したが、思いの外明かりがあるな…。

ダークエルフ村ではほとんど夜間に明かりを見なかったので、この異世界は夜まっ暗系だと思っていたが、異世界でも都会は夜でもそれなりに明かりがあるようだ。

それでもある程度こそこそと暗がりを探して進んでいたが、なんかゴブリン風の町人に目撃されてしまったあたりでコソつくのを止めた。


思ったより色んな種族がいるんだよねこの町。

なんか毛の無い全身グリーンで目だけ真っ赤なモアイ顔の人とか、毛羽毛現みたいな全身黒毛ムックみたいな人とか、ファンタジー系の種族としては何て言うのか全然分からないタイプの人達がウロウロしている。

その中に、ファンタジー系のゴブリン風の人とかオーガ風の大男とかが混じってる感じ。

ひょっとして、探せばスライムもいるかも知れないな。

いや、それはないか。見かけるのは一応生物っぽいタイプばっかだしな。

四足歩行系のはたまに居るけど、ゴーレムとかの非生物タイプは全然見かけない。

そういう意味では、俺は異彩を放って悪目立ちしているかも知れないな。


流石都会と言うべきか、特に誰かに絡まれることもなく、サカサカと早歩きくらいのスピードで進んで櫓に到着した。

櫓の一階部分が小屋になっていて、明かりが漏れている。中に誰か居るようだ。

コンコン

とりあえずノックしてみる。誰か出てくるまでドアを叩き続ける所存。

そういえばこのドア、開き戸なんだな。

ダークエルフ村は基本的に完全木造で引き戸だったが、開き戸があると言うことは蝶つがい的な金具もあるんだろうか。

やっぱあの村は森の中の孤立村だったんだな。金物をあんまり見なかったがするし。


異世界ドア事情に思いを馳せていると、詰め所の中からフルアーマー緑の大男が現れた。

この人、ヘルキャバクラ村の入り口で襲ってきた奴と同一種族っぽい。

アイツと違って全身なんか鎧っぽいの着てるし、顔つきや目に理性を感じる。人間感が高い。

とりあえず触手と触手をあわせてお辞儀っぽいアクションを取る。

そしてピュルピョルと口笛にて、インコマン氏にお取り次ぎを願いたい旨を伝えてみたが、当然伝わらなかった。

ただ、そこで待ってろ的なアクションを取りながら中に引っ込んでいった。

きっとテレパシー使える系の人を呼びに行ったのだろう。


『何か用か』

おお、まだドア越しなのにインコテレパシーで女性から語りかけられたぞ。

ヒャア今度はどんな美人が?!(ただしデス系はお断り)

ワクワクしてドアが開くのを待ちかまえていた俺の前に、巨大な白い猫が現れたのだった。

…ねこ?


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