第二十三章64 【アンサー・クリエイト/第10席戦5】64/準決勝第2試合14
一通り、【属性】を試した所で何一つ現存する【属性】では【かき氷】には、一切利かないと言うのが解った【ティアラ】は、
「待たせたわね。
次からは実験よ。
まずは、【属性】の概念を外す。
【属性】とは系統を意味している。
例えば、【火属性】なら【火】に関しているものなどがそれに当たる。
では、それらの【属性】ではくくれないものはどうなるのか?
それを私は考えて見た。
今までの戦いでどうなっているかをあなた達はしっかりと私達に説明してくれたから私もあなた達に説明で返すわ。
例えば、【本】。
紙の【本】は、
1冊、2冊、3冊と、本の個数(冊数)が増えてくる。
でも、電子書籍などのデジタルデータではどうなるか?
紙の本で巻数があるもの・・・
1巻、2巻、3巻・・・
と増えていくけど、電子書籍の場合はそうならない場合もある。
例えば、1話ごとに切り売りするという考え。
紙の本では1巻、2巻、3巻でも1巻の中には数話の話がある場合もある。
その場合、電子書籍では、1巻、2巻、3巻という考え方ではなく、1話、2話、3話で切り売りする事で新たな価値観が生まれる。
1巻、2巻、3巻をまとめた合本では逆に複数の巻を1つにまとめると言う意味が追加される。
この様に、通常の形から他に意味を追加する事によって、新しく意味が生まれる。
それをまず試させてもらうわ」
と言って、通常の攻撃の意味を他の意味を加えて違った解釈にする攻撃を仕掛けてみた。
だが、これも攻撃という形を取っている以上、攻撃の意味を為さなかった。
【ティアラ】は、
「なるほど。
攻撃の意味を取っている間は意味がないのかも知れないわね。
じゃあ、次、行くわ。
次は偶然性を試してみようかしら。
攻撃が全く当たらないけど、攻撃の意思なく、偶然攻撃の形を取ってしまう事って世の中にはあるのよね。
でも、これも常識内の考えに当てはまるから通用しないかも知れないわね。
でも試させてもらうわよ」
と言って、運や連鎖などで攻撃の意味を為すと言う攻撃の形を変更してやってみた。
これも不発に終わる。
【ティアラ】は、
「ふぅ・・・
これも上手く行かないわね。
でも、【かき氷さん】と言ったかしら?
あなたの表情を見る限り、答えじゃなくても答えに近づいて居る。
そう、受け取って良いのかしら?」
と言った。
【かき氷】は、
『・・・何のことかな?』
と言った。
【ティアラ】は、
「したかったら攻撃しても良いのよ。
あなたに与えられた当然の権利ですもの。
私の我が儘に付き合う事もない。
私はほぼ無防備。
やられちゃうでしょうね。
でも、それで私が一矢報いるための確信に変わる」
と言った。
【かき氷】は、
『少々、手を抜きすぎた様だ・・・
こちらは1敗も出来ない。
この状態で次につなげる事は出来ない。
悪いが勝たせてもらう』
と言って、【ティアラ】に一撃を与え、一撃の下に倒した。
これで【かき氷】の勝利。
だが、【ティアラ】にとって意味のある敗北だった。




