89.僕にとっての好きな人は、お姉ちゃんだから…
初等部の玉入れが始まった。
身体の小さな初等部の子たちは頑張って高い高い網にボールを投げていた。
その可愛い姿に私は…。
「きゃああああ!みんな頑張ってええええ!」
健気で元気いっぱいな子達を見て私は心が躍って、つい大声で叫んじゃっていた…。
「また出たよ、リタの小さい子好き症候群…」
「うふふ、でも応援するのも良いよね!」
叫んじゃってみんなにちょっと迷惑かけちゃったけど、その甲斐あってか初等部は魔法科が勝った。
次の競技は中等部による借り物リレー。
この競技はさっきの徒競走と違って、魔法科、剣術科、普通科からそれぞれ3人の代表者が出場する。
私達魔法科からはラウラ、テレシー、そしてティオが出る事になった。
「ラウラ~!頑張って~!」
「任せて!」
まずは第一走者としてラウラがスタート地点にいた。
「位置について、よーい…」
パァン!
第一走者が走り出した。
頑張り屋なラウラはいきなり全速力で走っていた。
そしてお題の入った箱に手を入れてお題が書かれた紙を取り出すと、真っ先に私の方に走って来た。
なんで?
「リタ、一緒に来て!」
「え、ちょっと待って!なにがお題なの!?」
そう言ってラウラが紙を見せると、私は絶句した…。
紙に書かれていたのは…。
『おっぱい』
『おっぱい』って、どういう事!?
「とにかく来て!」
審判にお題を確かめてもらうとなぜかOKを貰えた…。
そして魔法科のタスキは次はテレシーに託された。
「テレシー!次頼んだよ!」
「う、うん!」
私はちょっと意味が分からなかったけど、とにかくテレシーに次を託せて一安心した。
私は待機所に戻ってテレシーを応援した。
そして次はテレシーがお題を出して、ある場所へ向かった。
それは保護者席だった。
(テレシーは何を持ってくるのかな?)
テレシーは保護者席からある物を借りてゴールに行った。
持って行ったのは瓶に入った薬だった。
審判からまたもOKを得てついにティオにタスキが託された。
「よし!僕も頑張るぞ!」
「ティオ!ファイト!」
ティオは張り切って走ってお題を取り出した。
するとティオは明るい笑顔で必死に走って私の所に来た。
「ティオ?」
「お姉ちゃん!一緒に来て!」
また?
これで二度目だけど、お題は…?
ティオにお題を見せてもらうと私は少しだけ赤面した。
ティオが出したお題は…。
『好きな人』
「僕にとっての好きな人は、お姉ちゃんだから…」
「ティオ…」
私は少し恥ずかしく思ったけど嬉しくも思った。
そう思いながらもゴールに向かって私達は走った。
手を繋ぎながら…。
「行こ!お姉ちゃん!」
「うん!」
私達は一番にゴールした。
また私達魔法科に1点が与えられた。




