80.レイア…あなたは一体…
ダンジョン探索授業はもうすぐ終盤に差し掛かっていた。
ティオとアギトがダンジョンから出てきてから、テレシーとラウラ、ミーシアとガレオのそれぞれのペアもゴールしていた。秘宝は持ってこれたかはともかく…。
いよいよ私とレイアの番になった。
緊張しているけど、私達はダンジョンに入った。
正直言って緊張する。
あの時のパーティーでちょっとしかレイアと話した事無いから…。
でも、さっきも思ったけどこの子っていつも暗い感じね…。
それに、日焼けが嫌なのか、明るいうちに外にいる時は日傘をさしていたし…。
「その傘、綺麗だね…?」
「テイズ様から貰った物なので私にとっては大切な物でもあります」
テイズ王子から…
そういえばこの子王子様の専属メイドだったわね。
私はちょっとだけだけど警戒が解けたような気分がした。
なんかスッキリしたようにも思えた。
ダンジョンの中を歩いていると、小さな魔獣が現れた。
「ひぃ!?」(怯えちゃだめだ!今まで教わった事を生かさないと!)
私は炎の魔法を放とうとしていた。
でもその時だった。
「え!?」
レイアが、手から黒い剣を出して魔獣を一掃させた。
びっくりして腰が抜けそうになったけど、レイアは何も言わずに先行って私も後を追う形で歩いて行った。
秘宝がある広い場所についた。
秘宝の前にはおおきた鎧の守り人がいた。
でも、その守り人もレイアが一瞬でさっきと同じ剣で倒しちゃった。
「レイア…あなたは一体…」
「…では、行きましょうか…」
その一言だけを残して、後は何も会話せずにレイアと私はダンジョンから出た。
「では、これにて疑似ダンジョンの探索授業を終了とする」
無事に何とか全員の探索は終わった。
秘宝を無事に持ってこれたのはわずか数人だけだったけど、「これも冒険者のお仕事なんだね!」と心から思った。
前に私の家庭教師をしてくれたヴィスト先生とピノン先生もこういう仕事してしたのかな…。
そう思っていた私。
私達はそれぞれの教室に戻って…。
「え!?」
それから私はどうなったのか分からなくなった・・・。
「え?」
気が付くを私は誰もいない教室にいて、椅子に座ったまま拘束されていた。
何が何だか分からなかった。
「ちょっと、これってどういう…?」
「目が覚めたかい?」
「え!?」
聞き覚えのある声がした。
振り向くとそこには…
「て、テイズ王子!?」
テイズ王子がいた。
しかも、不気味な微笑みを浮かべながら…。




